借金は人間関係を壊す(その1)

ないじゃんさん
ないじゃんさん

私がまだ20代のとき、毎週のように一緒に酒を飲む、Aさんという友人がいました。その人は子会社からの出向者で、1年間の研修で机を同じくしていたのですが、研修期間が終わり、それぞれの職場に戻ってからも、しばらくは連絡を取って夜の街に繰り出す、そんな関係を続けていました。


ところがそれから10年ほどして、私は仕事上の失敗から地方に飛ばされてしまいました。すると、Aさんからの連絡は次第になくなっていきました。こちらが電話で飲みに誘ってもうつろな返事。私は、地方に飛ばされた人間に対する世間の風なんて、所詮そんなもんさと諦めていました。


それからさらに5、6年が過ぎ、突然、職場にAさんから電話がかかってきました。「ないじゃんさん、久しぶりだなあ」・・・やっぱり覚えていてくれたんだ!と嬉しくなって身の上話を続けようとすると、Aさんはなかばそれを遮って、「実は、頼みがあるんだけど。金を貸してほしいんだーーー」


Aさんの父親がガンで、先進治療にお金がかかり、子どもの教育費もあってお金が足りず、友人知人に借金しまくっているとのこと。懐かしい友の声が聞きたくて連絡してきたのかと思いきや、要は金目当てだったんです。私はそれまでのAさんに対する思いが心の中で崩れていくのを感じました。


でも、かつては一番なんでも相談できる人として付き合った人です。妻にも相談しましたが、「そういう思いを無にしたくなかったら、貸してあげればいい。ただし、一度だけにした方がいい」とのことでしたので、私は、形ばかりの借用証書を書いてもらい、十万単位の金を貸しました。


数か月後、彼は約束どおり金を返してくれました。お礼は言いましたが、「お前と俺の仲なのに、借用証書なんか書かせるのか・・・」という表情をしていた。私は「お父さん、治るといいね」とだけ言ってその場を後にしました。それ以来、Aさんと私はお互い連絡を取ったことはありません・・・。


4件のコメントがあります
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南極のペン銀さん、こんにちは。初めまして。


「カネの切れ目は縁の切れ目」。向こうはそう思っているのでしょうね。私は一生、損得抜きの付き合いをしたかったのですが・・・。


「借りる時のえびす顔、返す時の夜叉顔」。まさにそのとおりでした。借用証書がなければ返してこなかったというのも確かにそうだと思います。そもそも今まで塩対応をしておいて、金を借りるときだけもみ手ですり寄ってくる人に、どうやって証文なしに金を貸すことができるでしょうか。


まあ、生涯の友だと思った人が、実はそういうヤツだということがわかって結果的には良かったのかもしれませんね。「カネの切れ目は縁の切れ目」とは言えなくても、「縁の切れ目はカネの切れ目(で判断できる)」のは確かだと思います。

シオカラスさん、こんにちは。初めまして。


「他人に金を貸すなら、あげたものだと思いなさい」ってよく言われますよね。私もそう思うのですが、1万2万ならそういう気持ちになっても、さすがにケタが1つ違うとなると、簡単に「あげる」という気持ちにはなれませんでした。


ただ、職場に電話がかかってきた時、ああ、この人は自分にとって利用価値があるかないかで付き合い方を決める人なんだろうなと思ったので、その後の対応は比較的淡々と進められたと思っています。

こんばんは。


「カネの切れ目は縁の切れ目」とも言いますしそれで良かったのではないですか。

「借りる時のえびす顔、返す時の夜叉顔」ともいいます。そのとおりの表情になんたんですね。


 仲良くともお金を借りたままドロンする人も多いと聞きますので借用証書を書かせたのは良かったと思います。それがあったから返してよこした可能性が高いと思いますよ。借用証書を作らなくていい時は最悪取れなくてもいいやと思う人間関係の人だけだと思っています。

今晩は、借金を頼む相手は人間関係を切ってもいいと思ってると感じるので、断るか.手切れ金としてます。
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