valuelineさんのブログ
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セルシードは「細胞シートの専用実施権」をもっているのか
セルシード社は細胞シートの専用実施権利をもっているという主張をときどきみかけます。
http://textream.yahoo.co.jp/message/1007776/7776?comment=38688
http://minkabu.jp/blog/show/522584
これらの投稿は事実でしょうか。
実際どれだけ調べても、それに該当するようなソースがみつかりません。
もしそのソースをお持ちの方がいたら教えてください。
唯一確認できる事実は「温度応答性培養皿」というシャーレの特許に関する専用実施権をもっている(もっていた)ということです。
>同社の中核技術とも言える温度応答性細胞培養機材は、基本特許を東京女子医大が保有しており、同社はその専用実施権を受ける形となっている。しかし、東京女子医大が保有する基本特許は、日本では既に有効期限が切れているほか、 他国でも2011年までに期限が到来してしまう。この対策として周辺特許の出願を行っているとのことであるが、競合他社が出現して、相対的に優位性が低下する可能性もあり留意が必要
http://www.crossinfinity.com/dl/ipo-review/2010/20100209_cellseed.pdf
実際、セルシードの特許は温度応答性培養皿に関するものばかりであり、セルシード社の実態は細胞シート開発企業であるというよりも器材販売会社であるというのが正しい言い方だと思います。
上記文章にあるとおり、セルシードは周辺特許として、温度応答性培養皿を使った特許の申請を続けていて、
温度培養皿の延命をはかっています。阪大の細胞シートによる心筋治療にはセルシード社の培養皿をつかったプロトコルを採用しており、これは好材料です。
しかし問題があります。セルシード社の温度応答皿は、いつまで使われるのでしょうか。
最近理研の初のIPS臨床試験が行われましたが、もちろんセルシード社の温度培養皿は使用していません。
細胞を使った基底膜を育てるという独自の技術を採用しています。
また先日横浜国大では、電気を使った細胞剥離技術を発明しています。
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020140528eaae.html
もちろん実用段階であるセルシード社の製品と比べれば優位性は現段階では劣るでしょう。
しかし、いつまでセルシード社の培養皿がつかわれつづけるのでしょうか。
はたして技術的スタンダードを確立しつづけることができるのでしょうか。
少なくとも「細胞シートの専用実施権」なるものの根拠を私はみつけることができません。
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関連銘柄:
セルシード(7776)
しかし、もちろんその記事は読んでいます。
岡野光夫教授は残念ながら昔から話を大げさにする癖があるようです。
セルシード社の公開してる契約には目を通しましたが「細胞シートの専用実施権」なるものはありません。
岡野教授は「細胞シートを剥離する技術の実施権」=「細胞シートの基本特許」=「作成技術」と言いはってるのではないでしょうか。
具体的な論文、具体的な特許、具体的な提携はひとつもみつかりません。
セルシード社に先進的な細胞シート培養特許技術の特許があるのでしょうか。
実際世界中でセルシード社と提携することなしに細胞シートの研究が続けられています。
今回手術を発表した理化学研究所もセルシード社と提携はしていません。