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加齢黄斑変性 患者数は70万人
網膜は光や色を感じる視細胞を含む感覚網膜(神経性網膜)とそれに寄り添う色素上皮と呼ばれる組織から構成され、目をカメラに例えるとレンズを通った光が像を結ぶフィルムの役目になります。色素上皮(RPE)細胞は、網膜の外側にある一層の細胞で、感覚網膜への栄養補給や老廃物の消化を担っています。そのため、色素上皮の機能が低下すると視機能を担う感覚網膜の機能も低下してしまいます。
網膜変性疾患の一つである加齢黄斑変性は、網膜の中心で一番良い視力が出る部分である「黄斑部」に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気です。発症の詳しい原因はわかっていませんが、加齢や炎症、遺伝的な要因と関係がある可能性があります。欧米先進国では成人の失明の最大の原因であり、日本での推定患者数は70万人以上です。
加齢黄斑変性には、滲出型(新生血管型・ウエット型)と非滲出型(萎縮型・ドライ型)があります。日本人に多いウエット型は、加齢に伴って黄斑部に脈絡膜新生血管と呼ばれる異常な血管が生えてくるのが特徴です。この血管は正常な血管とは異なり、もろくて透過性が高いため、破れて出血したり、水が滲みだしてきたりします。その結果、網膜が浮腫をおこし、黄斑部の機能が阻害され、視力の低下や視野の歪みなどを生じます。ドライ型は欧米に多く、網膜組織が徐々に傷んで萎縮していきます。
私たちは、「加齢黄斑変性」の患者さんを対象に、iPS細胞からRPE細胞を作製し、黄斑部に移植する治療技術の開発を行っています。元気なRPE細胞を移植することで、網膜の機能が回復することが期待されます
株式会社ヘリオス (理化学研究所 認定ベンチャー)
Healios K.K.
研究テーマ: タンパク質がゲノム情報によって規定されている機能を果たすためにはその立体構造が正しくなければなりません。私たちの研究室では、分泌タンパク質や膜タンパク質の高次構造形成の場である小胞体を研究対象として、「タンパク質の形がおかしくなったときに細胞はどう対応するか」を基本命題として解析しています。
象徴図を一見してわかるように、細胞は複数の対処法を確立しており、それぞれの応答機構が実にダイナミックに制御されています。さらに細胞はこれらの機構をうまく使い分けて小胞体の恒常性を維持していることがわかってきました。その理解に私たちの研究成果が大きく貢献しています。
今後、応答の分子機構をより詳細に解明するとともに、タンパク質の構造が異常になったという極めて曖昧な情報を細胞はどうやって捉えるのかという感知の問題を明らかにしたいと考えています。また、応答ができなくなるとどんな不都合が生じるのか、ノックアウトマウスを用いた解析を行なうことができるようになりました。さらに、メダカや ニワトリBリンパ球由来細胞株という、ノックアウトが比較的容易な脊椎動物モデルを使った解析を始めました。