りんりん/Kさんのブログ
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中国、天津にて(13)
私が、中国出張でいつも居住する天津の住居の付近には「海河(はいほう)」があり、この運河に架かる「獅子林橋(しーずりんちょう)」「金鋼橋(ちんがんちょう)」等の橋がいくつもあり、その2つの橋を挟む袂あたりに「望海楼(わんはいろう)」というフランス租界時代の黒い煉瓦造りの教会があります。
天津には、他にも華やかな様式の立派な塔のそびえる教会もあります。例えば、濱江道と南京路の交口の先、天津伊勢丹の隣にある教会などは人通りも多い繁華街の中に位置するために、夜はライトアップもされ目立つ建物です。
しかし、私は「海河」に黒装で、長四角の落ち着いたたたずまいの「望海楼」という教会が好きです。
私の夜の散歩コースで、現在は隣接の病院の一部として利用されているようですが、ぐるりと周囲を巡ると、川辺の風に頬を撫でられながら、甘美な時間を過ごすことが出来ます。
私の妻の話では、昔この教会には、人さらいが子供を連れ込んでいたなどの悪い噂もあった、と聞きます。
たぶん噂の当時は、教会には信者もおり、布教活動も細々行われていたのかもしれません。しかし、中国の信教に対する厳しい風当たりの政治闘争の時代を経て、この建物は生き残ってきたのだと思います。
この建物の裏手には、朝よく利用する中国東北部出身の主人の豆腐屋さんがあります。そこで私の妻は、豆乳と豆腐を買い、美術専門学校の隣の露店で揚げパン(油条と言う)を購入して、家に戻ってきてから2人で朝食です。
この東北人の手作り豆腐は、大変滑らかで、口に入れるとスウッーと溶けるような感じで、お店も大人気で、遠くからもわざわざ朝食のために買い求めに来る人もいるそうです。
1鍋分で3元(約48円)程度と高くもなく、良心的な値段です。
この豆腐と一緒に食べる「油条(ゆーてぃぁお)」というキツネ色の細長いチョリスのような格好の揚げパンですが、作り方は至ってシンプル。小麦粉を水で溶いてよく練り、まな板の上で細く伸ばし、四角く切った種を2つ手で長く伸ばしてから、茹だった油の中に放り込みます。するとみるみる脹らんで、2本の棒がくっついたような形に揚がります。
こんな、単純な食べ物ですが、中国人に言わせると「この店のものは、まずいよ。向こうの店が美味しい。」などと勝手なことをほざきます。
まったく、どーしてこんな誰が作っても出来の違いようのない単純な小麦粉の加工食品が、美味いの不味いのがわかるんだ、と言いたくなります。こんな重箱の隅を突き合うようなことでも、彼らの食に対するこだわりようが、分かろうというものです。
<つづく>
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はじめまして
縄文杉です。
面白かったので足あと的にコメントさせて頂きました!
またよらせて頂きますね。
はじめまして、コメントありがとう御座います。
きょうみがあれば、是非また、立ち寄ってみて下さい。
今日は、私の天津工場の生産計画を練り直しながら、コメントを読ませて頂きました。ホッと、ひと休みしながら、次は何を書こうかと、思案しているところですが、何しろ思いついたことを文章にしているので、記憶やら計画やら風景やら生活やら、とにかく雑多なことを思いついて、少しは株に結びつくことも後付けして、という形で日記に取り組んでいます。
もしよろしければ、長い目で応援して頂ければと、願っております。では...また。
ちょっと食べてみたいです。
それよりなにより、そんなに遠くから買い求めるお豆腐を
もっと食べてみたいです。