そら豆の株予報さんのブログ

最新一覧へ

« 前へ193件目 / 全474件次へ »
ブログ

ウォール街がボルカールール勝利宣言-自由な解釈で抜け穴も

12月11日(ブルームバーグ)

銀行の自己勘定取引を規制する「ボルカールール」最終案のテキストは約1000ページに及ぶが、マーケットメーキング(値付け)やポートフォリオのヘッジの法的な位置付けの詳細をくまなく読み込んだ段階で、ウォール街と米政府がいずれも勝利宣言できる内容といえそうだ。

リスクの高い住宅ローン関連証券が金融システムを破綻の瀬戸際に追い込んだ2008年の金融危機以降、米国の金融監督当局は5年余りの歳月を費やし、銀行業界の新たな秩序を構築する努力を続けてきた。ボルカールールの最終案が採択されたことは、その総仕上げともいうべきものだ。ルー財務長官は「納税者を守るために、金融市場における行動と慣行を変えることにつながる」と力説した。

ウォール街はコンプライアンス(法令順守)担当の弁護士への報酬の支払いが増えることになるが、最終ルールの多くの部分は自由な解釈が可能であり、利益を確保する十分な機会を銀行に提供する余地がある。ルールの完全順守が15年7月まで猶予されることも、ウォール街にとって勝利といえるゆえんだ。
米商品先物取引委員会(CFTC)のバート・チルトン委員は、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「もちろんウォール街は抜け穴を見つけるだろう。実施時期さえも1年半の猶予がある。彼らはこれらのグレーゾーンについて徹底的に研究してくる」と語った。

チルトン委員は数週間前の段階で、ボルカールールの最終案が銀行にとって手ぬるいと判断すれば、反対する意向を示していた。しかし、米国の5つの監督機関が今回承認した最終ルールについては、米銀JPモルガン・チェース で62億ドル(約6370億円)のトレーディング損失発生につながった「ロンドンの鯨」事件のようなケースの再発防止を意図しており、「強力で厳しい」内容だと評価した。
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。