財産相続、「具体的に検討」は親子とも1割未満
大手銀行、関連事業を強化
高齢化による相続マーケットの拡大に向けて、銀行は関連事業を強化している。
旭化成ホームズ株式会社は、「親と子の財産相続に関する意識調査」を実施した。調査期間は2013年7月5-6日で、対象者属性は全国30-49歳、65歳以上の親が健在で、親が土地&建物を所有、親が所有する土地・建物などの財産を、自分や兄弟姉妹が相続する際に、分配比率の検討などで、取りまとめを行う役割に「ある」人で、対象者数は328名。
財産相続対象となる、親所有の資産評価額平均/土地・建物は3047.6万円、土地・建物、預金・貯金を含む金融資産、生命保険を入れた総額平均は4743.3万円だった。
財産相続の方法について「具体的に検討している」は親世代が8.7%、子世代は7.0%で、親子共に1割未満だった。不安や心配事があると答えたのは、親世代が35.4%だったのに対し、子世代は65.2%と、財産相続についての不安は子世代の方が圧倒的に大きいことが明らかになった。
そんな中、もともと遺産整理業務は信託銀行が中心に行っていたが、高齢化の進展による相続マーケットの拡大をにらみ、大手銀行も関連事業を強化している。
例えば、三井住友銀行は今年に入り、遺産整理業務の取り扱いを国内の全支店で開始することを発表した。同行の場合、遺産の調査と相続財産目録の作成、遺産分割協議書作成の手伝い、遺産分割手続の実施、納税資金等の調達に関するアドバイス、税理士のご紹介などを行う。
遺産整理の報酬は、最低報酬額が157万5,000円で、同行に預け入れた預金および取り扱いの信託・投資信託・個人年金・証券等の場合は、その評価額に対して一律0.210%となっている。
一方で、その他の財産に対しては、5,000万円以下から10億円超まで、それぞれ2.100%~0.315%の報酬が設定されている。つまり、同行に資産を預け入れておくと、その他の財産と比べて報酬額が圧倒的に安くなることになる。
相続が発生すると、遺産の分割協議や債務の扱いなど、さまざまな事柄に対応していく必要がある。取りまとめを行う立場の人は、あらかじめ検討しておくのがよさそうだ。