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毎日新聞 2013年07月25日 東京夕刊
東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループが発表した論文に多数の不正があり、
1996~2011年の43本について、東大の調査委員会が「撤回が妥当」と判断したことが25日、分かった。
16年間にわたってこれほど多くの不正を重ねたのは極めて異例。
今後、研究費返還や博士号など学位取り消しに発展する可能性が高い。
加藤氏は毎日新聞の取材に自らの関与を否定したが、不正自体は認め「調査委の判断を受け入れる」と話した。
◇分子生物学の世界的研究者
加藤氏は細胞核内で遺伝情報を管理するたんぱく質などの研究で世界的に知られ、04~09年に予算20億円に上る国の大型研究プロジェクトの代表を務めた。
不正のあった論文には研究室メンバーら20人以上が共著者として名を連ねている。
昨年1月に学外から指摘があり東大が調査委を設置。
研究所に加藤氏が着任した1996年以後の論文全165本を精査した結果、画像の合成や一部消去などデータの捏造(ねつぞう)、改ざんなどが判明した。
43本は撤回が妥当としたほか10本は訂正が必要と結論づけた。
不正論文は、肥満の原因となる脂肪細胞が増える仕組みや細胞分裂に伴うDNA複製の仕組みの解明など多岐にわたる。
実験データ画像に別の実験画像を切り張りしたり、一部を消去したりしていた。
加藤氏は、監督責任を取って昨年3月にすでに辞職している。
調査委は加藤氏について「直接的に図の作製にはかかわっていない」とする一方、「研究室運営の問題が多数の不正を招いたことは明らか」と指弾。
「東大の社会的信用を損ない、若い研究者の将来に多大な悪影響を与えた」と判断した。
加藤氏は実験結果の内容をチェックし、文章を修正していたという。
「(メンバーが)功を焦ったのだと思う。大学、研究所、学会に甚大な迷惑をかけてしまい、申し訳ない。
指摘された論文の撤回手続きを進めている」と陳謝した。【藤野基文、河内敏康、野田武】
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▽記事引用元 毎日jp 2013年07月25日配信記事
http://mainichi.jp/feature/news/20130725dde001040017000c.html
▽関連記事
47NEWS 2012/04/05 19:08配信記事
東大が論文不正疑惑を調査 論文取り下げ、教授は辞職
http://www.47news.jp/CN/201204/CN2012040501001889.html
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