バラの会さんのブログ

最新一覧へ

« 前へ411件目 / 全667件次へ »
ブログ

日経平均銘柄入れ替えイベント、3フェーズに分けた投資戦略








そろそろ準備を! 日経平均銘柄入れ替えイベント、3フェーズに分けた投資戦略


 日経平均は銘柄入れ替で2,000円下がったことも。無視できないイベントを活用するなら。

 毎日、ニュースに出てくる日経平均。日本経済新聞社が選んだ225銘柄の株価を基に算出され、株価指数先物も、この指数に連動するファンドも国内外に多く存在します。構成銘柄が合併や破綻で足りなくなったり、売買金額が大きく減少して指標性が薄れたりすると、入れ替えが行われます。

 この銘柄の入れ替えが、ヘッジファンドや個人投資家にとっては収益機会となる可能性が高い「お年玉イベント」になっています。逆に、日経平均連動の運用をしていたり、入れ替え対象銘柄を保有しているのに構成銘柄入れ替えを軽視していると、思わぬ損失を蒙る可能性があります。




■日経平均の構成銘柄の定期入れ替えとは

 日本の株式市場を代表する225銘柄で株式市場全体の値動きをみるのが株価指数の目的なので、定期的に構成銘柄を入れ替える必要が出てきます。日経225とも言われるように選ばれるのは225銘柄だけなので、どれかを加えると同じ数だけ除外しなければなりません。

 定期入れ替えでは、通常9月上旬に新規追加銘柄・除外銘柄が公表され、10月1日から新構成銘柄で指数が算出されます。日経平均は時価総額(株価×株数)を考慮しないで、株価だけを見る方式です。このため、9月30日までの値と10月1日の値に連続性が保たれるように株価合計÷除数という計算式の“除数”を変えて調整します。また、以前あった株式の額面に相当する“みなし額面”という考え方をベースに株式分割などを考慮して修正しています。これらによって表面上は連続性が保たれています。




■「機械的に追加銘柄を買い、除外銘柄を売る」オトナの事情

 

  しかし、銘柄が公表されてから実際に組み換えが行われる(今年の定期入れ替えは10月1日)までにおかしな動きが出るのです。まず、日経平均に連動するようなパッシブ運用をしているファンドは、9月30日の終値で追加される銘柄を買い、除外される銘柄を同じタイミングで売らなければ日経平均に連動させることはできません。この時、株価はいくらでも関係ありません。

 大量に買われることが自明な追加銘柄がどんなに高くなっていて、除外銘柄がどんなに売り叩かれていても、なのです。というのは、先回りして買って、万が一その企業が指数に組み込まれる直前に不祥事があったり、業績修正があったりして下落したりすると、株価指数との乖離が説明できなくなってしまいます。こういったサラリーマン的な理由で(要は他人のお金ということでもあります)、株価指数との連動性が落ちてしまいます。同様に、現物株と株価指数先物との裁定取引を行っている場合も、9月30日に追加銘柄を機械的に買い、除外銘柄を機械的に売る事情が生じます。

 数兆円とも言われる日経平均に連動するため、運用される資金の例えば0.5%でも、数百億円が特定の銘柄への追加需要になります。これは、数日から数週間分の売買金額に相当するので、株価へのインパクトは極めて大きくなります。逆に、除外銘柄にはとても大きな売り圧力が発生します。




■パッシブ運用が「濡れ手に粟」の収益機会を生む

 このため、日経平均に連動させるという制約がない個人投資家やヘッジファンドにとっては、この数週間は「追加銘柄を買い、除外銘柄を売れば儲かるチャンス」となります。なお、日経平均は高株価銘柄の構成比率が高くなる傾向があり、例えばファーストリテイリングは現時点では10%もの構成比になっています。このため、追加銘柄が高株価銘柄の場合にはその他の残存銘柄の構成比が下がるため、銘柄入れ替え日までに薄く広く売られる要因にもなります。
 一方、銘柄入れ替え実施日以降は、割高に買い進まれた追加銘柄が売られ、機械的な理由で売り叩かれた除外銘柄は上がりやすくなります。この結果、日経平均には下げ圧力が生まれます(追加銘柄が日経平均の価格計算に用いられるので)。

 これが最も顕著に出たのが、2000年4月15日に発表され4月24日に実施された30銘柄追加、30銘柄除外の大騒動でした。これによって、追加30銘柄は入れ替えまでの9日間で急騰、除外銘柄は急落し、入れ替え後には新規追加の30銘柄が大きく下落しました。











 この結果、日経平均は実態より2,000円程度下落したとされ、これがなければ現在の日経平均は16,000円を超えていたはずです。この事件は大きな批判を招いたため、その後、銘柄入れ替えは1~3銘柄程度に抑えられ、かつ影響が大きい高株価銘柄が採用され難くなっています。



コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。