ユリウスさんのブログ

最新一覧へ

« 前へ134件目 / 全702件次へ »
ブログ

名誉毀損で安部総理を訴える  -リーダー失格の管元総理が-

 16日の毎日新聞によると
 民主党の菅直人元首相は16日、東京電力福島第1原発事故を巡り、安倍晋三首相が「菅総理の海水注入指示はでっち上げ」と題したメールマガジンを掲載し続けているのは名誉毀損(きそん)にあたるとして、首相に対して慰謝料など1100万円と謝罪を求める訴訟を東京地裁に起こした。
そうです。

 翔年は管元総理の訴訟は如何なものかと思います。それは3.11事故発生以降の管元総理の決断の遅れや判断ミス、リーダーシップの欠如やリーダーにあるまじき人格的欠陥などを、
1 TV報道
2 新聞報道(主に読売、朝日、日経、毎日、東京)
3 ネットにある具体的な記事(「緊急災害対策本部」作成の事実を羅列した基本資料など)
4 三つの事故調査委員会資料
 ・ 「福島原子力発電所事故から何を学ぶか」 チームH2Oプロジェクト(大前レポート)
 ・ 「国会事故調」 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会
 ・ 「最終報告」と「中間報告」 東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会 (政府事故調)
5 「メルトダウン・カウントダウン(上、下)」などの書籍
等から、数多く得ているからです。


 今回の訴訟は選挙期間中に決着のつかないことは明らか。両陣営はこの問題では水掛け論に終始し、有権者は何が何やら分らない状態に置かれると思います。あの未曾有の大事故の最中の高度な判断です。真実は一つとしても、管政権は判断者はだれか、根拠は何か等、記録は何も残していません。だとしたら選挙期間中の嘘や推測の混じった舌戦は、それこそ管元総理の狙いかもしれません。

 元総理は「ネット選挙が始まった中で、国民に誤った情報を流し続けることが悪影響になると考えた」と記者会見で言っています。そういうことならなおさら、今こそ管総理があの事故に際してどのようなリーダーシップを発揮したのか、翔年の集めた資料から事実を読者に訴えたいと思います。


管元総理の判断にかかわるミスは大変多いので、二つにしぼって書きます。

(1)「判断ミスによる初動の遅れ」 原子力緊急事態宣言の発令と原子力災害対策本部の設置が遅れた理由
地震発生: 平成23年3月11日14時46分頃。
津波第一波: 15時27分
津波第二波: 15時35分  (これが極めて高い波でした)
東電の通報: 15時42分 東電は原子力災害対策特措置法第10条の規定に基づく特定事象発生を保安院に通報。(妥当)

重大な通報: 16時45分  原災法に基づき、経済産業省に通報。(妥当)
これを受けて海江田前経産大臣は菅元総理に原子力緊急事態宣言の発令と原子力災害対策本部の設置を要請した。(発電所の大惨事が予想されたので、これも妥当)

ところが、菅(以下元総理を省略)が「原子炉の状況はどうなっているんだ」「法律のどこに根拠があるんだ」等と細かい質問の雨を浴びせ、経産省が的確に答えられないのを後目に日本国の危機をほっぽりだして、国会の与野党党首会談に出席したのです。(この判断はどうなんでしょうか? 規定では直ちに公布することになっています。当たり前ではないですか)

原子力緊急事態宣言: 19時3分  経産省はその間に法律を精査し、菅氏の理解をやっと得た時には17時を過ぎてしまっていたのです。ようやく管が原子力緊急事態宣言の発出を了承し、原子力災害対策本部(本部長は管)を設置したのは19時3分になったしまったのです。

このため、自治体との連携や非常時に対応する組織の相互確認と情報共有など、事故の初動体勢が大幅に遅れたのは事実です。管のこの細部にこだわる癖(弊害)は、いちいち書きませんが、この非常時の最中にいろんなことについて嫌というほど出てきます。リーダーがこれでは緊急時の物事が前に進まない。部下は泣いています。(国会で海江田は悔し泣きしました)

もっと大問題は同盟国アメリカに対する事故情報の共有をどの組織の誰がヘッドで担当するのかすら官邸では誰も考えていなかったのです。


(2)「やるべきことをやらない責任者」  -事故現場へ出向いて説明を求めるとは-
前日の11日の深更に、池田経済産業省副大臣が現地本部(福島原子力センター)に到着しているのに、管の発案でこの視察は強行された。
総理大臣の現場視察: 12日(火) 07:11 ~ 08:11 
戦場の最前線へ総大将がのこのことお連れを伴って現れたのです。

TV会議で首相の現地視察受け入れに吉田所長は本店に向かって難色を示している。
「なんでこんな時、来なきゃいけないんだ」
「自分が総理の相手をするために出たら、誰が代わりをやるんだ」
「もうやってられるか」
吉田はそう吐き捨てている。(この所長の気持ちはよく分かります)

現場の会議室での様子です。
管は苛立ったが、吉田は顔色一つ変えない。
吉:「ベントはやります。手動でやることも考えています。やるかどうか1時間後に決めます」
管:「そんな悠長なことを言っていられない」
吉:「きわめて線量が高いのです。1回15分しか仕事ができません」
管の目を正面から見て言った。
吉:「最後は突入します。決死隊でやります」

現地視察は約1時間でしたが、官邸を出てヘリコプターの移動時間を入れるとこの視察は4時間半に及んでいます。
お付きの人間も肩書き付きでアップしておきます。
自衛隊の国賓輸送用へりコプター(スーパーピューマ、10人乗り)の同乗者
・管 ・斑目原子力安全委員長 ・下村健一内閣府官房審議官 ・岡本健司首相秘書官 ・枡田好一(?肩書不詳) ・津村一史共同通信記者 ・医務官 ・SP 
現地で出迎えて視察に合流した幹部
・池田元久原子力災害現地対策本部長 ・内堀雅雄福島県副知事 ・武藤栄東京電力副社長

発電所の中央制御室にあったホワイトボードの記述は、管が官邸をヘリで飛び立ってから、原発を離れて飛び立つまでの約2時間半の間、何の記述もありません。(心配したとおりです。悲しい)

「政治指導者に必要なのは大局観だ。いま、日本が直面しているのは福島原発事故だけでなく地震・津波もある。すべて人々の生存の可能性が高い初動の72時間が勝負だ。そういうときは総理はどんと構えて、司令塔の役割をはたさなければならない。総理たるもの、所作、言動、言葉遣い、それなりの風格がなければならない」
これは現地で管と合流し一連の視察に同行した池田元久原子力災害現地対策本部長の述懐です。

政治家たるもの、毀誉褒貶は甘んじて受けるべきでしょう。翔年はもう一方からの別の見方があることも十分承知しています。判断は読者それぞれに委ねたいと思います。
ただ、この未曾有の地震災害、津波災害、原子力災害という大災害に直面して管政権は司令塔不在の「子供のサッカー」をやっていたと思います。組織的な連係プレーでスカッと点を取るサッカーは見せてもらえませんでした。ボールをやみくもに追っかけるだけでは効果はでません。組織を使いこなせない政治家は国民を救うことはできません。大きな反省点だと思います。

書きたいことは山ほどありますが、個人を攻撃するのはあんまり愉快じゃありません。疲れました。これで終わります。

 
いつも『もの言う翔年』を読んでくださりありがとうございます。お陰さまで「政治評論」も「囲碁」のジャンルもランキング上位に入っております。コメントをいただいたり、ランキングがそこそこにとどまっているのを励みにBlogを書いております。お暇なときに見てください。にほんブログ村にほんブログ村
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。