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【書評】『奥さまはCEO』鎌田和彦著



記事によると、最初に巻末をめくって著者の略歴に目を通してほしい。24年前に人材紹介サービス会社の「インテリジェンス」を仲間と設立。平成12年4月に上場。その後、学生援護会を傘下に収めるなどM&A(合併・買収)を進め、売上高1千億円、利益100億の成長企業に育て上げた。

鎌田和彦さんは大成功した起業家だ。そんな彼が初めて書いた小説が本書である。

物語はIT(情報技術)系の会社を創業した聡美という36歳の独身女性CEO(最高経営責任者)と、その会社に入社する24歳のショーキチとの“出会い”から始まる。

ショーキチは入社式に出席するため、東京に向かう朝の特急スーパーあずさに乗り込む。その自由席で向かいに座っていたおばさんにビールをごちそうになり、酔っぱらった勢いで、入社試験の面接で嘘をつきまくったことや将来はライバル会社に転職しようと考えていることまで話してしまう。ところが反対側の座席で聡美がショーキチの話をじっと聞いていた。

実はこれと同じ聡美の盗み聞きのシーンが物語の真ん中にも出てくる。それは3年半前に理由も告げずに突然、ライバル会社に転職した側近女性との再会の場面だ。この女性が「聡美さんは、私のこと一度も褒めてくれなかったんだよ」と話すのをこっそり聞きながら「彼女の励ましに救われてきた自分をはっきりと覚えているけど、自分が彼女を励ました記憶はない」ことを悟る。そして一度は黙って立ち去った高級ホテルのレストランに引き返し「ほんと、気付かなかった。あやまるよ。ごめん」と頭を下げる。

人を育て上げる苦労を知った本物の経営者にしか書けないエピソードだ。

物語では株主攻略、人材争奪戦、スキャンダル…と事件が次々と起こる。ベンチャー企業といっても事件であたふたする社内の様子は、一般の会社とあまり変わらない。

腑(ふ)に落ちないのは「奥さまはCEO」というタイトルだ。そこは聡美とショーキチの言動に注意しながら読み進めていくと、まさかまさかの展開が待っているとのことです。



内容紹介

サイバーエージェントCEO 藤田氏、一橋大学大学院教授 楠木氏も絶賛。

現役経営者が描く新たなジャンルのエンターテイメント小説。 自ら起業し、企業規模を拡大しながら上場まで果たした本物の企業経営者だから書ける、超リアルなストーリー。 経営者が日々思い悩むこととは? 事業の中で克服すべき課題とは? 問題はどう解決されていくのか? など、著者が実際に体験してきた日常的な葛藤と成長企業を巡る“異常"ともいえる事件の数々を凝縮。

・第2章 総務室は戦略室? ・第5章 人材争奪戦は容赦無用 ・第6章 M&Aなら死馬でも買え ・第8章 掲示板スキャンダル など描かれるエピソードのひとつひとつがすべて実話に基づく迫真に満ちたストーリー展開。 また偏見をもたれがちな女性経営者を、次々と巻き起こる問題を過激なまでに解決していくハードさと、弱気な場面でのチャーミングさの両面から描き出すことで、好感の持てる人物像に仕上げられているところも読みどころのひとつ。 いわゆる「ビジネス書」としても純粋な娯楽作品としても楽しめる他にはない傑作痛快長編作品。




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