Abe_Reiji-2013さんのブログ
手仕舞い売りが広がっているかも
6月初めての取引となった東京証券取引所の値動きは予想通り下落となった。
想定よりも下落幅が大きかった。
先週末に日記に書いたとおり、完全に市場が弱気に切り替わっているのが明確に判る動きになっていた。
特に後場はファーストリテイリングとファナックという日経平均寄与度が高い銘柄に買いを入れて指数を上げる演出が数回行われた模様だが、その上げが長く続かず広がりを持たせることに失敗していた。
そこに5月の登録車の新車販売台数が前年同月比7.3%減との情報が入ったのをきっかけに自動車株が一段安となるといった動きも生じた。
もっとも、この販売台数が減少したことが本当の材料なら、国内シェアの高い銘柄が大きく下がる筈にも関らず、シェアトップのトヨタより、
シェア9位の三菱自動車を含め、マツダ、富士重工といった国内シェアの低い銘柄の方が大きく下落している。
これら下落率が高くなった自動車メーカーは何れも直近の株価が堅調だったという共通項がある。
これら3銘柄は今日の暴落を含めても4月末と比べて何れも2桁のプラスとなっているのだ。
逆に今日最も下落率が小さかったホンダは下記の6銘柄中唯一つ4月末と比べて下落している。
日系自動車メーカー大手3社で最も下落率が高くなった日産は3社中最も月間のパフォーマンスが最も良くなっている。
このように見て行くと、今日の下落の仕方はいわゆる手仕舞いの売りであり、もう一段の下落に備えてポジション整理を行った投資家が多かったと見て良さそうだ。
6月3日 前日比 5月31日 4月30日 4月30日比 5月22日 5月22日比
7270 富士重 2,193 -156 -6.64% 2,349 1,840 353 19.18% 2,686 -493 -18.35%
7261 マツダ 375 -29 -7.18% 404 334 41 12.28% 437 -62 -14.19%
7211 三菱自 148 -11 -6.92% 159 115 33 28.70% 183 -35 -19.13%
7267 ホンダ 3,735 -95 -2.48% 3,830 3,875 -140 -3.61% 4,250 -515 -12.12%
7203 トヨタ 5,810 -200 -3.33% 6,010 5,640 170 3.01% 6,630 -820 -12.37%
7201 日産自 1,070 -45 -4.04% 1,115 1,016 54 5.31% 1,215 -145 -11.93%
こうした手仕舞い売りは自動車メーカーに限らない。
今日日経平均以上に下落したシャープやソニーも今日の下落を含めても4月末と比べて何れも20%を超えるプラスとなっている。
とりわけ、シャープは今日二桁の暴落となり、かつ5月22日比-28.95%という大きな下落を含めて、なお4月末と比べて26.33%のプラスとなっている。
まさに山高ければ谷深し…の典型となっている。
6月3日 前日比 5月31日 4月30日 4月30日比 5月22日 5月22日比
6758 ソニー 1,938 -111 -5.42% 2,049 1,613 325 20.15% 2,290 -352 -15.37%
6753 シャープ427 -49 -10.29% 476 338 89 26.33% 601 -174 -28.95%
業種別で4月末と比べて下落率が高いのは下記の通りである。
上位5業種は何れも不動産や金融関連ばかり。トップの不動産業はついに4月末と比べて20%を超える下落となった。
1・2位が不動産関連、3~5位が金融関連と金融緩和による資産価格上昇期待の大きさがそのまま反落しているというのが判り易く表れている。
6月3日 前日比 5月31日 4月30日 4月30日比
不動産業 1,413.67 -96.69 -6.40% 1,510.36 1805.79 -392.12 -21.71%
倉庫運輸関連 1,310.30 -35.30 -2.62% 1,345.60 1591.67 -281.37 -17.68%
その他金融業 467.16 -29.28 -5.90% 496.44 562.60 -95.44 -16.96%
銀行業 157.48 -8.36 -5.04% 165.84 187.71 -30.23 -16.10%
証券商品先物 425.74 -42.14 -9.01% 467.88 496.16 -70.42 -14.19%
これら上位5業種の主要な銘柄の内いくつかを4月30日比や5月22日比を並べたのが次の一覧である。
やはり、業種ごとの下落率は似ているが、期待値が大きかったものが大きく下落しているのかもしれない。
4月末との比較をすると不動産では丸の内の大家として優良物件を持つ三菱地所の下落率が高く、証券大手では野村よりも大和の方が下落率が高い。
3メガバンクでは最も期待されていないみずほは今日最も下落したものの4月末から見ると下落率が小さい。
新生銀は一応銀行業とされているが、子会社のノンバンク部門の比率が高いせいか、4月末との比較ではノンバンクのアイフル並みに下落となるなどその事業構成が相場に反映されているといえそうだ。
6月3日 前日比 5月31日 4月30日 4月30日比 5月22日 5月22日比
8830 住友不 3,680 -275 -6.95% 3,955 4,600 -920 -20.00% 4,620 -940 -20.35%
8804 東建物 740 -44 -5.61% 784 901 -161 -17.87% 902 -162 -17.96%
8802 菱地所 2,355 -192 -7.54% 2,547 3,150 -795 -25.24% 2,870 -515 -17.94%
8801 三井不 2,710 -153 -5.34% 2,863 3,310 -600 -18.13% 3,270 -560 -17.13%
4321 ケネディクス 50,300 -4,600 -8.38% 54,900 70,500 -20,200 -28.65% 61,200 -10,900 -17.81%
8604 野村 723 -66 -8.37% 789 793 -70 -8.83% 856 -133 -15.54%
8601 大和証 764 -94 -10.96% 858 863 -99 -11.47% 991 -227 -22.91%
8515 アイフル 881 -129 -12.77% 1,010 1,111 -230 -20.70% 1,195 -314 -26.28%
8303 新生銀 213 -31 -12.70% 244 273 -60 -21.98% 269 -56 -20.82%
8411 みずほ 183 -12 -6.15% 195 215 -32 -14.88% 221 -38 -17.19%
8316 三井住友3,840 -215 -5.30% 4,055 4,605 -765 -16.61% 4,665 -825 -17.68%
8306 三菱UFJ 563 -32 -5.38% 595 663 -100 -15.08% 699 -136 -19.46%
8308 りそな 441 -21 -4.55% 462 520 -79 -15.19% 544 -103 -18.93%
5~10位の業種は下記の通りである。7位に入っているゴム製品を除くと輸出の少ない内需関連業種が並ぶ。
円安メリットが無い内需産業の業績が回復するような給与所得増加へ波及していく期待が薄れているのかな?
内需関連に波及しないと実は輸出比率が低い日本経済全体の底上げには繋がらないだけに、ちょっと気になる動きである。
6月3日 前日比 5月31日 4月30日 4月30日比
陸運業 1,387.36 -49.82 -3.47% 1,437.18 1595.63 -208.27 -13.05%
ゴム製品 2,422.08 -100.96 -4.00% 2,523.04 2768.92 -346.84 -12.53%
医薬品 1,690.80 -30.90 -1.79% 1,721.70 1932.76 -241.96 -12.52%
サービス業 1,063.72 -26.01 -2.39% 1,089.73 1198.95 -135.23 -11.28%
小売業 737.2 -24.08 -3.16% 761.28 829.55 -92.35 -11.13%
騰落率上位5業種は何れもまだ4月末と比較してプラスを維持している。
精密機器・輸送用機器・電気機器の輸出産業3業種はやはり円安メリット期待が残っているということだろう。
それに対して、電気・ガス業と空運業という政府の規制と保護が強いほか、電力は原発問題、空運業は
787のトラブルを抱えて株価が低迷していたことを考慮する必要があり、本当の意味で期待されてパフォーマンスが良いのではなさそう。
この2業種にこの先良好なパフォーマンスを期待しすぎない方が良さそうに個人的には感じざるを得ない。
6月3日 前日比 5月31日 4月30日 4月30日比 5月22日 5月22日比
精密機器 3,135.04 -127.07 -3.90% 3,262.11 2891.17 243.87 8.43%
輸送用機器 2,527.35 -93.53 -3.57% 2,620.88 2469.73 57.62 2.33%
電気・ガス業 442.14 -3.95 -0.89% 446.09 422.39 19.75 4.67%
電気機器 1,329.61 -56.14 -4.05% 1,385.75 1315.25 14.36 1.09%
空運業 191.68 -3.74 -1.91% 195.42 189.03 2.65 1.40%
今日一日で見ると日経平均寄与度の高い下記の2銘柄の下落率が日経平均以上に下落し、かつ、日経平均がTOPIXや東証一部の時価総額よりも下落率が高いことから、先物を中心とした指数に引き摺られた下落した面があるのだろう。
6月3日 前日比 5月31日 4月30日 4月30日比 5月22日 5月22日比
9983 ファーストリテ 32,700 -2,200 -6.30% 34,900 35,700 -3,000 -8.40% 41,400 -8,700 -21.01%
6954 ファナック 14,570 -670 -4.40% 15,240 14,700 -130 -0.88% 16,640 -2,070 -12.44%
6月3日 前日比 5月31日 4月30日 4月30日比 5月22日 5月22日比
日経平均 13,261.82 -512.72 -3.72% 13,774.54 13,778.75 -516.93 -3.75% 15,627.26 -2,365 -15.14%
TOPIX 1,096.95 -38.83 -3.42% 1,135.78 1,165.13 -68.18 -5.85% 1,276.03 -179 -14.03%
東証1部 3,814,724 -131,694 -3.34% 3,946,418 (時価総額)
しかし、業種別騰落率の差や、同じ業種内での騰落率の差を見て行くと全体として一旦手仕舞いする流れが生じているように思える。
今日の下落をここまで大きいと想定せずに手仕舞い売りをしなかったが、信用買いのマイナスにより追証が発生している投資家も居るに違いない。
明日大きく反転上昇しなければ、そろそろ追証売りに追い込まれるケースも増えると想定される為、やはり、最後にクライマックスセリングが起きて、ようやく株価の底が確認できることになるのかもしれない。
ナンピン買いや逆張りをするにはまだ早過ぎる…というのが、今日の相場から私個人は考えています。
こんばんは。
年末からの上昇を考えると10000円ぐらいで止まってくれればいい。
まだまだ1か月分戻しただけ。
毎日デイトレしたら証券会社が喜ぶだけ。
夏は絶対に自信がある場合を除きやらない。
みんなが恐怖におののくときに、出動。
こんばんは!
そうそう、工場での生産活動やお店の営業じゃないのだから、毎日やらねば場なら無い理由は個人投資家にはどこにもありませんよね。
今日や5月30日の暴落後の日経新聞の市場関係者に聞く…シリーズの想定レベルを別の日記に並べて見ましたが、彼らも底打ちとは断言できていませんね。
見出しと、中身は必ずしも一致していない辺りに、これ以上の下げが無いことにしたい日経新聞の立場が透けて見えるようです。
慌てずゆっくりと参りましょう!