yuhsanさんのブログ
新しい書籍端末「kobo glo」が到着しました
楽天の新しい電子書籍端末「kobo glo」が、昨日送られてきました。15日の発売ということで、3日に申し込んだのですが、1日遅れの到着でした。
すでに売り出されている、「kobo Touch」と、外観上は大差ないのですが、フロントライトがついたため、画面が明るくなり、暗いところでも、補助ライトなしで見られるようになりました。このほか、細かい点でいくつか改良されて、全体としてすっきりした感じに仕上がっています。
収められているソフトは、従来品と共通ですが、発売以来何回かプログラムのアプデートを繰り返しているため、見やすくスムーズに動くようになってきました。一番びっくりしたのは、立派な「取扱説明書」が付いていたことです。前回問題になった初期設定の方法から、操作方法にいたるまで、イラストを交えて分かりやすく、細かく説明しています。初心者でも、問題なしに使えるようになりました。
値段も送料込みで、7,980円で、「kobo Touch」(新製品の発売で1,000円値下げしましたが)と同じです。コスト的に見れば、おそらく100万台以上売らないと、採算が取れないでしょう。端末だけで採算を取ろうとすれば、ソニー製品のように2万円近くになると思います。
楽天としては、端末より、電子書籍の販売のほうからの利益を期待しているのでしょう。「本を見る」製品より「本を売る」製品として販売し、ユーザーの囲い込みを計る、そういう販売戦略を取っているようです。
いずれにしろ、まずは端末が売れるかが勝負です。
20日には、同じ販売戦略をとってアメリカの電子書籍市場を席巻した、アマゾンの「キンドル」が発売されます。年末商戦に向けて、端末が目玉になるかどうか・・・。それ次第によって、日本にも電子書籍文化が到来するかどうか、の試金石になります。
さて、その「本を売る」ほうですが、これは目下のところは、新聞社、出版社、本屋さんなどの既存の書籍文化組織からの抵抗で、大きな進展はありません。
楽天も、アマゾンも、これにはてこずっているようですが、新聞社では日経が、出版社でも大手4社といわれているところが、電子書籍化に前向きになっています。端末の売れ行き次第で、1~2年のうちには、ほとんどの新刊が電子化されかもしれません。出版社も紙の本を出すより、電子書籍のほうが在庫品の処分リスクが少ないのですから。
ただ、私のような町の作家にとっては、まだまだ壁が高いといえます。今のところ楽天もソニーも、既存の作品の電子化と販売に忙しく、アメリカのアマゾンがやっているような、個人での作品を出版社の販売網に載せる道は開けていません。
私は今回、「kobo glo」を20個ほど、家族や友人にプレゼントとして送りました。いうまでもなく、私の本を見てもらうためです。私の出版の目的は、自分の考え方を多くの人に分かってもらうところにあります。既存の出版社には相手にしてもらえず、自費出版も、ただで送り付けられた本を、読んでくれる友人の顔を想像すると気が進みません。
「kobo glo」を20個ほど買って配っても、自費出版の費用の10分の1ほどですみます。少なくとも、端末をそのまま捨ててしまう人はいないでしょう。本の出版で生活を考える人もいるでしょうが、私のように、ただでもいいから読んでほしいという人も多いと思います。
そういう人たちにとっては、「kobo glo」のほうが、「キンドル」よりも使い勝手がいいようです。電子書籍を支えているフォーマットが、楽天がepubと pdfに対応しているのに対し、「キンドル」は、ワードを始めとする電子化されたすべてのフォーマットを、AZWに変換するようにしています。
正確なことは分かりませんが、もしこのようだとすると、「キンドル」に一度収められた、書籍はキンドルを通してしか見られません。少しでも多くの人に見てもらうと考えている人には、あまり適していないのではと思います。「kobo glo」のほうは、端末からパソコンと通して自由に往来が可能だからです。もちろん、著作権保護の立場から、楽天で売る電子書籍は、ほかの端末で見られないようにはなっていますが。
いずれにしろ、私のような「街の作家」に対しても、早く自社の販売網に乗せてもらうような、制度を作ってもらいたいものです。端末をまとめて大量に購買し、それをただで配るというマーケットも、かなりあるのです。
ところで、今回私が発注した「kobo glo」は、納期が最長で2週間だそうです。「え!そんなに売れているの」「kobo Touch」のときは、翌日だったのに・・・」
電子化を阻んでいるのは、こんなところかもしれません。
さて、株の話ですが・・・。長くなるのでまた明日。