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黒曜石の採掘跡発見 隠岐、後期旧石器時代で国内初
島根県隠岐の島町で、2万~3万年前の後期旧石器時代に石器材料の黒曜石を採掘したとみられる遺跡が見つかった。国内で初の確認例。黒曜石の包含層を掘ったと推定され、調査した広島大大学院の竹広文明准教授(考古学)が19日、同町で発表した。旧石器人は地表の黒曜石を採取したとする従来説を見直す発見となりそうだ。
同町北西部の久見高丸(くみたかまる)地点で、黒曜石を含む地層の崖が2007年の豪雨で崩れ、人為的な掘削跡が見つかった。11年9月に竹広准教授や同町教委が試掘調査し、崖面から約18メートル、南に溝状に延びていると推定した。
崖面でナイフ形石器など約20点も採集。特徴から2万~3万年前の石器とみられ、同時期の黒曜石採掘・石器製作跡とみている。
隠岐産黒曜石は旧石器時代、隠岐と陸続きだった中国地方一帯にもたらされたことが分かっている。しかし隠岐での詳しい採取法はつかめていなかった。
国内の黒曜石産出地は北海道から九州まで分布。縄文時代は長野県の鷹山遺跡群で竪穴の採掘跡が確認されているが、旧石器時代の採掘跡はこれまで見つかっていないという。
竹広准教授は「保存状態もよく、さらに調査すれば、山陰の旧石器文化を解明できる可能性がある」と話している。(林淳一郎)
【写真説明】昨年9月の調査で見つかった黒曜石製の石器について説明する竹広准教授(19日、島根県隠岐の島町の隠岐島文化会館)
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