ユリウスさんのブログ
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日中交流囲碁教育シンポジウムと北京体験のレポート
これは「日中交流囲碁教育シンポジウム」に参加した報告と実際に翔年が見聞きした北京の最新情報です。囲碁仲間の中国人は大好きだけど共産党の中国政府は大嫌いなので、これまで何回か誘われたことがありましたが一度も訪中はしませんでした。今回はいい機会と思い、囲碁の交流対局よりも、兎も角、自分の目と耳と舌で、中国を体験し理解しようと努めました。
中国棋院、参加者の記念撮影(陳毅元外相の胸像を囲んで)
中国棋院(チュウゴクキイン)は、中華人民共和国の中国全国体育総会の下部組織で、中国の棋類(棋牌)に分類されるボードゲームを管轄している団体。囲碁、シャンチー(象棋)、チェス(国際象棋)、連珠(五子棋)、ブリッジ(?牌)、麻雀(麻将)などを束ねている。1992年に設立されたというから比較的新しい団体です。
右の写真の胸像、元陳毅外相は戦後中国の囲碁発展に尽力された政治家です。
発表の様子、シンポジウム会場(前列左から、成田氏、正岡先生、宮本九段、垂井団長、周龍氏)
シンポジウムでは熱烈歓迎を受けました。そのことは入院先から抜け出して参加された王汝南囲棋協会主席の行動で、我々に十分伝わりました。日本でも有名な羅建文師、会場を提供された「囲棋天地」周剛社長、通訳の馬林さん(翔年は昨年九州で会って旧知)と唐騰さん、東北大学で学び現在は精華大学教授の余京智先生、汕頭市から参加の同市囲棋協会副会長の周龍さん(15年前から子供達への囲碁普及に取り組んでこられた)など、中国の囲碁界になくてはならない人たちと交流できたことは参加者にとって大きな喜びでした。
周氏がシンポジウムで発表された内容は、地方の小さな町で少人数のボランテァではじめられた囲碁の普及活動が、今や200校で2万人に囲碁を教える規模にまで発展し、その中の3000人の子供達は自らお金を払ってクラブ(協会)で学んでおり、全体の囲碁人口は数十人から20万人に拡大しているという驚くべきものでした。日頃、子供達への囲碁普及に奮闘している日本人参加者は驚くやら、周氏の熱いパッションに胸を打たれるやら。この発表を聞いただけでも、このシンポジウムに参加した値打ちが十分あったと思いました。
北京で聞いたこと、体験したこと等
1 北京市の車事情
北京市は人口2000万人、車は500万台、今は車をすぐ買うことは出来ない。抽選に当たらなければ買えない。車の欲しい人たちは、何度も何度も抽選に応募してようやく車を手に入れることができるそうです。
片道4斜線の大通りも渋滞は相当酷い。移動に要する時間の予定が立てられません。運転マナーは非常に悪い。北京市で運転したいとは思いませんね。けたたましくクラクションを鳴らすのでうるさい。
2 建設ラッシュ
建設工事はまだまだいたるところで行われていました。表面的には経済が減速している兆候は見えませんでした。
3 古い民家を高塀で遮蔽
北京市内の大通りは高い塀で両サイドの視界が遮蔽されています。高いバスの窓から塀の内側を覗くと、そこには屋根にぺんぺん草が生えている粗末な民家や小屋のような小さな住居が集まっていました。オリンピックが始まる前に「目隠しをした」といわれた塀ですね。確かに首都に相応しくない住宅かもしれませんが、見方によっては、車の排ガスと都市の喧騒と華美な都会人から中国人の伝統的な生活を守っているようでもありました。
4 政治批判をする市民
意外にも庶民(知識層)は平気で政府批判をしている。教師や役人の給料がが安すぎること。一方、大企業の社長などは高給を取りすぎ、貧富の差が開きすぎるのは良くない。エネルギー(ガソリン、電気)などの値上げも困る。子供の教育に金がかかるが、それを稼ぐのが大変だなど、ガイドに聞くといくらでも自由に自己の考えを述べてくれました。
翔年は解放経済が進めば、いずれ中国社会は否応なくもっと変わると確信しています。そうなれば、現在の共産党政権は持たないでしょう。
5 女性の晩婚化
女性の社会進出がすすむにつれて、晩婚化が問題になっている。若い女性が相手の男性に望むことは
一つ 鳥のように早起きして、朝食を作り
二つ 兎のようにやさしく
三つ 犬のように忠実で
四つ 牛のようによく働く
五つ ?(すみません、忘れました)
6 中華料理
腹いっぱい食べて飲んで1000円内外ですむ北京市民の行く安い店も、「乞食鳥」、「獅子頭(スープ」などいわれのある珍しい料理も楽しみました。写真の店で出た周恩来首相が「死ぬ前に食べたい」といわれたというスープ(要予約)は美味しかった。当時政府要人の料理人が周恩来のサポートで独立した店だそうです。
7 ちょっと危ない話(ビデオ、写真撮影、インターネットの制限回避)
写真好きの仲間のT氏、市中の道路をVTRを廻しながら歩いていたら、厳しく制止された。そこは警察か公安当局の建物前でしたが、そんなこと誰も気がつきませんでした。 インターネットは噂どおり、facebook,Twitter,YouTube,ニコニコ動画、検索などに制限がかけられていました。実際には,iPhoneはそれらを読み込みに行くのですが、いくら待っても繋がらないという嫌がらせでした。
コンピュータに詳しい同行のM氏は日本でVPN(Vertual Privete Network)用のサーバーや機器を用意して、北京に来ていたのはさすがです。早速翔年のiPhoneにもVPNの設定をしてもらいました。facebookに位置情報とコメントをアップすることはできましたが、その他のサイトへは時間がかかって繋がりませんでした。(T氏のパソコンではすべて上手くいったそうです)
上の二つの行為は、中国政府がスパイ容疑をデッチあげて逮捕するチャンスを不用意に与えたことになると思われます。何かの間違いで逮捕されることもあるし、或いは悪意を持った故意の事件にすることも可能だったでしょうね。
8 日本語が中国に逆輸入された言葉
精華大学・物理系教授(博士)の余先生は仙台の東北大学で学ばれ、日本でも仕事をされた経験をお持ちでした。「頭の中の8割は日本人と同じです」と自己紹介された愉快な先生。その先生から日本語から中国語になった言葉に「共産主義」、「人民」、「革命」などの言葉があると教わった。今回同行の富士通元宣伝部長、成田勝氏の著書「中国人がわかれば中国はこわくない」に、この他にも、意外な言葉が「輸入語」?であると詳しく紹介されている。(p52-53)
江戸末期から明治にかけて、一気に欧米文化を取り入れようとした日本の知識人が知恵を絞って漢字を組み合わせてつくった大量の「新造語」が中国に逆輸入されていたのです。
日本人として誇りにしてよいことなので、成田氏の著書からそんな言葉を抜粋しておきます。
進歩、歴史、思想、民主、解放、代表、幹部、広場、国家、侵略、国際、運動、義務、支配、出版、哲学、理想、作用、信用、伝統、会話、反対、原則、手続、肯定、否定、具体、抽象等等
などきりがありません。
中国政府は何かことあるたびに、「日本の侵略を防いで人民を解放した共産主義」だとか「日本の誤った歴史認識を否定する」などと言うが、これらの言葉がほとんどわが国からの「輸入語」だったとは悪い冗談と思えるほど面白い。
※ちなみに本日は「言の葉(5/18)」でした。
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>女性の社会進出がすすむにつれて、晩婚化が問題になっている。若い女性が相手の男性に望むことは
Σ(・ω・ノ)ノえっ!
ほとんどメイドのような・・・(゜ー゜;Aアセアセ
中国人女性も知り合いはいるんですけど
そういえば日本人男性がいいなんていってたなぁ・・・(笑)
>実際には,iPhoneはそれらを読み込みに行くのですが、いくら待っても繋がらないという嫌がらせでした。
私も出張とかに行った人から似たようなことを聞きますねぇ・・・
(゜~゜)ふぅぅぅん