ユリウスさんのブログ

最新一覧へ

« 前へ215件目 / 全702件次へ »
ブログ

根本から考える(7) -人口減少問題はない

 この地球上に人口減少問題はありません。あるのは人口増大問題の深刻さです。2011年10月31日、国連人口基金は世界人口が70億人を突破したことを発表しました。これだけの人口を養うために水や食料やエネルギーをどのように確保して分配するかという大問題が目の前に横たわっています。このまま人口爆発が続くと、2030年には80億人、2050年には90億人に達すると推定されています。

今や地球は人であふれかえっている Photo by Sifter


 それにもかかわらず、わが国は少子化担当大臣をおいて、生めよ、増やせよ、育てよと政府が号令をかけ、子育て支援だ、なんだ、かんだといって、バラマキ政策を実行している。問題を自国のことに限定し、極めて目先の解決を目指すとこのように全体の問題とは正反対の行動をとる間違いに陥る。わが国にとって人口減少が社会問題であるにしても、政策の選択が間違っていると思います。

 翔年はこういう呪縛から脱したいと考えて3月7日に『根本から考える(6) -水の惑星が水不足?-』 を書いたのでした。

 「文芸春秋」五月号に生物学者の本川達雄東工大教授が「生物学からみた人口減少問題」と題してわが国の人口と食料について卓見を述べておられる。
「生物学者としては人口減少を歓迎したい。なにせ食料自由率四割なのだから、自前で養えるのは五千万人、自給している分だって、化学肥料や農業機械に頼って作っており、それらは輸入した化石燃料に依存している。自前の資源だけで農業をやるとするれば、養える人口はもっと少ない。」
「エコロジカルフットプリントという指標がある。資源消費量と、自然の生産能力を比べたものだが、この指標によれば、日本人は自国の自然の生産能力の約七倍もの資源を使っていることがわかる。」

 翔年は『エコロジカル・フットプリント』に興味をもって調べてみました。
「ビジュアル雑学図鑑」によると、「エコロジカル・フットプリント」とは消費物の生産と廃棄のために必要な土地の広さで表したもので、たとえば日本人一人当たりのバイオキャパシティは0.6ghaなのに、4.1ghaの土地を必要としているというのです。4.1÷0.6=6.8≒7と言う訳ですね。
 同じように地球全体でエコロジカル・フットプリントを見るとバイオキャパシティは1.8gha、対してフットプリントは1.8gha。2.7÷1.8=1.5、つまり現在の地球人の生活の維持には地球一個ではたりなくて1.5個がないと暮らして行けないのです。70億人の現状ですらこれですから、80億人、90億人になったら、これは悲惨を通り越していると想像して胸を痛めております。
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。