ビッグバン2011さんのブログ
縁故採用
岩波書店が、こっそり縁故採用していたのではなく、堂々と募集条件に謳っていたため、話題になっている。フェアではないという批判的な論調が多い。
確かに、大企業が縁故採用を条件として、特別な関係者にしか門を開かなくなると、日本社会における機会均等や公平性が損なわれ、大きな問題である。
ところで、小さな会社や店舗が縁故採用をしても、ある意味、それは当り前で文句も言われないだろう。一定以上の大きな会社がやると問題になる。
そこで、岩波書店は大きな会社か、そうでもない会社かというと、年間採用が数人とのことで、採用規模だけでいうと、その辺にある中小企業と変わらない。しかし、人気の高さや、社会的な存在感においてはビッグである。だから批判される。
ところで、一定規模以上の企業は縁故採用禁止という法律ができたとする。すると、面白い現象が起きる。創業家の御曹司が入社しようとしても、縁故で入ってはいけない。きちんと入社試験を受け、公正に試験を受けて入らないといけない。理論的には、いくら創業家の御曹司でも落ちる場合がある。まあ、実際には落とさないだろうが。
縁故採用だけの会社は閉鎖的な体質になっていく可能性がある。一方では、共同体意識の強い結束力のある会社になる可能性もある。
もともと、私企業の社員採用などは、企業の自由だったはずだが、男女雇用機会均等法や障害者雇用の促進など、国の規制や干渉が強まっている。
国は、岩波書店の採用について調査するとのことだが、果たしてどんな結論にするのだろう。
採用条件に書いたことが問題なのか、事実上の縁故採用でも問題とするのか。事実上の縁故採用が問題なら、それは企業規模との関連においてなのか、社会の全てにおいてなのか。
岩波書店は厄介な問題を提起したものだ。厚生労働省は困るだろうな。法的な規制の問題としてではなく、企業の社会的責任や良識の問題として、要請・要望・見解の形になるのかな。
カコ ミライさんへ
採用する側は安心感があるでしょうね。推薦者がその人物を保証するようなものですし、当人も推薦者に迷惑を掛けられないので、まじめに働くでしょうし。
縁故っていうのは採用だけじゃなくて、その後も責任の所在が問われたりします。
どうしようもない人間を切る時に縁故の元もついでに切ってしまえば良質な会社ができあがるかもよ。へたなヤツは紹介できないから。
不始末をした場合に一蓮托生でボーナス減額とかね。