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当たり馬券払い戻し、ルール見直し検討//地方競馬の生き残り

農水省は19日、所管する競馬について、当たり馬券の払い戻しのルールを見直す方向で検討すると明らかにしました。背景には、地方競馬が直面する深刻な経営難があります。

 今月8日、佐賀競馬場に現れた女性騎手(29)。

 「佐賀競馬場で精いっぱい頑張りますので、応援よろしくお願いします」(岩永千明 騎手)

 彼女が注目されるのは、腕利きの女性騎手だからというだけではありません。

 彼女がこれまで所属していたのは熊本県の荒尾競馬場。しかし、積み重なる赤字に耐えられず、去年いっぱいで閉鎖されてしまったため、急遽、佐賀競馬場に移籍したのです。

 「荒尾競馬場が大好きです」(岩永千明 騎手、荒尾競馬場 最終日 去年12月23日)

 「やっぱさみしいですね。今までずっと馬も一緒に頑張ってきたのに・・・」(岩永千明 騎手)

 地方競馬場を運営している団体は全国で16。しかし、昨年度は半分が赤字でした。不況が長引いていることによるギャンブル離れや、若者の趣味の多様化によって入場者が激減、ピークだった1991年と比べて、馬券の売り上げは6割も落ち込んでいます。

 かつて、怪物オグリキャップを生み、中央競馬へと送り出した岐阜県の笠松競馬場。連戦連敗を重ねながら「負け組」の星としてブームを巻き起こしたハルウララの高知競馬場。こうした話題を生んだ地方競馬場でも、存続そのものが取り沙汰されているのが現状です。

 「ここは高崎競馬場の跡地です。かつて、ここは馬が走っていたコースでしたが、今は砂利で埋め尽くされています」(記者)

 群馬県の高崎競馬場。13年連続で赤字を計上し、2004年に経営危機に陥った際、当時のライブドアの堀江貴文元社長が支援を名乗り出しましたが、実現には至らず、結局、その年に閉鎖されました。

 現在は、建物がそのまま残されていますが、レースが開催されることはなく、場外の馬券売り場だけが運営されています。

 「非常につまらないね。ここがつぶれると同時に(馬主を)やめた」(元馬主)
 「馬がいるころは(客は)100人かそこら来た、1日に。今はやっと20人ぐらい」(場内の食堂経営者)

 競馬場の閉鎖で周辺の活気も失われたといいます。こうした状況を打開しようと、19日、農水省は新たな策を検討していることを明らかにしました。

 「払戻金の算出方法も含めて、現在調整中であります」(岩本 司 農水副大臣)

 現在、当たり馬券の払い戻しは、競馬法で定められた計算式で売り上げのおよそ75%となっています。これを競馬場が一定の範囲で設定できるようにして、地方競馬の経営改善を目指すといいます。

 例えば払い戻しの割合を50%にすれば、半分が競馬場に残り、その分、収益が上がる仕組みとなります。こうした取り組みで地方競馬は低迷から脱却できるのでしょうか。

 「払い戻し率が低くなるということは、ファンにとって魅力がなくなる。その点でファン離れが加速しかねない。(地方競馬が)いろんなてこ入れをして、ファンが競馬場に足を運んで頂いて、売り上げを伸ばすことが大事」(競馬解説者 原 良馬さん)

 その地方に根ざし、特色ある経営を続けてきた地方競馬。しかし、その再生への道は険しいのです。(19日16:53)
 
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