あおぞら郵船さんのブログ

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1/29 もみ合い・バブル崩壊とサブプライム

B3669109f  


【取引銘柄】
なし
 
【ポートフォリオ】
・アステラス製薬 100株 4,970→4,560円 -45,000円
・第一三共 100株 3,500→3,130円 -39,000円
・テルモ 100株 5,470→5,220円 -26,000円
 
買い玉 140万円 余力 35万円
総資産 444,000円(含み益-110,000円)
 
『前提が変わっているのに、変化に対応せず、従来のやり方を続ける。』
これを最も恐れるべきではないでしょうか。
その最たる例が、90年代の「バブル崩壊」です。
中期的に地価の下落に歯止めがかからないのに関わらず、最後まで「土地神話」に頼り続けた結果、あれだけの大惨事を招きました。
現在の局面を支える『前提』はどうなっているのを、常に確認しなければならないように思います。
この2年間の上昇局面であれば、「いざなぎ景気越えと言われる日本経済の回復」「米国経済の堅調・アジア経済の急成長」「円安の進行と円キャリートレードの拡大」「外資マネーの流入」これらが『前提』となっていました。
しかし、現在、それらの『前提』の多くが崩れかけています。
最悪の場合、『短期的なリバウンドはあっても、中期的には下落し続ける。』という局面が到来しつつあるような気がします。
もちろん、私も「米国経済は年後半から回復する。ダウ平均は1万2000ドルが底であり、日経平均も1万2000円以下にはならない。」という希望的観測が実現することを願っていますが、往々にして期待を裏切るのが現実ですので、最悪の事態への覚悟だけはしておく必要があるように思います。
 
◇バブル崩壊について
バブル経済とは、実体経済の経済成長以上に資産価値が高騰し、いわゆる資産効果によって消費が拡大する、過剰流動性による投機の過熱によって支えられた経済のことです。
実体経済で維持できない資産価値ですから、資産価値の上昇がピークに達し、何らかの切っ掛けで下落に転じた時点から、バブル崩壊という形で急激に実体との乖離を修正することになる。 その結果、金融に巨額の不良債権を残し、経済活動が長期的に沈滞する。
 
日本における「平成景気とバブル崩壊」は、1985年のプラザ合意による急激な円高・ドル安に端を発し、日銀の金融緩和政策による資金の過剰流動性を前提とします。
都市再開発ブームに乗って地価が急騰し続け、その含み益を前提として、さらに不動産投機、消費の増大、過剰な設備投資、借入金の拡大を加熱させるという循環に陥りました。
1986年~1989年までの4年間で、日経平均株価は3倍以上に膨れ上がりましたが、1989年の消費税導入、1990年の公定歩合引き上げと金融機関の融資の総量規制、92年の地価税の導入により、過剰流動性の前提が崩れ、地価は急落し、莫大な不良債権が積み上がりました。
このバブル崩壊の後遺症により、以後、ITバブルを挟み、10年間に渡る深刻な平成不況が引き起こされました。
 
これを調べて最初に感じたことは、かつての新興市場において、株式分割とサプライズの提供を繰り返し、時価総額を膨張させ、それを前提とした株式交換により企業を買収することで、さらに資産価値を高めていく手法に近しいと感じます。
あるいは、その企業のファンダメンタルズを無視した「マネーゲーム」についても同じことが言えるでしょう。主に新興市場におけるデイトレードにおいては、日々、"ミニバブル"が発生していると言っても過言ではないように思います。
ほんの数分間で株価が急上昇し、その直後、同じだけ暴落するというのは、いかにもバブルに当てはまっています。
思えば、ライブドア事件は、「個人投資バブル」の崩壊を暗示しているように思えてなりません。
もちろん、それは1年先か、2年先か、3年先かは、今の私には予想がつきません。
(06年2月11日の私の記事)
 
改めて議論を深めると、日本の古くからの慣習として、土地を担保にして融資を行う「土地担保主義」が存在したことが、バブル崩壊を生み出した前提の一つであるといわれます。(1)
それに対して、欧米では債券による直接金融が主流になっています。
間接金融は個人が銀行に金を預け、銀行がそれを法人に貸し出す制度であり、直接金融は法人が自ら債券市場で資金を調達する制度です。
後者の方がより「自己責任」的と言えるでしょうか。「貯蓄から投資へ」のスローガンにあるように、個人においても何も考えずに銀行に預けるのではなく、債券や株式、投信などで自ら資金を運用する制度が、やはり欧米の方では主流であったと言えると思います。(2)
日本でも「バブル崩壊」の教訓もあり、直接金融への移行が進められているようですが、現在のところ上手く行っているようにはあまり見えないですね。
 
こうして考えると、日本のような「土地担保主義」ではない米国において、住宅バブルが崩壊し、住宅価格が暴落したとしても、日本ほどの深刻な事態にはならないのでしょうか。
ただし、米国では不動産ローンを証券化してしまって、MBS(住宅ローン担保証券)や、債務担保証券(CDO)・資産担保証券(ABS)の証券市場が暴落することで、それに投資する投資ビーグル(SIV)で巨額の不良債権が発生しているということが、今回の問題でしょうか。(3)
つまり、日本の「バブル崩壊」は住宅価格の暴落そのものが銀行に巨額の不良債権を与えたのに対し、米国の「サブプライム問題」は、住宅価格の下落に連動して証券価格の下落により、投資会社を傘下に持つ銀行が打撃を受けるという構図でしょうか。
 
正直、今回のサブプライム問題の規模が把握できていませんね。
住宅価格が下落し続ける限り、損失は膨らみ続けるだろうということは分かりますが、FRBの試算では最大でも5,000億ドルの損失という話がありますが(4)、本当にそれだけで済むのであれば、日本の「バブル崩壊」とは比較にならないほど小さいということになりますね。
野村資本研究所の計算では、日本の「バブル崩壊」では、土地だけで家計部門が-626兆円の損失、企業部門が-453兆円の損失を被り、株式で企業部門が-6兆円の損失を被ったということです。(5)
米国での今回の問題が、本当に5,000億ドル(およそ53兆円)の損失だけで済むのかどうか、影響の大きさを見極めていきたいと思います。
もし、私が考えているほど「大事ではない」のであれば、中期的な下落などは心配する必要はないということになります。
 
(参考)
1・「正論」の記事
http://www.sankei.co.jp/seiron/koukoku/2001/ronbun/12-r2.html

2・大蔵省財政金融研究所の記事
http://www.mof.go.jp/f-review/r36/r_36_001_005.pdf

3・損保ジャパンの記事
http://www.sjam.co.jp/college/mbs.htm

4・ロイターの記事
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT810583320080117

5・野村資本研究所の記事
http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/2006/2006sum16.pdf

・財務省財務総合政策研究所の解説記事
http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kouryu/kou1612/ncws1712b.pdf

http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu/ron027.pdf

 
 
「問題の規模が重要だね~」




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