maichさんのブログ
26.「散歩する侵略者」
上原美優ちゃんが亡くなった。悲しくなった。
私は特別熱心なファンではなかったが、それでもテレビの画面で見るたびに
「がんばってるんだなぁ~」と温かい目で見ていた気がする。
今月誕生日を迎えたばかりで24歳だったそうだ。
美優ちゃんと同じ時に、日本全国で自死という残念な選択をしてしまった人は
いるのかもしれないが…。
色々あってのことだと思う。思うけど、自死だけは避けて欲しかった。
先月は田中実さんも亡くなったし…。
合掌。
さてと、気を取り直して。
本を読んだ。
「散歩する侵略者」前川知大著 メディアファクトリー
なんて言ったらいいのかわからない後読感。
何しろ恐ろしすぎる!!
帯に劇団☆新感線のいのうえひでのりさんのコメントがある。
「どこか懐かしくて、ちょっぴりコワイ。現代感覚SFミステリー」
平たく言ってしまうと確かにこんな感じだろう。
「概念は言葉の産物だが、それを説明する言葉に意味はないという。
それはあくまで言葉に過ぎないからだ。」
「名前を付けることでそれはそれ以外のものではなくなり、分かり切ったつまらない存在になる。
言分(ことわ)ける度に世界は整理され、少しづつ色あせていく。」
この一文は、とても印象に残った。
思っていることを言葉にするとなんだかチープになってしまうことがあるけど
こういうことなのかな。
「概念」を言葉で伝えるのは難しい。言葉というより感覚に近い気がする。
鳴海がとても普通の人として描かれているのに親しみを持った。言葉づかいなんかそっくりだ
その普通の人が遭遇するにはあまりにも過酷な出来事だった。
最後の最後の鳴海の選択は…。
愛という概念を知って初めて人は人を理解できるものなのか…。むむむ、奥が深い。
話が中途半端に終わっているような気もするが、「侵略者」がこの先どうなるか、ではなくて
夫婦の物語に主眼を置いた話とみるとこれでいいのだろうか…。
20年くらい前に星新一とか読んでいたけれど、今回のようなタイプの本は初めて読んだ。
ただただ驚きだ。
気になる本があったらちょこちょこ読んでいる。
『読書について』ショウペンハウエル
正直、難しくて理解できない部分もあったけど、多読をばっさばっさと切り捨てる考え方が斬新でおもしろかった。
たくさん読めばいいってもんじゃないと。むしろ、本なんか読むなとオモシロイ
(数年前に読んだきりなので、内容はうろ覚え)
10年くらい前に遅まきながらよしもとばななにハマった。
一人の作者をこれほどまで熱心に読んだのは後にも先にもこの人だけだ(今のところ)。
「キッチン」から始まって、20冊近く読んだ。
最近は何となく飽きてしまって読んでいないけど。
自分を励まし、助ける言葉を見つけたのは本だった。
座右の書は「老子」と「自己信頼」
どちらの本も隅々までチキンと理解した訳ではないけれど、自分が常々感じていた疑問に
納得のいく答えが書いてあり、自分を肯定することができた。
これは大きな収穫だった。
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美優ちゃんはホントに残念です。(/_;)
「散歩する侵略者」ホント、ディープな世界でした(^_^;)
発想が奇抜ですよね~見えないものを奪うって。
ありそうでないですよね~☆
とても斬新でした。
よしもとばななは…なんだろ?!(笑)
彼女の表現が自分の琴線に触れるって言うのか、言葉では表せないんだけれど、
ある文章を読むと「あ~この切ないような何とも言えない感じが好き♪」って
なるんです(*^_^*)不思議ぃ~♪
> 上原美優ちゃんが亡くなった。悲しくなった。
おれ、maichさんの日記で彼女の死を知ったよ。
悲しいことだね。
> 「がんばってるんだなぁ~」と温かい目で見ていた気がする。
そうそう、かわいくて、けなげで頑張っていたよね。
> 「散歩する侵略者」前川知大著 メディアファクトリー
早速 読んだんだね♪
おれは演劇しか観ていないけど、なかなかディープな世界でしょ?(^o^)
前川知大の才能はなかなかすごいよね(^o^)
> 「どこか懐かしくて、ちょっぴりコワイ。現代感覚SFミステリー」
うんうん、とても納得(^o^)
> 「概念」を言葉で伝えるのは難しい。言葉というより感覚に近い気がする。
うん、そうかもね(^o^)
この作品は「概念」がテーマだもんね。
maichさん、「よしもとばなな」に はまっていっぱい読んだんだね。
彼女の作品も個性的で面白いよね(^o^)