8日前場の日経平均株価は前日比247円56銭高の9527円21銭と急反発。取引時間中としては6月29日以来、約1週間ぶりに9500円台を回復した。東証1部の騰落銘柄数は値上がり1498銘柄と全体の9割(値下がり101銘柄、変わらず62銘柄)に達した。前日の米国株高や、円の下落を好感して買いが先行。一巡後も高値圏でもみ合い、ほぼ全面高商状となった。寄り付き前に発表された5月の機械受注は前月比10.8%減となったが、市場の反応は限られた。東証1部の出来高は8億926万株。売買代金は5432億円。
岩井証券・イワイリサーチセンター長の有沢正一氏は「国内発の材料がなく、アジア市場を含めた海外市場を無視できないため、不安定な情勢ではあるが、米国でも売られ過ぎとの意識が強まっている。国内企業の業績予想が下方修正されても先行きがみえてくれば押し目買いも入りやすい。オプションSQ(特別清算指数)算出を控えているため、容易ではないが、2-3日は9500円前後で値固めとなれば、決算で買われる相場になってくる」と指摘している。
業種別では、国際帝石 、JX など石油関連株が買われ、三井物産 など商社株も堅調。アドバンテスト などハイテク株や、板硝子 などガラス株も物色された。日産自 など自動車株も上昇し、ブリヂス などタイヤ株も高い。三菱UFJ など銀行株もしっかり。大和証G など証券株や、クレセゾン 、アコム などノンバンク株も上昇。新日鉄 など鉄鋼株や、郵船 など海運株、不二越 など機械株も買いが先行した。
半面、個別で、11年2月期第1四半期決算を発表したABCマート は出尽くし感から売りが優勢となって値下がり率トップ。第1四半期で純利益5割減のイマージュ もさえない。また、日経平均採用銘柄でマイナス圏で取引を終えたのは塩野義薬 の1銘柄のみだった。なお、東証業種別株価指数は、全33業種が上昇した。
提供:モーニングスター社