ぷよすけさんのブログ

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No.521 「団塊の世代」の年金は維持できるか

企業年金など年金問題で団塊の世代に取材する機会があった。いまや、団塊の世代が、年金を受給する世代になろうとしている。

 団塊の世代が、大学を出て、就職した1970年代前半は好景気で、「青田買い」の状態だった。大学3年生の期末試験の成績が出る前に就職が決まった。つまり、大学1、2年生の成績と面接で、銀行、生損保、証券などの金融機関や有力メーカーに就職していった。
大学4年生になった4月には、大半の就職が決まっている状態だった。氷河期ではなく、就職は「超温暖期」だった。

 この団塊の世代が、前の世代の年金を支えるピラミッドの底辺を支えた。団塊の世代は、人口が多く、好景気で大企業に就職し、公的年金、企業年金に好循環をもたらした。
 経済は右肩上がり、今日より明日、明日よりあさってはよくなるという確信を実感できた時代だった。

■不動産バブル崩壊に大きくつまずいた団塊の世代

 団塊の世代は、1990年代前半の不動産バブル崩壊で大きくつまずいた。そしてその後の「失われた10年」「失われた20年」で大きなダメージを受けた。

 もちろん、この「失われた20年」は、団塊の世代のみならず、日本全体に大きな負の影響をもたらしている。相対的に団塊の世代は、“幸福な世代”といえるのだが、団塊の世代もバブル崩壊では相当な打撃を受けている。

 銀行、生損保、証券などの金融業は、倒産・廃業を含む巨大な業界再編成の大波にのみ込まれ、就業人口を大幅に減らした。

 団塊の世代は、不動産バブルからバブル崩壊時に部課長の世代だったが、割増退職金などの提示でリストラにさらされることになった。50歳代前半~半ばで、企業を去った人は少なくない。

 金融機関の就業人口の大幅減は、団塊の世代がリストラのターゲットになったからだとみられる。バブル崩壊時のリストラは、割り増しが付いただけでも幸せともいえるのだが、団塊の世代にとっては大きなつまずきだったに違いない。

■年金給付の維持は困難

 「日本の公的年金、企業年金がいまのままで続くことを願っているが、給付利率の現実を見ていると、それがかなり厳しいのはわかっている」

 団塊の世代のAさんは、大手信託銀行に勤めていた関係で年金についてはかなり詳しい。それだけに、現状の年金給付の維持が望ましいとしながら、いまの年金給付を維持することの困難さに深刻な懸念を感じている。

 運用利率が低すぎる。運用が、給付利率にまで届かない。

 運用下手、という問題もある。年金を運用する日本の金融機関の運用下手は、プロといえないひどさだが、長らく「護送船団方式」で競争なしの横並びでやってきた業界だから、もともとプロフェッショナルではありえない。

 「これでは若い世代に“補填”してもらうしかないが、それも現実には無理がありそうだ」

 Aさんはそう冷静に語っている。確かに、景気の長期低迷があり、若い世代は就職難などがあり、年金のピラミッドの底辺を支えるにはボリューム的にも厳しい。

 右肩上がり経済どころか、経済の低迷打開がなされておらず、悪循環が進行するばかりだ。

 ある大手証券に勤務していた団塊の世代のBさんは、「国の危機管理能力がひどすぎる」と怒りを込めて話す。

 「団塊の世代が年金受給者になったときに、年金が構造的に危機に陥るのは以前からわかりきっていることなのに国は何もしてこなかった」

 地に水が行き渡れば、問題の多くが片付くことになる。

 国が、経済の右肩上がりモデルを構築することが求められるのだが、国は無能ぶりをさらしてきた。にっちもさっちもいかない。地に水が広がらない。

 団塊の世代の年金問題ひとつを取っても、経済の舵取りの重要性が人々の命運を大きく左右することがわかる。

 日本は、「失われた10年」に続いて、さらにその後10年の経済低迷に見舞われている。合計20年、日本経済の「失われた20年」を徹底して解明すべきである。そうした日本経済の体質を問うべきではないか。

 ――なぜ、20年も経済低迷となったのか。なぜ、経済低迷を打開できないのか。

 日本経済の長期低迷の原因を徹底して解明し糾問すれば「戦犯」も明らかになるだろうが、それを避けてはならない。カドが立とうが、日本経済のどこが根本的に問題なのかを明らかにして、根底から問題を解決すべきだろう。

 徹底解明がなく、またまた曖昧に進むなら、「失われた20年」は、間違いなく「失われた30年」になる。

 いまのままで流れれば、「失われた30年」コースになるのはほぼ確実ではないか。

(東洋経済HRオンライン編集部)




個人的な意見ですが、今の日本を作ってくれたのが団塊の世代であるのは確かですが、資産を預貯金にため込んでお金の流れを止めているのも団塊の世代なのではないですか??
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4件のコメントがあります
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    daikonさん
    2010/6/5 09:49
    おはようございます。

    私は1948年生まれ、団塊の世代です。

    >資産を預貯金にため込んでお金の流れを止めているのも団塊の世代

    近いうちに医療、介護にお金がかかるのではないかという不安、年金支給は大丈夫かとの不安を抱え、お金を溜め込みたくなる気持ちはご理解いただけるのではないでしょうか。

    それを解消するにはどうしたらよいのか、2つ考えております。
    一つは、お金に困った人には医療も介護も低コストで提供される仕組みを作ること、二つめは高齢者に仕事を提供して年金への依存を減らすことです。
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    Fortune Producerさん
    2010/6/4 22:02
    こんばんは。

    いい意味でも悪い意味でも、日本を背負ってきたのは、団塊の世代を中心とした中高年だ。 若くして金の卵ともてはやさた方々は十代半で働き始め日本の繁栄に寄与してきた。 その中高年が働き手の中心になり、一時、日本はJapan as No.1までのぼりつめたが、まじめ一方で、政治に関してはあまり関与していなかったのでは? 日本を良くするも悪くするも政治家しだいでは?? その政治家を選んだのも我々団塊世代の中高年だったのでは。 元スポーツ選手やタレント候補に一票を投じた方も多かったのでは? 猛反省!!

    「風とともにさりぬ」ではないが「団塊の世代とともに日本経済がさりぬ」ではあまりにもさびしい。 いまツアー海外旅行がもてはやされているが、参加する顔ぶれは団塊の世代が中心だ。 介護ビジネスやケアホームビジネスの顧客も団塊の世代がターゲットだ。 なんとお墓ビジネスも同様だ。 団塊世代ビジネスの終焉はお墓までだ。

    早くこの団塊世代ビジネスモデルから脱却しないと、日本の明日はない!!

    団塊の世代が中心で溜め込んだ預貯金金の運営ひ失敗したのも、政治家だ。
    現在の年金制度を決めたのも、政治家だ。

    ”その政治家を選ぶのは、我々だ”

    以上、独断と偏見にて。





     
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    じゃりんこさん
    2010/6/4 21:36
    こんばんは
    非常に深い問題ですね

    私たちの想像を絶する戦中を過ごされた方々
    戦後の日本を良くするために働かれた方々
    日本・家族の為に必死に働かれてきた方々に年金は差し上げるべきです
    当然のことですよね
    支えあって生きるのが人間なのですから

    何がいけないのかはお分かりでしょうから申しません
    現在の年金問題に関してはもはや言葉もありません
    自分がしたことを知ったことかと
    今の今まで知らん顔をしていたものはどうしようもありません
    いかに社会ではこのような人間が多いことか・・・

    幼稚園児でもこんな考えはしませんよね

    もっと厳しい厳粛な審判があってもいいはずです
    犯した罪は償うのが社会人のルールなのですから

    皆さん同様に私も少ない給料から年金をひかれています
    給料は上がらずとも皆さまの為に使われるならいいと思います
    綺麗事ではないです
    純粋にそうする事が人だと思います

    私が年金を頂けるのは約20年後です
    しかし
    年金をもらえるとは1%も思っていません

    現在の給与から年金でひかれる金額にはもう耐えられるものではありません
    自分の子供達が働く頃にはもっとひどいこととなっているでしょう

    老後の生活を国に託したいと言いたいですが
    今はそのような時代ではないと思います

    自分で切り開いていく
    出来ないならあなたは終わり
    これが今の常識ですね

    こんなご返事をさしあげ恐縮ですが
    本当はみんなこんな事いいたくありませんよね

    新政権に期待してペンをおきます

    長々と失礼しました


     
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    yoc1234さん
    2010/6/4 20:09
    こんばんは。
    経済雑誌や新聞やテレビが自分のことしか考えず、不安をあおり、部数を伸ばそうとするだけ、時の政権の悪口をいい、未来がないという。それを鵜呑みにする消費者も悪い。
    自分達は対案すら出せずに批判だけ言う。少なくとも、日本人が書いてると思いたくない文章が多すぎる。文句があれば自分でこうすべきと、政府に出すべきでしょう。昔もそうして来た。間違っても、太田総理の番組はこれで良い。