あおぞら郵船さんのブログ
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3/23 米医療保険制度改革法案可決
【取引銘柄】
なし
【ポートフォリオ】
・第一三共 300株 1,889円→1,772円 -36,400円
・第一三共 300株 1,823円→1,772円 -16,400円
・第一三共 250株 1,800円→1,772円 -8,2000円
(含み益-61,000円 実現益+4,800円 余力80万円)
昨日、米国でオバマ大統領が内政の最重要課題として推進していた医療保険制度改革法案の上院案が下院でも僅差で可決され、成立する運びになりました。
これへの市場の反応は『Yes』でしたね。
製薬企業にとっては、この改革案は医療ニーズの呼び起こしに有効である一方で、製薬業界全体で10年間で800億ドル(7.2兆円)の負担を課すという内容でしたので、その多大な負担が懸念されていました。
しかし、市場の反応としては、メリットの方が勝るという判断になったようですね。
さて、第一三共の方はこの所、芳しくないですが、中期的には上がるとしか思えませんので、ホールドを決め込んでいます。
上昇の材料としては、ランバクシー社へのFDAの禁輸措置の解除、新薬の進捗(インフルエンザワクチン「ラニナミビル」、アルツハイマー薬「メマンチン」の承認、および、骨髄がん抗体医薬「デノスマブ」、抗Xa剤「エドキサバン」の承認申請)など。
まぁ、いずれも半年~1年以上はかかりそうですけどね。
それにしても、ジェネリック医薬品企業の大洋薬品工業への業務停止命令の件は衝撃的でしたね。
大洋薬品が胃腸薬「ガスポート」の主成分の配合ミスをしたまま、2万8500箱(285万錠)を流通させたとして業務停止命令が下されることになりました。
このガスポートは、『ガスター10は使用上の注意をよく読み正しくお使いください』のCMで有名な、アステラスのガスターのジェネリックです。
・中日新聞の記事
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2010031802000134.html
本当にあってはならないミスで、薬剤を使用する側にとっては背筋の寒くなる話ですね。
しかも、出荷前にサンプルを検査する段階で、担当者がミスに気付きながらもそれを隠蔽する為にサンプルを正常品と交換していた、という話もありますので、これは恐ろしい話ですね。
こういうことがあるから、医療関係者からも『ジェネリックは品質に問題がある。信頼できない』と言われることになるのでしょう。
第一三共を始め大手製薬企業のジェネリック事業への参入が相次いでいますが、『ジェネリックの信頼性』が最重要課題であることは確実ですね。
嫌なニュースが続きますが、米国でアステラスのアトピー性皮膚炎治療薬「プロトピック」の使用が原因で子供が癌を発症した可能性がある、というニュースが飛び込んできました。
・共同通信の記事
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010032101000343.html
プロトピックは、アステラスの主力製品の免疫抑制剤「プログラフ」を軟膏にしてアトピー性皮膚炎に適応させたもので、年間160億円(08年度)を売り上げています。
アトピー性皮膚炎は免疫の異常が原因で極度に皮膚が荒れる疾患で、未だに根本的な治療法が見つかっていません。現在、炎症を強力に抑えるステロイド剤が有効で主に使用されますが、ステロイドには副作用が確認されています。バイオベンチャーのアンジェスMGなどはアトピー性皮膚炎の遺伝子治療薬を開発中です。
これに対し、アステラスのプロトピックはステロイド剤ではないという利点がありましたが、結局、プロトピックも「免疫抑制剤」であることには変わりないので、免疫を抑制することによる副作用のリスクは避けがたいということなのでしょう。免疫を抑制することは、人体が外敵から身を守る作用を制限するということですから、病気になりやすくなるとも言えると思います。
もっとも、副作用のある薬剤は使用しないという話を極端にすれば、たとえば抗がん剤なども強い副作用が知られていますから、がん患者に対し抗がん剤を使用できないという話にもなります。
ですから、ステロイド剤=悪などという説明の仕方も間違っているのだろうと思います。実際に、多くの人がステロイド剤を使用してアトピー性皮膚炎を克服することができているわけですから。
つまり、その薬剤の有効性と副作用とを天秤にかけて、使用すべきか否かを判断すれば良いのでしょう。その薬剤の使用による『リスクとベネフィット』を比較し、より合理的な薬剤を選択する、という話になりますね。
まぁでも、アトピー性皮膚炎の治療のリスクとして発がん性というのは、割に合っていないように思えますけどね。
それにしても、人体の免疫機能というものは奥が深いですね。
現在、免疫機能を利用してがんを攻撃させる「抗体医薬」の研究が盛んで、すでに実用化され目覚しい効果を示しているものもあります。
最先端のバイオテクノロジーの産物として、遺伝子治療や再生医療(iPS細胞など)が究極の医療技術として注目されていますが、これらの実用化にはまだ数十年はかかりそうな気がします。
本日のニュースでも、脳梗塞の治療のためにiPS細胞を移植すると、逆に腫瘍が肥大化するというニュースがありました。
・毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/select/science/news/20100323ddm003040091000c.html
この点、副作用が少なく効果も高い治療薬としての抗体医薬が、この先の十年間はもっとも有用な最先端技術として推進されそうな気がしますね。
元々、『免疫力を高める』というのは、健康のスローガンとして常識でもあります。
「配当は楽しみだけど、権利落ち日が怖いね~」
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