ユリウスさんのブログ

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政治家とカネ -鳩山総理の言葉

 昨日の読売新聞夕刊に「鳩山家資金 どう判断」の見出しで、「贈与」なら4億円の納税義務が生じる、「貸付金」なら、民法では口約束でも貸付金になる、と首相の母親から首相へ11億円が渡っていることを論じている。

 鳩山首相は、首相の母親の資金が偽装献金の原資だった疑いが出てきたことについて、「私の知らないところで何が行われていたのか。真実が見えないところもあって大変驚いている」
と困惑顔で語っていたが、何とも頼りない。それともたよりない振りをしているのか?

 さらに、今朝の読売には弟の鳩山邦夫・元総務相が首相と同様、母親から資金提供を受けており、政治資金収支報告書に記載していない事実がバレたので、報道陣の前で、
「(実母からの資金については)寝耳に水の話。カネの出入りは事務所任せだったが、私は見たことも触ったことも、報告をうけたこともない」
→ こちらはとぼけているのは間違いない。

 そろいもそろって、この兄弟の腋の甘さにはあきれる。翔年はズル賢い弟の方は昔から大嫌いだったが、最近は兄の方も首相としての器に疑問を持ち始めている。
 ここで鳩山首相のこれまでの言動をアップするので、読者の皆さんもご自身で判断されたい。

 贈与であろうが、貸付金であろうが、首相の政治資金収支報告書に虚偽記載があったかどうかが問題であって、極端なことをいえば、贈与でも貸付金でもどっちだっていい。政治とカネの問題で、首相の言動がどのように変わっているか、首相の言葉から明らかにしていきたい。


1 9月16日、鳩山政権発足
「首相に選出いただいた瞬間に、日本の歴史が変わるという身震いするような感激と、一方で大変重い責任を負った」
→ その意気やよし。

「試行錯誤の中で失敗することもあろうかと思う。国民の皆さんにもご寛容を願いたい」→ これは自分に甘すぎる言葉だ。謙遜も時によりけり。一国の権力者が公の場で言うべき言葉ではない。

2 9月18日、各省事務次官に訓示
「連綿と続いた事務次官会議を廃止するのは官僚たたきと思わないでほしい。官僚、特にトップの事務次官への尊敬の気持ちは変わらない」
→ ここまではよい。ただし、今から思えば、この時すでに「脱官僚政治実践」は「まぼろし」になっていたのかもしれない。元官僚に寄りかかりの始まりだった。


3 9月21日、記者団に米大リーグでの始球式への抱負を語る 
「私の性格上、真っすぐな球がちゃんと受け取る方に届けばいいなと思っている」
→ このあたりまでは、まっすぐな球を投げる首相は好ましい人柄とたいていの日本人は信じた。

4 11月11日、7年分の資産報告書と資産補充報告書を訂正したことについて記者団に語る
「恵まれた家庭に育ったものだから、自身の資産管理が極めてずさんだったことを申し訳なく思う。心を入れ替えてしっかりとやりたい」
→ 記者団に陳謝したそうだが、還暦を越えた男が今更「心を入れ替えて」も、時既に遅し。カネに対する姿勢、法律遵守の姿勢(政治資金収支報告への虚偽記載)など、こんなに甘くて大丈夫なの? 「恵まれボケ」は少年期までは許されるとしても……。



5 それでは政治家とカネについて、野党時代の鳩山総理はどんなことを言っていたのか。振り返って確認したい。(日時不明、ゴメンナサイ)

a 衆議院議員選挙戦の最中にこう吠えていた
「世襲が日本の政治をゆがめてきた。世襲の私が言うのだから間違いない。ただ私は親せき縁者のいない北海道から立ったので若干大目に見てほしい。
→ 当時、この言い方も人柄が出ていて好ましく映ったものだ。翔年も甘かった!

b 自民党議員を責めたてるときの常套句 
「政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生すると、しばしばあれは秘書がやったこととうそぶいて、自らの責任を逃れようとしますが、とんでもないことです。秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきなのです」
→ 正論である。正論はいくら時が経っても色褪せることはない。首相はこの言葉を自分自身と弟に向けるべきだ。
 
c 平成14年、鈴木宗男の秘書逮捕に際して国会で言った
「私は以前から鈴木議員に辞職を求めてきたが、議員の分身と言われている会計責任者の逮捕は、議員本人の責任であり、改めて強く求める」
→ 全く同感。立法府の人間が法を犯してはならない。


 最近の捜査状況や鳩山兄弟の言動を見ていると、残念ながら、鳩山首相が政権の座に長く留まることは無理と翔年は思えてきました。

 鳩山総理は、法とは誰よりも上に立つ者が守ってこそ、下にある者にも強いることができるのだということを知らねばなりません。
 異常なカネの問題とリーダーシップの欠如が露呈した所で終焉をむかえるだろう。
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