ユリウスさんのブログ
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受験期や多摩の畷の土けむり
受験シーズンで、大学生、高校生、中学生をお持ちのお母さん方は何かと大変のようです。「大学は定員割れなんだから、そうあたふたしなくても……」と思うのは、局外者の翔年だけらしい。
受験期や多摩の畷の土けむり 中 拓夫
こんな俳句を見つけましたが、いい俳句かどうか、よく分かりません。第一、「畷」が読めない若い人が多いにではないかと思われます。
大阪府の四條畷市を知っている関西人なら、読めるでしょう。幸い、翔年の住む高槻市には八丁畷という交差点(土けむりではなく、排ガスのけむりが充満)がありますので、翔年は読めます。(笑)「畷」は「なわて」です。
でも、たとえ読めても「意味は」と問われたら、最近の受験生は「???」でしょうね。こんなつまらん問題を出す学校はないでしょうが、試験に出ればこまります。意味は「あぜ道」と「まっすぐな長い道」です。幼少年期を山間部の田舎で過ごした翔年は「あぜ道」と言えば曲がりくねっているのばかりでしたから、「まっすぐな長い道も畷だよ」と言われたら、ぴったりきませんけれど。
俳句に戻って、この時期、関東ローム層に覆われた多摩地方は春風で土けむりが舞い上がるのでしょうか。ちょうどその頃が受験シーズンと言うわけ。
受験で「受かった」とか「落ちた」とかの哀歓でなく、「畷のつちけむり」という春風の情景を詠んだところが、この句のいいところかも知れませんね。
春風なら、翔年はこっちの方が好みですが。
梅花は雨に 柳絮は風に 世はただ嘘に 揉まるる 閑吟集
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