byr00455さんのブログ
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投資について考える(2) ~投資家にとっての最大の敵
投資家にとって、最大の敵はストレスである
異論もあるでしょうが、自信を持ってこう断言させていただきます。
そして、最大の敵であるストレスが最もかかる状況は許容範囲を超えた”含み損・評価損”を抱えてしまった状態であることは間違いないでしょう(許容範囲ついては、それぞれの資産状況や総資産における投資金の割合、投資資金の性格、さらには個々人のストレス耐性などによって程度の差はあると思います)。
ストレスは、我々投資家に誤った判断をさせたり決断を遅らせたり、更には致命的行動を取らせたりもします。
皆さんは、含み損を抱えた状態で自らが課した取引ルールを破ってしまった経験はありませんか?
やらないと決めていたナンピンをしてしまったり、予め決めていた損切りの価格水準を引き下げて結果的に損失を大きくしてしまったり・・・(ナンピンについては、私はその全てを否定する立場ではありません。また損切りについても、絶対必要なものだとも考えていませんが、この辺りについてはまた別の機会にご説明したいと思います)。後になって考えれば、「あの時に損切りしていれば・・・」という思いをなさった経験がある方は決して少なくないのでは?
大きなストレスがかかる状況では、自分の希望的観測が予測にすりかわってしまったりもします。「この価格帯で止まってくれるはずだ、必ず反転する!」などというさしたる根拠もない思いはその一種だと言えるでしょう。
投資家に対して、ストレス=含み損を抱えた状態はこれ程大きな影響を与えるというのに、我々にできる対処法はわずか2通りしかありません。
その1つは、損切りをして損失を確定させてしまうことです。損失を確定させる行為自体も投資家に対して大きなストレスとなりますが、「次のチャンスに賭けよう」というポジティブな考え方に転換できる点において有効な手段だと思います(但し、「損失分を取り返さなきゃならない」という過剰な思いは、プレッシャーという新たなストレスとなってしまう点には注意すべきです)。
もう1つの方法は含み損を抱えた状態に耐え続けること。ナンピンをすることは、取得単価を引き下げて反発局面での早期含み損解消を狙う行為であり、含み損を抱え続けるという選択の一種です。また両建てなんて方法もありますが、これも損失額を固定するにすぎず、問題の根本的解決法とはなり得ません。
後者を選んでしまった場合、最悪の選択をしてしまったと言えるのではないでしょうか?楽観的に考えれば、そう遠くない将来に含み益に変わってくれるかもしれません。しかしいつ訪れるかわからないその日まで、「これ以上損失が膨れてしまったらどうしよう・・・」と怯え続けなければならないのです。
元本が保証されない金融商品に投資した以上、常に損失を蒙るリスクはついてまわります。保険会社のCMでも言っているように「お金は大事」ですが、それ以上に大切なのは日々の生活です。お金は我々の暮らしをほんの少し豊かにしてくれる道具にしかすぎず、朝から晩まで投資のことが気になってしまうようでは本末転倒だと思いませんか?
私が考える"理想的な投資活動"とは、それが日々の暮らしのちょっとしたアクセントであり楽しみになるようなものだと考えています。
この日記をご覧頂いた方の中で
仕事中に保有する銘柄の株価が気になって何度もチェックしてしまったり、あるいは為替レートが気になって夜も眠れないような経験をされたことがある方はいらっしゃいませんか?もし身に覚えがあるようであれば、この機会に一度「現在の投資スタイルは、自分の身の丈に合ったものなのか?」を考えてみてはいかがでしょうか。
と、偉そうなことを書いてきましたが、自身について何も語らずに能書きばかり垂れるのはフェアじゃないので、次回から数回に分けて私自身の経歴と投資経験について書いてみたいと思います。もちろん、ものすごく間抜けでかっこ悪い告白になりますのでご期待下さい。
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難平買いの危険性については、まったくおっしゃるとおりだと思います。損切りの必要性についても異論がありません。ただ、貴見について異論を挟んでいるわけではありませんが、私はあまり多くは使いません。
損切りについての問題点は、損切りが値動きの激しい株を買うときの免罪符に使われている点です。つまり、どんな株でも、あまり内容について確信がもてなくても、損切りさえやれば安全だと言うように使われていることです。中には、損切りの値段を指定して株を推奨しているアナリストもいます。安易に損切りを続けてゆけば、たちまち財産は底をつきます。
損切りのもう一つの問題点は、損切りをプログラム化している現在の株式投資の手法にもあります。損切りを機械的にやっていると、売り買いが一方的となり、暴落時に思わぬ安値をつけてしまうことです、8月17日の暴落時に逆指値をつけていた人が10円下で値がついたなんていうのはザラだったようです。それでも、「損切りは機械的にやらねば意味がない」という声もあるようですが。
私の投資方法では、買いはすべて信用から入り、利益が出たら売り期日まで持って損になったとき、初めて現引きか損切りをするようにしています。買うときには、将来の現引きを考えて買いますので、引かれてもあまり大きな損は出ません。
とはいっても、すべてがうまく行くとは限りません。
今年は、2月までが好調でしたが、信用で買っていた銘柄の期日が、9月に集中してしまい、損切りした金額で2月までの利益の半分ほど持ってゆかれました。もう少し前に損出しをしていれば、損失も少なかったのではないかと思っています。とはいっても、一度決めた株式手法を簡単に替えるつもりはありませんが・・・。
雑文、申し訳ありません。
これは、とても共感いたします。
「売買する事が楽しい」「研究するのが楽しい」という場合は、
朝から晩まで考えていても「豊か」な人生だと思います。
(その場合は含み損がストレスにならない気もしますが)
でも、
相場やお金のことより大切なことはいくらでもあります。
人生という資産、
特に刻々と減って行く「時間」という資産を何に使うか、
トータルでの資産運用を心がけたいです。
#ちなみに含み損に対するストレスですが、
#自分に自信がある時は、
#含み損でもストレスにならないことに気が付きました!
多少慣れができたとしても、どんなに頑張っても心が揺れるのを止めることはできません。むしろその心の揺れこそが自分自身の立場の危うさを感じさせるアラームにもなります。
別に難平したってー計画さえあればーかまわないとは思うが刻々とうつろう市場で自分自身の行いに対して妄想ではなく確信を持てる人は何人いるだろう?
だからこそ規律に従って建ち落ちし、資金とポジションの管理をしなくてはいけない。知りうる限りTS(損きり、利益確保のための価格逆行時の落ち玉規定)を定めないプロはいません。
損きりを頻発するのは損きりの規定の責任ではなく損きりを頻発させてしまうような銘柄ーbobusanさんの言ったような乱高下の大きなものなどー、時期、価格帯、売買計画とやり方などで市場参入した不定見のほうでしょう。
そんなことを繰り返せば損きりしようとしまいと資産はそりゃ減るでしょう。
損きりした後に相場が元の思惑の方向に動いたとしても損きりはするべきだったろうし、仮に大きな問題があったとするならば損きりではなく計画や管理や心理状態のほうの問題でしょう。
確かに損きりすることでせっかくの機会を逃すことは少なからずあるでしょうが大き目の一時的逆行や流れの逆転、時には市場のクラッシュによってそれまで積み上げてきた利益を失ったり、利益どころか種銭の大部分を喪失することを回避できます。
損きりを頻繁ではないがきちんとやっても大きな損失を被るようなのは損きり頻発と同じ理由や、TSのおき場所のまずさー頻繁でないということは置く場所をもっと機厳しめにおいたほうがいいかもしれないー、資金にたいしてポジションサイズが大きすぎるー私見では株のボラティリティーは為替や商品と比べて大きすぎるから片玉で総資金の30%も使わないほうがいいだろうし、信用取引で建て玉する場合でも丸代金で考えて同じようなポジションサイズにしたほうがいいと思うーからだと思います。
種銭の大部分を温存できれば市場があるかぎり何度でも機会はあります。
コメントありがとうございます。
やはりナンピンや損切りは、投資活動をする人間にとって大きなテーマなんですね。皆さんの真剣なコメントを拝見して、改めてそれを痛感しております。
私自身について言えば、世間一般で言うところのナンピンを取引手法の一部に組み込んでいます。当然そこには私なりのルールが存在し、例えば最初のポジションは通常の半分程度に抑えることや、予めポジションを追加する位置と最終的な損切りの水準を決めておくことなどです。
また損切りについて言えば、レバレッジ取引である為替や225先物では至極当然に行っていますが、株式取引ではほとんど行いません。これは私自身のリスク評価と投資対象によって求めるリターンが異なることが関係していると思います。
ある程度経験を積んだ投資家であれば、それぞれが自分自身の投資スタイルを持ち、自分なりの取引ルールを決めていると思います。
>一度決めた株式手法を簡単に替えるつもりはありませんが・・・
とbobusanも仰られているように、大切なのは常に自分のスタイルやルールを守ることだと思います。ご自身のルール内の行動であれば、それによって発生しうるリスクまで計算し、それを受け入れる覚悟ができていると思うからです。
しかし大きなストレスがかかる状況にさらされた時、その重圧に耐えかねて自らのスタイルやルールに反する行動をとってしまうことは絶対に避けるべきでしょう。
「何故あの時・・・」と後悔してしまった経験が私には何度もあります。きちんとリスク評価をして予め最大許容損失限度額を設定しているにもかかわらず、それを守れないどころか損失を拡大する行動に出てしまう。普段なら絶対にやらないことをやり、絶対に守れることが守れない。多大なストレスのかかる状況下では、そうした事態に陥る危険性があることを理解し、それに対処する方法を考えておくことも必要だと思います。
いいお名前ですよね。
以前からお名前を見かける度に気になっていました。
ストレスを感じる状況は人によって結構違うものなのですが、もっともわかりやすく、そして最も影響度が大きい「含み損を抱えた状態」を取り上げました。
しかし”含み損”と言っても反応は人それぞれ異なるはずです。さすがに数100円や数1,000円の含み損に影響を受けてしまうような人はいないと思いますが、数万円程度でストレスを感じる人、数十万円になった時それを感じる人と様々でしょう。財力がありストレスへの耐性が強い人であれば、数百万円の含み損であってもさほどストレスを感じない可能性もありますね。
おそらく「それぞれの心の中に含み損に対する"受忍限度額"みたいなものが存在し、その範囲内の含み損ならさほどストレスを感じずに行動できるけれど、一旦それを超えてしまうと巨大なプレッシャーに襲われるのでは?」と、勝手に想像しています。
大切なのは株育成計画2さんも仰られているように、自分が楽しめる範囲で関わっていくよう心がけることですよね。
そのためには自分自身を知ることこそが重要なのかもしれません。
コメントありがとうございます。
でも、お名前が長すぎて大変ですw
窮地に陥った投資家を救い出せるのは、本人の決断と行動以外にはありえません。そんなことは誰でも知っているはずなのに、いざそうした状況に置かれた時に自らを救い出すどころか敢えて深みに嵌っていく投資家が少なくないことは事実です。我々のようなシロウトならいざ知らず、プロの世界(ヘッジ・ファンドなど)でも理解しがたい行動が見受けられます。
頭の中では理解しているのに、心の弱さや欲望が判断・行動を狂わせるのでしょうね。
>種銭の大部分を温存できれば市場があるかぎり何度でも機会はあります。
まさしくその通りです。全資金(もしくはその大部分)を失ってしまったら、二度とチャンスは得られないことを胸に刻んでおきたいですね。
日記、およびコメント欄の皆様のご意見と、
それに対するbyr00455さんの返信の中に、
かなり重要な「何か」が多数含まれているように感じます。
byr00455さんのスタンス等、
また引き続き日記に書かれる予定とのことですので、
楽しみにしております。
#株式投資はスタンスや、期限の設定によって、
#正反対の解釈が成り立つ事が多いですよね。
#私も日記を書く際には、『中期現物派としては』などと
#注釈を入れるようにしています。
ストレス繋がりですが、
NGTNさんの今日の日記の内容も興味深いものがありました。
欲望と恐怖と器と
http://minkabu.jp/blog/show/11405
投資額が増えれば、また違ったプレッシャーがあるのですね。
ご紹介いただいだNGTNさんの日記を拝見してきました。
私も専業を目指してしまった頭のイカれた一人であり、それ故にこうしたプレッシャーに苛まれて長く苦しみ抜いた経験があります。
詳しくはまた改めて触れる機会があるかと思いますが、そもそも運用資金の性格が定収がある時代とは全く異なることにすら気付かずに、この世界に足を踏み入れてしまった自分の愚かさをさんざん呪ったものです。
ナンピンはダメ。損ギリが大事。
最近もコレを忘れたために、損失が大きくなったのです。
ストレスも手伝って、マイナスの連鎖反応のような取引でした。
株をやっている間、この2つはずーっと自分の課題になりそうですよ。(;^_^A
過去分を含めじっくりまた読みに来ます。
よろしくお願いしますm(_ _)m
"マイナスの連鎖反応"という表現は、ストレスに押しつぶされていく投資家の心理状態を的確に表していますね。
心の問題は、目に見えない分とても厄介なものです。
私は、昨日の「世界柔道」における日本人三選手の金メダルにとても感動しました。柔道の本家といわれながら、今大会不甲斐ない戦いが続いた日本柔道。最終日を迎えて「金メダル0に終わるわけにはいかない」という強烈なプレッシャーがかかる場面で迎えた試合です。特に、谷選手は長いブランクを経ての大会で、他の選手以上に様々なプレッシャーがかかっていたことでしょう。”心・技・体”とよく言われますが、一流の人たちは技を磨くだけでなく、強靭な心も身につけていることを改めて思い知らされるとともに、彼らに肩を並べるのは無理でも、ほんのもう少しだけ強い心に鍛え上げたいものだと思いました。
話が盛り上がっていますね。
それぞれ投資スタイルがあり、結構だとおもいます。
損切りするのはお金を切って時間をとるということ。
次に勝つ自信があれば切れば良し、そのまま持っていて
時間が解決してくれる場合もありますし。
ただ短期トレーダーは有無を言わさず切りますね。
私も切ります。次に勝つ確立の方が高いからだと思います。
まぁ、自信がなくちゃやってられませんよね。
投資活動に影響を与える心理的要因や損切りなどの行動に対して、いかに皆さんの感心が高いかが窺えるような気がします。誰でも一度はこうした壁にぶち当たり苦悩してきたということなのでしょうか。
こんばんは、はい その通りだと思います。
私もどでかい壁にぶち当たり、その都度 投資スタイルを
作ってきました。最初は私も長期投資をしていました。
塩漬け株も何回かですね。その期間に勝てる相場も逃してきましたから、私は短期トレーダーになったことを後悔していません。時間>金で割り切っています。
ただ、それは私のスタイルですから、自分に合ったスタイルを作り、納得していればそれは良いことだと思います。
私も同様です。
約2年間、ストレスに苛まされるどん底の経験をしました。最悪の時期においては、含み益が出ているポジションにですらストレスを感じ、やがては動くべき時にポジションがとれないという状態にまで・・・
結局、私が辿りついたのも為替における超短期トレードです。動きを利用してポジションを取れば圧倒的に高い勝率が得られますし、STOPも極めて浅い位置に置くことができます。一つ一つのポジション保有時間が極端に短くなったことでストレスを感じる暇さえありません。
デメリットも多々ありますが、当面はこのスタイルを貫いていくつもりです。