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株式の売買

株への投資は、「真の価値と現状の価格との差を見抜くゲーム」です。
中長期でその価格差は縮まろうとするので、その間は辛抱強くホールドすることが重要となります。
判断材料を得るにはデータを調べ、チャートを読む必要があり、当初は難しいと感じていました。
しかしつまるところ、「1.会社を選ぶ、2.株を買う、3.株を売る」の3アクションで完結するシンプルな作業です。
私のスタイルはバリュー投資で、割安を探すファンダメンタル、インとアウトの時期選びのためのテクニカル、効率性を上げるための成長のエッセンスなどを加味しています。
現時点では次のようなことを意識しています。

0.メンタル
  • 公益を優先し、強欲は慎む。下げても配当を維持しているなら落ち込まず、上げてもほどほどの所で足るを知る。
  • 銘柄に過剰な執着は避けるも、「本質的な良心」を持つ会社は大切にする。「会社は経営者の金儲けのためでなく、従業員の生活と幸福な社会の実現のためにある」という信念を貫く企業は、一時的な経営難になっても立ち直るから。

1.会社を選ぶ
欲と恐怖で揺れ動く相場で企業の持つ「本質的な価値」を探るため、次の基準を元に銘柄を選んでいます。
リスク分散のため複数の銘柄を揃えますが、分析に自信を深めると組入数は減ってきます。

  • 社会に必要:仕事が社会の問題解決に役立っている。これまでなかったものを作り、足りなかったシステムを構築する。
  • 愛着が持てる:歴史があり、誠実なトップがスタッフを大切にし、技術を持ち、設備が充実している。
  • 割安:PER15以下・PBR1.0以下、これらが5年平均で割安水準。
  • 十分な利益:経常利益率10%以上、ROE(純利益/自己資本)は海外勢の買い基準8%以上、ROA(/全体)比とのレバレッジも少ない。
  • しっかり配当:3‐6%で、直近10年は減配なく、ROE>DOEで資産蓄積。
  • 財務良好:自己資本50%以上、資産が蓄積して毎期BPSが上昇。
  • 好業績:直近5年は増収増益・各四半期の進捗が25%以上で、四季報はポジティブ。
  • チャートが堅実:200日線超え上昇トレンド。
  • シコリ少ない:信用取引の「シコリ」は不確定要因、少ないほど良し。
  • セクターもトレンド:引き締め期はディフェンシブ、金融相場はグロース、回復期は金融、インフレ期はエネルギーなど。
  • 暴落しても保持:暴落で3−5割下がってもホールドできる。

2.適正価格を算出する
欲しい銘柄が見つかったら、適正な株価を算出します。
私は「一株資産BPS+(一株利益EPS×稼ぎの期待年数PER×0.5)」を基準にしています。
0.5PERは、期待している利益回収年数であるPERの半分くらいが妥当と考えて0.5を係数にしました。
PER10だと10年くらい耐えられると市場が評価しているくらいので5、PER30だと30年くらい利益回収を待てる程の人気があるので15などです。
また「個人投資家はっしゃん氏」が公開している理論株価も参考になります。

3.買うタイミング
買いたい会社が見つかったら、買える株価になるまで辛抱強く待ちます。
次のような事項を参考にテクニカルで決め、移動平均線は25、75、200の3本を使っています。

  • 基本は上昇中の押し目買い。上昇トレンドは3−4度ほどの調整を経て登るが、凪がしばらく続くと下落トレンドに転じる。
  • 下落中は上昇トレンドへの転換を待つ。大口は少しずつ売るので出来高は下落に伴い上昇し、ある時点から凪になる。信用買の投資家が多いと、投げ売りで更に下がる。「下げ続けた25線が反転して出来高急増」「2本の下長ヒゲ」「ダブルボトム」などが転換点の兆候。
  • 平均線と直近の最高値・最安値は、抵抗線・支持線になる。反発・抜けを確認する。
  • 日経が下落中に騰落レシオ25が80以下、VIX30以上、F&G20以下になると底近し。
  • さしたる理由なく、1日で10%下がったら戻る可能性高く買い。
  • 国内ファンドは3・9月末決算なので、本来の価値以下に下がりやすい。

4.売るタイミング
買った株は多少の上下動に動揺せず、配当を抱いて耐えます。
売り時はファンダメンタルが割高、または割安な株が見つかった時です。
これに移動平均線などのテクニカルを組み合わせ、少しずつ処分します。
処分するときは持ち株を減らすのではなく、信用売りを入れて感触を確かめることから始めます。

  • 7-9月は「夏枯れ相場」、下落しやすい時期。常に売りの心構えを持つ。
  • 相場全体の天井を意識。日米10年債の急騰、マスコミや政府の買い煽りは、相場が終わる可能性。
  • 指数で支持線を踏み抜けたら、トレンド変換を警戒。新規購入は控え、買い過ぎた株数を減らし、売りを準備。
  • 景気の先行指標として「コマツ」や「ソフトバンクG」はボラが大きくわかりやすい。これらが下がった時は地合が悪いことが多く、さらに銀行と保険も崩れたなら崩壊の予兆。
  • 個別株では、ボックス相場の天井到達や1日で10%上昇は一部利確を検討。
  • PBR1越え、配当が2.5%を割る等、指数が割高になった時も利確準備。想定外の悪決算、決定的な不祥事、外部環境の急変も同様。
  • 上昇トレンド中、出来高を伴う上長ヒゲ・長い大陰線・死兆星・ダブルトップ・3度の窓開けなど売り抜け気配、あるいは出来高が少ない新高値の形成など需要の少なさを示唆する現象などはトレンド転換サイン。
  • 日足チャートの平均線で短・中・長の順番が崩壊し、「直近の最安値」や「25線」などの支持線を破った。
  • 逆張りでは特に慎重さを意識。8%の下げは見込み違い、押し目待ちの信用買残の増加は支持線割れで大崩れリスク。どちらも損切を検討。

★テクニカルについて
テクニカルはトレンドを読んで、買いと売りのタイミングを計るために使っています。色々な方法論がありますが、自分で使いこなせるものだけを選別しています。

  • グラフが作る点と線は市場参加者の思惑を反映して、一定の法則で動く。トレンド初期は抵抗線を貫く回数が多いほど買い、サポート線を踏み抜ける回数が多いほど勢いは強くなる。線の突破力は相場の力関係で決まるが、二度のアタックには耐えられても3度目にはたいてい破られる。トレンド転換期は死兆星や明星が現れる。
  • 線と点の強さは、出来高で判断。出来高が増えたら機関投資家も買っているので勢いは本物、出来高が減った時はダマシか次の変化の予兆。
  • 良い決算なのに下落したり、逆に悪い決算なのに上昇するのは思惑による売買で、材料出尽くし感からの感情的な混乱のため。いずれは本質的な価格に収斂するので、惑わされずむしろ利用する。
  • チャートは左右対称になりやすい。相場の変動は利益確定や損切り、割安株の買い入れの機会を図る人々のバランスで決まる。こうした欲はチャートを動かすエネルギーとなり、暴騰や暴落を引き起こす。
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