木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳のつくり方】米景気、昨年12月に後退局面入り

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■いつもお読みいただき、ありがとうございます。
経済アナリスト、木下晃伸(きのしたてるのぶ)です。

■昨日の米国株大幅安を受け、
本日の日本株は苦しい展開を余儀なくされました。

決して大きなニュースが出た訳ではありませんが、先週が大幅上昇だったことから、
どうしても下落圧力が強まってしまうという外的環境はあるでしょう。

ただ、再び金融問題に焦点が集まり始めている点は要注意かもしれません。

後場の一段安のきっかけは、米ウオールストリート・ジャーナル(WSJ)電子版が
日本時間14時ごろ伝えた米ゴールドマン・サックス(GS)の大幅赤字観測。

WSJの報道によれば、GSは保有する未公開株や商業用不動産などの損失拡大で、
9―11月期の最終損益は20億ドルの赤字になる見通しのよう。
心配の種が尽きない中で、本日米国では
ビッグスリーの再建計画提出案がハッキリします。

様々なニュースが飛び出す中で、本日も3つのニュースをお届けいたします。

詳細は以下でお伝えいたします。
それでは、本日もどうぞよろしくお願いいたします。


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

1.米景気、昨年12月に後退局面入り
2.台湾株1日、5日続伸
3.停滞する海上物流―商船三井社長芦田昭充氏

http://www.terunobu-kinoshita.com/20081202-toushinou.pdf

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1.米景気、昨年12月に後退局面入り

(出所)2008年12月2日付日本経済新聞夕刊1面より

 ●景気拡大に終わり
 ●後退局面から脱出するのはいつか
 ●過去の経験則は“当てはまらない”と考えるべき

全米経済研究所(NBER)は1日、
米経済が2007年12月から後退局面入りしたと発表した。
前週末11月28日に景気循環の日付を決める委員会を開催し、
01年11月に始まった景気拡大局面が73カ月で終了したと判定した。

一般的には2四半期連続でマイナス成長なら景気後退局面入りとみなされるが、
米国ではNBERが後退局面入りを認定する。
NBERによれば、第二次大戦後の景気後退局面は最長でも16カ月。
足元の景気後退局面はほぼ1年続いており、
経験則を単純に当てはめれば後退局面は長くても
あと4―5カ月という計算も成り立つ。

しかし、足元の業績悪化等を考慮すれば、経験則に基づく底入れより
「戦後最長の後退局面」となる可能性の方が
大きいと一般投資家は考えられるだろう。
すでに景況感悪化は肌で感じていたものの、
1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに急反落。
前週末比679ドル95セント安の8149ドル9セントで終えている。
これを受け、本日の日経平均株終値は、533円安の7,863円と大幅安だ。

では、これら一連の動きをどう捉えるか。
少なくとも10月の急落に比べ、今回の株価推移は予想できたものだ。
特に、シティ救済発表以降のモラトリアム相場は、
「置いて行かれる恐怖」に乗ってはいけない、と考えてきた。
だからこそ、本日の暴落はチャンスと考えたい。
しばらくは、日経平均株価は8000円を挟んでの一進一退が予想される。
投資家は、暴落したタイミングで買い、上昇したタイミングで売る、
という機動的な売買を狙って行くかどうかだ。


2.台湾株1日、5日続伸

(出所)2008年12月2日付日経速報ニュースより

 ●北米状況を知る上で重要な“台湾株”
 ●直近は、上昇局面も、これからどうなるか
 ●ITバブル崩壊をベースに業績回復の度合いを考える

1日の台湾株式市場で加権指数は5日続伸した。
終値は前週末比57.94ポイント(1.29%)高の4518.43だった。

奇美電や群創、華映、鴻海精密なども堅調だった。
市場全体の売買代金は概算で668億台湾ドルだった。
半面、米国のクリスマス商戦が不振に終わるのではないかとの警戒は根強く、
一部の主力ハイテク株は上値が重かった。
友達光電(AUO)、台湾積体電路製造(TSMC)は前週末比横ばいだった。

友達光電(AUO)http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3AAUO

奇美電 http://finance.google.com/finance?q=TPE%3A3009 

台湾株は、北米のハイテク株を占う上で非常に重要だ。
これまで多くの企業は軒並み株価を下げている。
本日の台湾株も北米株価下落につられ、一時4%安となった。

台湾企業は、現在軒並み減産に陥っている。
過去ITバブルが崩壊した時点から、
株価が復活していったタイミングを振り返ると分かりやすい。
まず、

1)固定費削減(=人件費削減)、
2)資産圧縮、によって営業損益は改善するも、
 当期純利益が悪化するというタイミングがある。これは、2003年3月期だ。
 一方、当期純利益が回復していった2004年3月期以降、株価が反発していった。

 そのとき、

3)稼働率平常化、という動きが起こっていた。
 台湾ハイテク関連のコスト削減、資産圧縮の動きに加え、
 稼働率の状況に引き続き注目していくことが求められる。


3.停滞する海上物流―商船三井社長芦田昭充氏

(出所)2008年12月2日付日本経済新聞朝刊5面より

 ●事業会社の視点から世界を見る
 ●ポイントは“中国”
 ●4兆元(約57兆円)にのぼる景気刺激策はプラスとなるか

強気一辺倒のコメントで知られていた商船三井社長芦田氏。
昨年の9月5日には、当メールマガジンで以下のように書いた。

●業績が絶好調である商船三井芦田社長は
「アジア発米国向けのコンテナ船は足元でもほぼ満船」と語っている。
しかし、他の海運会社からは、「アジア発米国向けのコンテナ船のなかで、
『家具』の荷動きが悪くなっている」という状況を聞いている。
アジアから米国に向けて、コンテナ船で運ばれるものとして
一番多いのは 実は「家具」。 この荷動きが悪いということは、
米国住宅事情が悪化していることを示唆しているといえる。
米国景気は堅調に推移すると見るのか。
それとも一部陰りが見え始めた部分を取り上げ怪しいと考えたほうがいいのか。
判断は個々人で分かれるだろう。私は後者だと考えている。

その芦田社長のコメントから、ポイントは“中国”であるおとは。

●ばら積み船運賃の急落は中国が鉄鉱石の輸入を減らした影響が大きい。
中国は9月まで毎月4000万トン近い鉄鉱石をブラジルなどから輸入していたが、
10月は3000万トンに減少した。1000万トンの減少は年換算で大型ばら積み船、
百隻分の輸送能力に相当する。
ばら積み船の数は世界全体で800隻程度だから船舶の需給は崩れてしまう。

●(荷動きが鈍った主因は)中国経済と鋼材需要の減速だ。
中国の鋼材2割減産と鉄鉱石の輸入減少幅はほぼ見あう。過熱感もあった。
需要増と値上がりを見込んで買いに走ったトレーダーも多いとされ、
中国の港には8000万トン近い鉄鉱石が積み上がった。
在庫は6500万トン程度まで減ったものの、
適正水準は1カ月分の4000万トンくらいで、まだ過剰感がある。


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■編集後記
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12月は、不穏なスタートとなっています。
特に、今週から来週にかけて投資家を心配させるニュースも飛び出すでしょう。

本日のGM、金融機関の決算など、日々イベントを追いかける日々が続きます。

心配の種は尽きませんが、現実を注視するだけです。

今年は大変な1年となりました。その総決算12月。
現実を見ながら、来年の戦略を同時に練っていきたいところです。


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