タグ:村上春樹 のブログ

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  • 麻原が逮捕された日、現金を懐に抱えて屋根裏かどこかで、彼は警察に発見されたのだった。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%BB%E5%8E%9F%E5%BD%B0%E6%99%83 その態度に、あれだけのクーデターをやっておいて、なんだそのざまはという怒りが湧いてきて、オイラはその心情について、マエストロ掲示板に書いたことを思い出した。 麻原が逮捕されたのは、1995年とある。... ...続きを読む

    タグ:村上春樹 「約束された場所で」 三浦しをん 「光」 
    登録日時:2014/11/28(01:13)  
  • M’sBARに出向いたのは今日で2度目だ。1階のドアを開けると、この間とはうって変わって閑散としていた。客は、見ず知らずの男が一人しかいない。 オイラが入店してしばらくすると、もう一人、野郎が入ってきた。今日は、ママが休みのようで、アシスタントの女性がその野郎の相手をした。 「また、戻ってきたの?」 アシスタントが呆れていた。この野郎は、いかにも常連なようだ。外様なオイラは、黙って様子をうかがっていた。やたら、... ...続きを読む

    タグ:M'sBAR 村上春樹 三浦しをん デイビッド・ゴードン 
    登録日時:2014/10/26(02:01)  
  • (略)少なくとも自分はこうして生き残ったんだから、そのことに感謝をしていこうと。 恐怖とか心の傷とか、それはもちろんあるけれども、外に出せといわれても、出しようもありません。亡くなった方、殉職された方の遺族の皆さんに対して、私は説明する言葉も見あたらないわけですから。 私はオウムが憎いとも思わないようにしているんです。それはもう当局の人に任せちゃっています。私の場合、憎いとかそういう次元はとっくに通り過ぎてしま... ...続きを読む

    タグ:アンダーグラウンド 村上春樹 
    登録日時:2014/09/14(09:26)  
  • やっぱり完全な創作とわかる作品よりも、私小説風の作品が好きだ。 三島由紀夫なら「仮面の告白」、川上弘美だとこれはエッセイに近いけど「Blue moon」、村上春樹なら「ノルウェイの森」、村上龍なら「限りなく透明に近いブルー」。必ずしも私小説とは限らなくったっていい。ひょっとしてこれ、私小説なのかも知れないと想わせてくれれば、それでいいのだ。 完全な創作でも、浅田次郎の「月島慕情」ように激しく魂を揺さぶられれば読... ...続きを読む

    タグ:ノルウェイの森 村上春樹 縦書きの雨 EGO-WRAPPIN' 
    登録日時:2014/08/22(01:07)  
  • ジャックは由比ヶ浜のホテルのわきから、八月の午後十一時半の、海の波の白い歯嚙みに背を向けて、広い切り通しの砂地の坂を、ひとりで登りだした。 彼は東京から何とかここまでヒッチ・ハイクで来たのである。そのために江ノ島電鉄稲村ヶ崎駅での、ピータアやハイミナーラやキー子との、待ち合わせの時刻にはずいぶん遅れた上、あらぬところでトラックから下ろされたが、こちらからも会場へ行く道はひらけている。ただずっと迂路になっていて、... ...続きを読む

    タグ:三島由紀夫 葡萄パン 村上春樹 
    登録日時:2014/08/18(01:38)  
  • ずいぶん正面切ったタイトルの本だ、とまず思う。文学とは何か、という問いに答える本としてぼくたちは他に石川淳の『文学大概』や吉田健一の『文学の楽しみ』、丸谷才一の『文学のレッスン』などを持っているけれど、この加藤周一の本がいちばん果敢である。 それは執筆した時の年齢によるのかもしれない。石川淳が『文学大概』を書いたのは四十三歳、吉田健一の『文学の楽しみ』は五十五歳、丸谷才一の『文学のレッスン』は八十五歳の時だが、... ...続きを読む

    タグ:加藤周一 村上春樹 池澤夏樹 文学とは何か 
    登録日時:2014/08/16(00:22)  
  • ── 物語という人間の持ったものは言語そのものと密接につながっていて、   言語を持った瞬間にまで物語に至る道筋がたどれるとしたら、   それは要するに、「非近代」という色が濃くなりますね。 村上 そうです。   僕の場合、物語ということで追求していくと、   ある部分そういうところへ行くことになるんじゃないのかな。   ただその非近代を現代にいま持ち込むというのは、   ある意味で危険を伴うことなんですよね。... ...続きを読む

    タグ:村上春樹 三浦しをん  
    登録日時:2014/08/15(02:58)  
  • (略)島じゅうの山に咲きほこっていた、不吉な赤い花。どうかしていると思った。そんな名前を娘につける信之も、獣のように輔(たすく)のまえに這いつくばっている女も。 「椿が変質者にいたずらされた。あなたのアパートに行った日に」だからもう会えない、と南海子(なみこ)は苦しみを絞るように言った。 輔は見上げてくる南海子の視線を慎重に受け止めた。引き止めてほしがっているのか、「わかった、じゃあね」と言ってほしがっているの... ...続きを読む

    タグ:村上春樹 三浦しをん 「光」 
    登録日時:2014/08/08(03:09)  
  • 村上 (略)だから僕が伝えたかったのは、カーネル・サンダースみたいのなものは、   実在するんだということなんです。   彼は必要に応じて、どこからともなくあなたの前にすっと出てくるんだ、ということ。   それこそタンジブルなものとして、そこにあるんです。   手を伸ばせば届くんです。   僕は彼を立ち上げて、彼について描くことを通して、そういう事実を読者に伝えたいわけです。 *****************... ...続きを読む

    タグ:村上春樹 三浦しをん 「光」 
    登録日時:2014/08/07(00:37)  
  • 別にオイラから、脱いでくれっていったわけじゃない。彼の方から、勝手に脱ぎ始めてしまったんだ。 件の「1Q84」事件以来、オイラは三島由紀夫の「仮面の告白」的な情感を、彼に対して抱くようになっていた。 彼の有する文体の発祥元、執筆スタイル、モチベーションの保ち方など、色々なことを知ろうと努めてきたけど、それは想像に過ぎなかった。 けれど、オイラの巡り会ったこの書籍が、すべてを物語る。 **************... ...続きを読む

    タグ:村上春樹 ドストエフスキー カラマーゾフの兄弟 
    登録日時:2014/08/01(02:17)  
  • 村上春樹さんの『ねじまき鳥クロニクル』では、ふとある日、パッと奥さんがいなくなるんですね。これは現代という状況をピッタリ描いていて、すごいと思います。 何か災難が起こってとか、何かのことがあってというのではなくて、「ふと気がついたら、もう魂は失われていた」というわけです。これは、まさに世界中の先進国人たちの状況ですね。 魂を回復するというのが、どんなにむずかしいか。 さっき言ったように、単なる恋愛といいうことは... ...続きを読む

    タグ:河合隼雄 心の読書教室 ユング アルジャーノンに花束を ダニエル・キース 村上春樹 
    登録日時:2014/07/25(03:07)  
  • そういえば、かつては存在していたマエストロ掲示板で、なぜだか急に思い立って、弁天小僧の見得を切ったことがあったなぁ。こういう小さいけれど不思議な偶然の積み重ねが、彼の意識を少しずつ、むしばむように支配していったのだろう。 *******************************************僕ら三人は江の島の中にある<岩本楼>という、かなり由緒ある古い旅館に泊まった。我々の穏やかな日常の中で、江... ...続きを読む

    タグ:村上春樹 地球のはぐれ方 江の島 弁天小僧 
    登録日時:2014/07/19(09:47)  
  • これはほんとうに秘密の話だが、空を飛ぶ猫がいる。現在、世界中ではっきりとわかっているのは五匹だけだが、彼らには翼がついている。 ちなみに母親はどんな猫かわかっているが、母親に翼はない。これは秘密の話であり、多くの人に知られるのはよくないことである。 空飛び猫のことを最初に知った人間である、ハンクとスーザンの兄妹も、「私たちのことを絶対に絶対に他の誰にも言わないでおく」と猫たちに堅く約束している。 「もしみんなが... ...続きを読む

    タグ:猫だましい 河合隼雄 村上春樹 
    登録日時:2014/07/01(02:44)  
  • 元旦に猫に死なれた。享年十八。猫の墓掘りが新世紀の初仕事だった。わが家の隣は寺の墓地で、庭を掘ると古い五輪塔の石が出る。その石の一つを猫の墓石にした。 翌日になったら、その石が移動していた。老齢の猫だったし、最後はヨレヨレで、死ぬときには人目につかないところに行こうとしたらしいが、途中で力尽きて倒れた。だから墓から出るほどの気力はなかったはずである。 なぜ墓石が動いたか、いまだにわからない。 もともと人間用の墓... ...続きを読む

    タグ:養老孟司 考える読書 村上春樹 
    登録日時:2014/06/29(09:33)  
  • 私の読書論は作者絶対視に対する疑問をはらんでいる。印刷文化の発達、普及は強い作者、とるにたらない読者を前提にしている。作品はすべて作者の手によって創り出されるもの。読者はそれを全面的に受け入れて、読む喜びを受けるものとされてきた。 それに異をたてる読者があっても、その声を伝えるものがない。読者の立場を示す批評があってもよかったのに、批評は作者にぬかずき、これをうやまう、神主のようなものになってしまった。読者は沈... ...続きを読む

    タグ:外山滋比古 村上春樹 乱読のセレンディピティ 
    登録日時:2014/06/28(03:32)  
  • 今日は、ム~民一族な話をしよう。「ムー7月号」から。「ツイている人からツキをもらう」というコンセプトで、小林世征という霊能者が関与した実用スペシャルだ。 その中の「自分の住まいをパワースポットに変える」という項目の中で、部屋に置いておくべき作家の作品という部分があった。 そこには、三人の作家が挙げられていた。その筆頭はノーベル文学賞に手が届きそうな村上春樹、以下、司馬遼太郎と池波正太郎となっていた。 そういえば... ...続きを読む

    タグ:小林世征 村上春樹 
    登録日時:2014/06/16(02:17)  
  • 評論というものは、その対象となる書籍を真剣に読破しなくてはならないので、そういう仕事を売れっ子作家が手がけるには、制約が大きすぎてなかなか実現できないようだ。(あの小林秀雄だって、晩年は疲れ果てて書籍評論を止めたくらいだ) 今日はいつもとちがう大きな書店に行った。林真理子の書籍や名札を忌避しながら、村上春樹の書籍へ向かう。この忌避すべき作家の書籍は、すべて処分する予定だ。 いつもの小さな書店にはないシリーズを目... ...続きを読む

    タグ:村上春樹 若い読者のための短編小説 
    登録日時:2014/06/08(02:42)  
  • 「フラニーとズーイ」の方が、ずっとオモロイと思った。特に前半部分は退屈きわまるほどだ。 ところが「フラニーとズーイ」のときのように、女の子が登場してくる段となると、とたんにオモロクなってしまう。妹のフィービーが絡むところなんだけど。 その人物描写と会話に、なんともいえない魅力があるのだ。(こういうところが、春樹訳マジックなのかもしれない)そういう描写と会話の部分が、盗みどころなのだと思う。 また、ストーリーの展... ...続きを読む

    タグ:D.J.サリンジャー 村上春樹 
    登録日時:2014/06/05(02:31)  
  • 書籍の中のキーワードは、中立を保って読めば、そう人と変わらないものが挙がってくると思われる。しかし、オイラの場合には、特殊な事情が背景にあるので人とは違ってくるだろう。 オイラにとって「海辺のカフカ」のキーワードを挙げると、次の言葉になってくる。 「神社」、「知事」、「落雷」の三つだ。 オイラは若い頃、「神社」で神秘体験をし、県につとめているときにIT談合に巻き込まれ邪魔者として始末され、「知事」関係者が「落雷... ...続きを読む

    タグ:海辺のカフカ 村上春樹 
    登録日時:2014/05/27(03:57)  
  • 彼女はバスを降りるとスーツケースを地面におき、その上に腰をおろし、肩にかけた小さなリュックのポケットから手帳を出してボールペンで走り書きする。そのページを破って僕に渡す。そこには電話番号のようなものが書いてある。 「私の携帯番号」と彼女は顔をしかめて言う。「私は友達のうちにとりあえず泊まるけど、誰かに会いたくなったらここに電話してね。 一緒にご飯でも食べよう。遠慮しないでね。 ほら、ソデ触れあうも・・・・・・、... ...続きを読む

    タグ:海辺のカフカ 村上春樹 
    登録日時:2014/05/21(00:37)