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グローセルのニュース
■中長期の成長に向けた重点取組みと進捗状況
6. IoT/ADAS技術の取組みとワンストップソリューションの強化の進捗状況
ワンストップソリューションの強化はルネサスイーストン<9995>にとって今後数年間の最重要課題だという従来からの見方にまったく変更はない。取扱商材の単品販売では年々高度化する顧客ニーズに応えられないということが理由の1つだ。また単品販売では同社の付加価値を発揮できないため事業の売上総利益率の上昇に限界があるということもある。他にも、売上高1,000億円の大台突破など同社が課題や目標と認識する様々なものを克服していく上で、ワンストップソリューションの強化は必要不可欠だ。
同社はルネサスエレクトロニクス製品を筆頭に日立グループ製品やCSB製品など多数の商材を取扱っているだけでなく、セキュリティを含めたソフトウェア技術や、新技術や新潮流に関する情報なども保有している。これらを顧客ニーズに合わせて組み合わせてモジュール化、システム化することが、売上拡大と付加価値創造による高収益実現へとつながると期待される。
2018年3月期における進展としてはSIer(システムインテグレーター)の機能を充実させたことが挙げられる。パートナー企業の持つ先端技術・先端製品と同社が有するノウハウを結合させるワンストップソリューションの取り組みにおいて、社外のシステムインテグレーターを活用することがよりスピードアップにつながるとの判断がこうした動きにつながったとみられる。
直近の注目すべき進捗としては、やはりセンサーモジュール事業の開始が挙げられるだろう。センサー類は同社の技術及び製品の要素の中で重要な位置を占める。センサーモジュールの製造販売にチャレンジすることは、同社のワンストップソリューションの力を一段とアピールすることにつながるものと弊社では期待している。
半導体ひずみセンサーを活用し、センサーモジュールも製造販売事業に進出。メーカー機能へ挑戦し、高収益事業実現を目指す
7. 半導体ひずみセンサーを活用した新規事業の取組み
同社は2018年2月27日付リリースで、高感度の半導体ひずみセンサーを活用した新規事業を2018年4月より開始することを発表した。弊社では、この新規事業が同社の思惑通りに展開すれば、同社を取り巻く光景は一変する可能性があり、極めて注目度の高い取り組みだと考えている。
同社がやろうとしていることは、日立製作所が開発した半導体ひずみセンサーについて、同社がそれを搭載したセンサーモジュールの製造・販売を行おうというものだ。半導体ひずみセンサー自体の製造技術は確立されており、これについては、同社は日立から事業を受け継ぐとともに、技術提供や性能品質面の支援も含め協力を得ながら事業の推進を図っていく。今後の同社の取り組みは、半導体ひずみセンサーを搭載したセンサーモジュールの仕様の決定と量産技術の確立ということになる。
同社の半導体ひずみセンサーの特長は、超小型(2.5mm角)で、高精度(1kmの物体が1mm伸縮するひずみ量を計測)ということだ。特にサイズについては2.5mm角の中にセンサー素子、制御回路、アンプ回路、A/Dコンバーターが集積されている。現状、これと同様のものは大型辞書や百科事典並みのサイズがあり、差は歴然としている。性能的には、物理変化に応じたモジュール形状を使うことで、加重、圧力、トルク、張力、せん断力、低周波振動など幅広い物理的変化を計測可能となっている。また、この半導体ひずみセンサーは、高温高湿度の環境下で、低消費電力による長期間の稼働も可能となっている。こうした高性能が評価されて、日本政府が主宰する第7回「ものづくり日本大賞」(2018年1月15日発表)において内閣総理大臣賞を受賞した。機械、医療、建築分野などをIoT化できる技術として期待が高まっている。
ビジネスとしてのポイントは、半導体ひずみセンサーをチップとして販売するのではなく、センサーモジュールを製造して販売する点にある。同社が獲得できる付加価値を最大化して収益拡大に繋げる狙いだ。同社自身は商社であるため、実際の生産については外部に発注する、いわゆるファブレスという形となるが、同社はメーカーとして機能することになる。
上記のような性能に鑑みると、同社のセンサーモジュールの潜在的マーケットは非常に広範囲にわたると考えられる。同社自身はすべての需要を取り込む意図はなく、また現実的に不可能だと言える。同社としては、規模が大きく、高い採算性を期待できる市場を対象にセンサーモジュール製品の開発を進めていくものと弊社では推測している。
事業のスケジュールについて、同社は新規事業の開始を2018年4月と発表しているが、2019年3月期中はセンサーモジュールの仕様の決定や、委託生産するパートナー企業の選定も含んだ量産技術の確立に注力し、製品の出荷はサンプル出荷程度にとどまるもようだ。本格的な量産出荷の開始は来る2020年3月期下期中というのが現状の見通しとなっている。売上高予想については、単価はもちろんターゲットとする市場も明らかになっていないため、現状は推測もできない。同社が強調するのは、高い利益率を狙うということだ。自社でモジュール化まで手掛けることや、高性能を十分に生かせる市場だけを狙うとしていることも、採算性を念頭に置いたものと言える。
具体的な粗利益率をどの程度に設定しているかは明らかにされていないが、商社ビジネスを展開する現在の同社の粗利益率が約10%であり、センサーモジュールにおいてはメーカーとしての立場で臨むことを考慮すれば、製造業に一般的な30%前後の売上総利益率を視野に入れているのではないかと弊社では推測している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<SF>
6. IoT/ADAS技術の取組みとワンストップソリューションの強化の進捗状況
ワンストップソリューションの強化はルネサスイーストン<9995>にとって今後数年間の最重要課題だという従来からの見方にまったく変更はない。取扱商材の単品販売では年々高度化する顧客ニーズに応えられないということが理由の1つだ。また単品販売では同社の付加価値を発揮できないため事業の売上総利益率の上昇に限界があるということもある。他にも、売上高1,000億円の大台突破など同社が課題や目標と認識する様々なものを克服していく上で、ワンストップソリューションの強化は必要不可欠だ。
同社はルネサスエレクトロニクス製品を筆頭に日立グループ製品やCSB製品など多数の商材を取扱っているだけでなく、セキュリティを含めたソフトウェア技術や、新技術や新潮流に関する情報なども保有している。これらを顧客ニーズに合わせて組み合わせてモジュール化、システム化することが、売上拡大と付加価値創造による高収益実現へとつながると期待される。
2018年3月期における進展としてはSIer(システムインテグレーター)の機能を充実させたことが挙げられる。パートナー企業の持つ先端技術・先端製品と同社が有するノウハウを結合させるワンストップソリューションの取り組みにおいて、社外のシステムインテグレーターを活用することがよりスピードアップにつながるとの判断がこうした動きにつながったとみられる。
直近の注目すべき進捗としては、やはりセンサーモジュール事業の開始が挙げられるだろう。センサー類は同社の技術及び製品の要素の中で重要な位置を占める。センサーモジュールの製造販売にチャレンジすることは、同社のワンストップソリューションの力を一段とアピールすることにつながるものと弊社では期待している。
半導体ひずみセンサーを活用し、センサーモジュールも製造販売事業に進出。メーカー機能へ挑戦し、高収益事業実現を目指す
7. 半導体ひずみセンサーを活用した新規事業の取組み
同社は2018年2月27日付リリースで、高感度の半導体ひずみセンサーを活用した新規事業を2018年4月より開始することを発表した。弊社では、この新規事業が同社の思惑通りに展開すれば、同社を取り巻く光景は一変する可能性があり、極めて注目度の高い取り組みだと考えている。
同社がやろうとしていることは、日立製作所が開発した半導体ひずみセンサーについて、同社がそれを搭載したセンサーモジュールの製造・販売を行おうというものだ。半導体ひずみセンサー自体の製造技術は確立されており、これについては、同社は日立から事業を受け継ぐとともに、技術提供や性能品質面の支援も含め協力を得ながら事業の推進を図っていく。今後の同社の取り組みは、半導体ひずみセンサーを搭載したセンサーモジュールの仕様の決定と量産技術の確立ということになる。
同社の半導体ひずみセンサーの特長は、超小型(2.5mm角)で、高精度(1kmの物体が1mm伸縮するひずみ量を計測)ということだ。特にサイズについては2.5mm角の中にセンサー素子、制御回路、アンプ回路、A/Dコンバーターが集積されている。現状、これと同様のものは大型辞書や百科事典並みのサイズがあり、差は歴然としている。性能的には、物理変化に応じたモジュール形状を使うことで、加重、圧力、トルク、張力、せん断力、低周波振動など幅広い物理的変化を計測可能となっている。また、この半導体ひずみセンサーは、高温高湿度の環境下で、低消費電力による長期間の稼働も可能となっている。こうした高性能が評価されて、日本政府が主宰する第7回「ものづくり日本大賞」(2018年1月15日発表)において内閣総理大臣賞を受賞した。機械、医療、建築分野などをIoT化できる技術として期待が高まっている。
ビジネスとしてのポイントは、半導体ひずみセンサーをチップとして販売するのではなく、センサーモジュールを製造して販売する点にある。同社が獲得できる付加価値を最大化して収益拡大に繋げる狙いだ。同社自身は商社であるため、実際の生産については外部に発注する、いわゆるファブレスという形となるが、同社はメーカーとして機能することになる。
上記のような性能に鑑みると、同社のセンサーモジュールの潜在的マーケットは非常に広範囲にわたると考えられる。同社自身はすべての需要を取り込む意図はなく、また現実的に不可能だと言える。同社としては、規模が大きく、高い採算性を期待できる市場を対象にセンサーモジュール製品の開発を進めていくものと弊社では推測している。
事業のスケジュールについて、同社は新規事業の開始を2018年4月と発表しているが、2019年3月期中はセンサーモジュールの仕様の決定や、委託生産するパートナー企業の選定も含んだ量産技術の確立に注力し、製品の出荷はサンプル出荷程度にとどまるもようだ。本格的な量産出荷の開始は来る2020年3月期下期中というのが現状の見通しとなっている。売上高予想については、単価はもちろんターゲットとする市場も明らかになっていないため、現状は推測もできない。同社が強調するのは、高い利益率を狙うということだ。自社でモジュール化まで手掛けることや、高性能を十分に生かせる市場だけを狙うとしていることも、採算性を念頭に置いたものと言える。
具体的な粗利益率をどの程度に設定しているかは明らかにされていないが、商社ビジネスを展開する現在の同社の粗利益率が約10%であり、センサーモジュールにおいてはメーカーとしての立場で臨むことを考慮すれば、製造業に一般的な30%前後の売上総利益率を視野に入れているのではないかと弊社では推測している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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