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ナックのニュース
■会社概要
1. 会社概要と沿革
プレミアムウォーターホールディングス<2588>は、ウォーターサーバーを設置した家庭や事業所に自社製造のミネラルウォーターを届ける宅配水業界の大手企業である。同社は、天然水製造が強みのウォーターダイレクトと営業力が強みのエフエルシーが経営統合して誕生した。ウォーターダイレクトは創業当初からSPA型※の経営を志向しており、ウォーターサーバーの自社設計から、製造、販売、顧客へのアフターサービスまでを自社で完結させることで顧客ニーズを迅速に把握し、商品開発や販売方法に生かす戦略を採ってきた。2007年に家電量販店の(株)ヨドバシカメラでデモンストレーション販売を開始したのを皮切りに、全国的に大手小売店でのデモンストレーション販売を展開し顧客件数も順調に拡大してきた。2013年に東証マザーズ上場、2014年には東証2部に昇格した。2016年7月に同じ光通信<9435>のグループであるエフエルシーと経営統合し、プレミアムウォーターホールディングスとして再スタートを切った。新会社を率いるのは、エフエルシーを起業しプロモーション営業で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ萩尾陽平社長である。天然水製造に強みを持つウォーターダイレクトと営業力に強みを持つエフエルシーが統合することで、宅配水業界のなかでも高い成長力を持つ企業となった。2022年3月期は売上収益68,452百万円となり、同社によると宅配水市場売上シェアは35.5%となり、宅配水業界で首位である。同社は2016年の経営統合以降、増収率が6期連続20%を超え、継続した成長力に特長がある。2022年4月の東証再編においては、スタンダード市場に移行した。
※SPA型:商品企画から製造、販売までを垂直統合させることでSCMの無駄を省き、消費者ニーズに迅速に対応できるビジネスモデルのことで「Speciality store retailer of Private label Apparel」の頭文字をとった造語。
宅配水市場の成長の原動力。市場シェア30%を超え同業他社を引き離す存在
2. 成長する宅配水市場
宅配水とは、サーバーとセットで供給されるミネラルウォーターで家庭や事業所などに宅配されるものを指す。2000年以降に普及が開始し、東日本大震災などの影響も追い風となり2012年頃までに急成長を遂げた。その後成長が鈍化した時期もあるが2015年以降成長軌道が回復し、2021年の市場規模は181,600百万円、2016年から2021年の5年間の年平均成長率は5.3%である。近年では2020年に新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響で宅配水の需要が増え、前年比5.4%と高い成長を記録した。配送方式別に見ると、2000年代にリターナブル方式(容器を再利用する)で市場が形成され、2010年代からは1WAY方式(使い切り容器)がより成長してきた。2021年の市場規模はリターナブルで69,000百万円(前年比1,890百万円減)、1WAYで112,600百万円(前年比11,230百万円増)と1WAYの伸びが大きい。同社は1WAY方式を採用しており、1WAY市場の成長をけん引する存在だ。宅配水業界の同業他社としては、リターナブル方式を主とするナック<9788>のクリクラ事業、アクアクララ(株)、1WAY方式を採用する富士山の銘水(株)がある。1WAY方式が伸びている背景としては、使い切りボトルであるため衛生面で安心であるのに加え、回収の必要がないため顧客や物流事業者の負担も軽減でき、より利便性が高いことが挙げられる。
3. 市場シェアの推移
宅配水市場には多数のプレーヤーが参入している。同社のような宅配水専業、ガス会社系、レンタル・クリーン・オフィスサービス系、飲料メーカー系など様々である。同社は2016年時点(統合直後)では宅配水市場シェア11.8%で業界3位としていたが、3年後の2019年には24.2%と躍進し2位以下を引き離す存在となったと言う。直近の2021年には、宅配水市場シェアは30%を超えたとしている。これは、同社が顧客を純増させ続けた結果であり、商品力、ブランド力、営業力、顧客満足を獲得するサービス力などの総合力で優位性が証明された形である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<EY>
1. 会社概要と沿革
プレミアムウォーターホールディングス<2588>は、ウォーターサーバーを設置した家庭や事業所に自社製造のミネラルウォーターを届ける宅配水業界の大手企業である。同社は、天然水製造が強みのウォーターダイレクトと営業力が強みのエフエルシーが経営統合して誕生した。ウォーターダイレクトは創業当初からSPA型※の経営を志向しており、ウォーターサーバーの自社設計から、製造、販売、顧客へのアフターサービスまでを自社で完結させることで顧客ニーズを迅速に把握し、商品開発や販売方法に生かす戦略を採ってきた。2007年に家電量販店の(株)ヨドバシカメラでデモンストレーション販売を開始したのを皮切りに、全国的に大手小売店でのデモンストレーション販売を展開し顧客件数も順調に拡大してきた。2013年に東証マザーズ上場、2014年には東証2部に昇格した。2016年7月に同じ光通信<9435>のグループであるエフエルシーと経営統合し、プレミアムウォーターホールディングスとして再スタートを切った。新会社を率いるのは、エフエルシーを起業しプロモーション営業で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ萩尾陽平社長である。天然水製造に強みを持つウォーターダイレクトと営業力に強みを持つエフエルシーが統合することで、宅配水業界のなかでも高い成長力を持つ企業となった。2022年3月期は売上収益68,452百万円となり、同社によると宅配水市場売上シェアは35.5%となり、宅配水業界で首位である。同社は2016年の経営統合以降、増収率が6期連続20%を超え、継続した成長力に特長がある。2022年4月の東証再編においては、スタンダード市場に移行した。
※SPA型:商品企画から製造、販売までを垂直統合させることでSCMの無駄を省き、消費者ニーズに迅速に対応できるビジネスモデルのことで「Speciality store retailer of Private label Apparel」の頭文字をとった造語。
宅配水市場の成長の原動力。市場シェア30%を超え同業他社を引き離す存在
2. 成長する宅配水市場
宅配水とは、サーバーとセットで供給されるミネラルウォーターで家庭や事業所などに宅配されるものを指す。2000年以降に普及が開始し、東日本大震災などの影響も追い風となり2012年頃までに急成長を遂げた。その後成長が鈍化した時期もあるが2015年以降成長軌道が回復し、2021年の市場規模は181,600百万円、2016年から2021年の5年間の年平均成長率は5.3%である。近年では2020年に新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響で宅配水の需要が増え、前年比5.4%と高い成長を記録した。配送方式別に見ると、2000年代にリターナブル方式(容器を再利用する)で市場が形成され、2010年代からは1WAY方式(使い切り容器)がより成長してきた。2021年の市場規模はリターナブルで69,000百万円(前年比1,890百万円減)、1WAYで112,600百万円(前年比11,230百万円増)と1WAYの伸びが大きい。同社は1WAY方式を採用しており、1WAY市場の成長をけん引する存在だ。宅配水業界の同業他社としては、リターナブル方式を主とするナック<9788>のクリクラ事業、アクアクララ(株)、1WAY方式を採用する富士山の銘水(株)がある。1WAY方式が伸びている背景としては、使い切りボトルであるため衛生面で安心であるのに加え、回収の必要がないため顧客や物流事業者の負担も軽減でき、より利便性が高いことが挙げられる。
3. 市場シェアの推移
宅配水市場には多数のプレーヤーが参入している。同社のような宅配水専業、ガス会社系、レンタル・クリーン・オフィスサービス系、飲料メーカー系など様々である。同社は2016年時点(統合直後)では宅配水市場シェア11.8%で業界3位としていたが、3年後の2019年には24.2%と躍進し2位以下を引き離す存在となったと言う。直近の2021年には、宅配水市場シェアは30%を超えたとしている。これは、同社が顧客を純増させ続けた結果であり、商品力、ブランド力、営業力、顧客満足を獲得するサービス力などの総合力で優位性が証明された形である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<EY>
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