ナック、今期最終を一転84％減益に下方修正、配当も27円減額

　ナック <9788> が3月24日大引け後(16:00)に業績・配当修正を発表。20年3月期の連結最終利益を従来予想の10億円→1.3億円(前期は7.9億円)に87.0％下方修正し、一転して83.7％減益見通しとなった。

　会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の連結最終利益も従来予想の17億円→8.3億円(前年同期は17.9億円)に51.2％減額し、減益率が5.4％減→53.8％減に拡大する計算になる。

　業績悪化に伴い、従来27円を計画していた下期配当は見送る方針とした。年間配当は9円(前期は34円)となる。

株探ニュース

会社側からの【修正の理由】
　業績予想修正の理由と特別損失の計上等の内容１．連結業績について　売上高は、前回発表から12,200百万円、12.2％減少の88,000百万円となる予定です。これは住宅事業と美容・健康事業において計画を下回ったことによります。住宅事業の中核子会社であるレオハウスにおいては、期中の受注数が伸び悩んだことに加え、新型コロナウイルスの影響で住宅設備の納品が滞ったことで引渡の遅れが発生し、売上高が計画を下回る見込みです。美容・健康事業においては、子会社のＪＩＭＯＳで化粧品通販の自社ECサイトのサーバーへの不正アクセスが発覚し、2019年８月より12月までECサイトを停止、新規取扱や定期購入を一時的に停止したため、売上高が計画比減少する見込みとなりました。　なお、新型コロナウイルスの影響につきまして、建築コンサルティング事業のノウハウ商品販売部門においても、セミナーを入り口にした営業活動を展開しているため、セミナーの参加者数や開催数が減少したことに伴い売上高が計画比減少する見込みです。また、同事業の建築部資材販売部門において商材の納品が遅れており、売上高の減少が見込まれております。一方で、クリクラ事業とレンタ ル事業においては除菌関連商品の販売が大幅に伸長しておりますが、上記を補填するには至りませんでした。　親会社株主に帰属する当期純利益は前回発表から870百万円、87.0％減少の130百万円となる予定です。これは売上高の減少に起因した営業利益の400百万円の下振れに加え、以下の特別損失650百万円を計上することによります。・レオハウス不採算店舗の減損損失等　370百万円・上記を除く子会社における減損損失　115百万円・その他特別損失　165百万円２．個別業績　経常利益は、前回発表から900百万円、47.4％増加の2,800百万円となる予定です。これは、クリクラ事業・レンタル事業において人件費と販売促進費を中心とした販売費及び一般管理費を削減したことによります。　当期純利益は、前回発表から710百万円、49.0％減少の740百万円となる予定です。これは、経常利益の増加があったものの、以下の特別損失1,394百万円を計上することによります。・関係会社株式評価損　1,390百万円・その他特別損失　４百万円

　配当予想修正の理由　当社は、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、積極的かつ、長期にわたり継続的・安定的に利益還元を行うことを配当政策の基本方針として、具体的数字基準を「連結純資産配当率４%」、ただし「配当性向100%以内」としております。　しかしながら、本日発表の上記業績予想の修正に伴い連結純資産額が予想を下回る見込みとなった状況を鑑み、2020年３月期の期末配当につきましては、無配とさせていただく可能性があるため配当予想を修正いたしました。この場合、年間配当金は９円となります。なお、新型コロナウイルスの影響などが確定し、期末配当金に変動がある場合は、判明次第公表させていただきます。役員報酬自主返納の内容　業績予想の修正及び配当予想の修正により、社外取締役と社外監査役を除く、当社取締役会長の寺岡 豊彦、代表取締役社長の吉村 寛、取締役である川上 裕也、小磯 雄一郎、脇本 和好及び監査役の遠藤 彰子の６名は、2020 年３月期の役員報酬１ヶ月分を自主返納いたします。