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NSWのニュース
*15:31JST NSW Research Memo(1):2023年3月期業績は過去最高業績を更新
■要約
NSW<9739>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場する独立系ITソリューションプロバイダで、技術者が従業員の9割近くを占めるエンジニア集団である。各事業の強化・拡大を図るとともに、今後の事業展開を見据え、2023年3月期より事業区分をエンタープライズソリューション、サービスソリューション、エンベデッドソリューション、デバイスソリューションの4セグメントに変更した。各事業のシナジーを活かしたIoT※1やAIをはじめとしたデジタル技術を軸に、DX※2の実現による顧客価値の共創に取り組む。なお、新たなステージへの飛躍を期し、2022年8月3日に日本システムウエア株式会社から商号変更した。
※1 Internet of Thingsの略。家電製品やセンサーなど様々なモノをネットワークに接続し、情報収集だけでなく遠隔監視や制御を行い、商品開発やマーケティングに活用すること。
※2 Digital Transformationの略でデジタル変革のこと。企業が新たなデジタル技術を活用してビジネスモデルを創出し、ビジネスプロセスを変えていく事業変革の取り組み。
1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の連結業績は、売上高46,188百万円(前期比6.3%増)、営業利益5,387百万円(同9.5%増)となり、過去最高業績を更新し、11期連続の増収増益を記録した。期初計画比では売上高で2.6%、営業利益で7.8%それぞれ上回って着地した。大きな不採算案件もなく、営業利益率は11.7%(同0.3ポイント上昇)と、さらに改善した。また、今後の売上増につながる受注残高は、17,645百万円(同17.2%増)と高い伸びを確保している。セグメント別では、エンタープライズソリューションでは前期の補助金案件の反動から小幅減収ながら、収益性の高い案件の貢献から増益となった。サービスソリューションはクラウド及びデータマネジメント分野の好調により増収であったが、不採算案件の影響から減益となった。エンベデッドソリューションではオートモーティブをはじめとする各分野が、またデバイスソリューションでは半導体設計分野が好調に推移し、ともに大幅な増収増益を確保した。以上から、自己資本比率は73.5%(前期末比1.4ポイント上昇)と、2022年3月期の東証1部上場の情報・通信業平均を大きく上回り、引き続き極めて高い財務の健全性を維持している。また、ROE14.5%(同0.7ポイント上昇)、ROA14.0%(同0.4ポイント低下)も業界平均を上回り、極めて高い収益性であると評価できる。好業績を反映して、1株当たり配当金は、期初計画を上回る前期比5円増額の55円とし、株主還元にも十分に配慮していると言えよう。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の連結業績については、売上高48,500百万円(前期比5.0%増)、営業利益5,600百万円(同3.9%増)を計画し、売上高・営業利益は12期連続となる増収増益を予想する。2023年3月期実績の伸び率に比べて慎重な計画であるが、経営環境の不透明さや人件費の増加を織り込んでいるためだ。セグメント別では、エンタープライズソリューションは、前期の減収を取り戻す一方、これまでの高い利益率維持は困難とみて減益を見込む。サービスソリューションは、売上は堅調で、前期の不採算案件による影響を取り戻すことで大幅増益を計画する。エンベデッドソリューション及びデバイスソリューションは、半導体市場の動向次第では前期並みの増収は難しいと見て、また利益率も低下を想定して、ともに小幅の増収増益を計画する。以上から、1株当たり配当金については、前期と同額の年間配当55円を予定している。同社は従来より保守的な期初予想を発表する傾向が強いことから、計画を達成する可能性が高いと弊社では見ている。
3. 中期経営計画
中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)では、「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立~技術と知によりお客様とビジネスを共創するSIer※への進化~」を基本方針とし、「DX FIRST」と「共創」をコンセプトに、「DX実現による顧客価値の追求」、「選択と集中による収益力強化」、「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に掲げている。また、売上高50,000百万円(年平均成長率4.8%増)、営業利益率11%などを業績目標としている。新たにスタートした4セグメント制の事業方針と「DX FIRST」に向けた取り組みを推進することで、増収増益を達成する計画である。1年目の2023年3月期決算、2年目の2024年3月期業績予想の増収率・利益率は業績目標を上回るペースであり、順調に推移している。また、サステナビリティへの取り組みも重視する。今後の中期経営計画の進捗状況に注目したい。
※SIはSystem Integrationの略、SIer(エスアイヤー)はクライアントのシステム開発や運用などを請け負うサービス事業者のこと。
■Key Points
・今後の事業展開を見据えて2023年3月期より事業推進体制を4セグメントに変更したほか、新たなステージへの飛躍を期して商号をNSWに変更
・2023年3月期業績は増収増益で期初計画を達成し、過去最高業績を更新。増配を実施し、株主還元にも前向き
・2024年3月期は小幅の増収増益で、利益率の低下を予想するものの、業績予想は保守的な傾向
・中期経営計画では「DX実現による顧客価値の追求」、「選択と集中による収益力強化」、「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に、2025年3月期に売上高50,000百万円、営業利益率11%を目指す。1年目実績、2年目予想ともに増収率・利益率は業績目標を上回るペースで、順調に推移
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<SI>
NSW<9739>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場する独立系ITソリューションプロバイダで、技術者が従業員の9割近くを占めるエンジニア集団である。各事業の強化・拡大を図るとともに、今後の事業展開を見据え、2023年3月期より事業区分をエンタープライズソリューション、サービスソリューション、エンベデッドソリューション、デバイスソリューションの4セグメントに変更した。各事業のシナジーを活かしたIoT※1やAIをはじめとしたデジタル技術を軸に、DX※2の実現による顧客価値の共創に取り組む。なお、新たなステージへの飛躍を期し、2022年8月3日に日本システムウエア株式会社から商号変更した。
※1 Internet of Thingsの略。家電製品やセンサーなど様々なモノをネットワークに接続し、情報収集だけでなく遠隔監視や制御を行い、商品開発やマーケティングに活用すること。
※2 Digital Transformationの略でデジタル変革のこと。企業が新たなデジタル技術を活用してビジネスモデルを創出し、ビジネスプロセスを変えていく事業変革の取り組み。
1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の連結業績は、売上高46,188百万円(前期比6.3%増)、営業利益5,387百万円(同9.5%増)となり、過去最高業績を更新し、11期連続の増収増益を記録した。期初計画比では売上高で2.6%、営業利益で7.8%それぞれ上回って着地した。大きな不採算案件もなく、営業利益率は11.7%(同0.3ポイント上昇)と、さらに改善した。また、今後の売上増につながる受注残高は、17,645百万円(同17.2%増)と高い伸びを確保している。セグメント別では、エンタープライズソリューションでは前期の補助金案件の反動から小幅減収ながら、収益性の高い案件の貢献から増益となった。サービスソリューションはクラウド及びデータマネジメント分野の好調により増収であったが、不採算案件の影響から減益となった。エンベデッドソリューションではオートモーティブをはじめとする各分野が、またデバイスソリューションでは半導体設計分野が好調に推移し、ともに大幅な増収増益を確保した。以上から、自己資本比率は73.5%(前期末比1.4ポイント上昇)と、2022年3月期の東証1部上場の情報・通信業平均を大きく上回り、引き続き極めて高い財務の健全性を維持している。また、ROE14.5%(同0.7ポイント上昇)、ROA14.0%(同0.4ポイント低下)も業界平均を上回り、極めて高い収益性であると評価できる。好業績を反映して、1株当たり配当金は、期初計画を上回る前期比5円増額の55円とし、株主還元にも十分に配慮していると言えよう。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の連結業績については、売上高48,500百万円(前期比5.0%増)、営業利益5,600百万円(同3.9%増)を計画し、売上高・営業利益は12期連続となる増収増益を予想する。2023年3月期実績の伸び率に比べて慎重な計画であるが、経営環境の不透明さや人件費の増加を織り込んでいるためだ。セグメント別では、エンタープライズソリューションは、前期の減収を取り戻す一方、これまでの高い利益率維持は困難とみて減益を見込む。サービスソリューションは、売上は堅調で、前期の不採算案件による影響を取り戻すことで大幅増益を計画する。エンベデッドソリューション及びデバイスソリューションは、半導体市場の動向次第では前期並みの増収は難しいと見て、また利益率も低下を想定して、ともに小幅の増収増益を計画する。以上から、1株当たり配当金については、前期と同額の年間配当55円を予定している。同社は従来より保守的な期初予想を発表する傾向が強いことから、計画を達成する可能性が高いと弊社では見ている。
3. 中期経営計画
中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)では、「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立~技術と知によりお客様とビジネスを共創するSIer※への進化~」を基本方針とし、「DX FIRST」と「共創」をコンセプトに、「DX実現による顧客価値の追求」、「選択と集中による収益力強化」、「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に掲げている。また、売上高50,000百万円(年平均成長率4.8%増)、営業利益率11%などを業績目標としている。新たにスタートした4セグメント制の事業方針と「DX FIRST」に向けた取り組みを推進することで、増収増益を達成する計画である。1年目の2023年3月期決算、2年目の2024年3月期業績予想の増収率・利益率は業績目標を上回るペースであり、順調に推移している。また、サステナビリティへの取り組みも重視する。今後の中期経営計画の進捗状況に注目したい。
※SIはSystem Integrationの略、SIer(エスアイヤー)はクライアントのシステム開発や運用などを請け負うサービス事業者のこと。
■Key Points
・今後の事業展開を見据えて2023年3月期より事業推進体制を4セグメントに変更したほか、新たなステージへの飛躍を期して商号をNSWに変更
・2023年3月期業績は増収増益で期初計画を達成し、過去最高業績を更新。増配を実施し、株主還元にも前向き
・2024年3月期は小幅の増収増益で、利益率の低下を予想するものの、業績予想は保守的な傾向
・中期経営計画では「DX実現による顧客価値の追求」、「選択と集中による収益力強化」、「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に、2025年3月期に売上高50,000百万円、営業利益率11%を目指す。1年目実績、2年目予想ともに増収率・利益率は業績目標を上回るペースで、順調に推移
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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