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■中長期の成長戦略
2. 中期経営計画最終年度の重点施策
日本システムウエア<9739>では、中期経営計画の最終年度にあたり、セグメント別の重点施策として以下のように計画している。
(1) ITソリューションセグメント
ITソリューションセグメントのうち、流通業分野では省人化や非接触ニーズに対応したフル/セミセルフレジや電子棚札ソリューションの展開、製造業分野ではERP(企業が有する経営資源を一元管理し、リアルタイムで経営判断に役立てるシステム)の拡販及びPLM・PDM(製品や設計に関するデータを一元管理する製品情報管理システム)導入コンサルティングの推進、金融・保険業分野ではレガシーシステムのモダナイゼーションやマイグレーションに対応するほか、官公庁のデジタル・ガバメント案件への参画などを計画する。
電子棚札とは、店頭の棚にある価格表示の更新を自動化するソリューションである。大手企業で導入が始まったところで、これからの市場拡大が期待されるコンテンツである。同社では、POSシステムやオンラインショッピングと連携させることで、顧客の店舗運営の大幅な省人化・自動化・効率化を支援する。顧客にとっては、値札貼り替え作業の大幅軽減、即時の価格変更が可能、貼り間違いなどのオペレーションミス削減、人手不足への対応などの効果が期待されている。
また、デジタル・ガバメントとは、官民協働を軸として、デジタル技術を活用しながら行政サービスの見直しを行い、行政の在り方そのものを変革することである。少子高齢化や生産年齢人口の減少といった国の課題に対処すべく、政府が注力している取り組みの1つである。2021年秋までには、各省庁のデジタル化推進の司令塔として、デジタル庁の設置が計画されている。
こうした施策を実行することで、流通業や製造業向けを重点的に伸ばし、2022年3月期の売上高14,200百万円(前期比7.6%増)、営業利益1,400百万円(同7.8%増)、営業利益率9.9%(同0.1ポイント上昇)を目標としている。
(2) サービスソリューションセグメント
サービスソリューションセグメントは、戦略分野のDX推進の中心となるセグメントである。2022年3月期はDX関連ビジネスをさらに加速するため、技術提供部門を再編している。特に急速に進展している企業内のデータ利活用の分野での市場開拓を目指しており、顧客のバリューチェーンを含む様々なデータを接続することで、新しい価値の提供を図る。また、それを実現するためのプラットフォームをクラウド上に構築し、アプリ開発やインフラ構築などのサービスも強化することで、ビジネス全体を拡大する計画だ。
DXソリューションの展開としては、同社が2019年8月に米国RealWearと販売代理店契約を締結し、一次代理店であるプラチナパートナーとして販売を開始した、産業用スマートグラス「RealWear」がある。「RealWear」は、目元の小型モニタにマニュアルやカメラ映像が表示されるほか音声認識機能を備えており、音声操作で完全ハンズフリーを実現していることに加え、顧客に合わせたアプリケーションも提供できる。同社のDC(データセンター)では、以前からリモート運用・監視サービスを実用化しているが、コロナ禍においても「RealWear」を活用し、同社が遠隔の顧客から指示を受けてスタッフが作業代行する遠隔作業支援サービスやAIによる運用自動化サービスなどをメニューに追加した。このような自社DCにおけるDX活用の実績をもとに、顧客のシステム運用業務のDX提案も積極的に行っている。
こうした取り組みによって、2022年3月期の売上高11,300百万円(前期比8.9%増)、営業利益650百万円(同15.2%増)、営業利益率5.8%(同0.4ポイント上昇)を目標としている。
(3) プロダクトソリューションセグメント
2022年3月期は、組込み開発及びデバイス開発の両分野での5G/ローカル5G技術の展開が注力ポイントとなる。特に、通信分野での5G/6Gへの対応や、工場や農業分野の設備機器をターゲットとしたローカル5Gを推進する。オートモーティブ分野では、自動運転などへの適用が可能なCASE領域への展開を、モバイル分野ではMaaS(Mobility as a Service)の推進を目指す。デバイス開発事業は、国内外のパートナーとの連携・協業を進め、最新技術へのキャッチアップを推進することにより事業領域の拡大を目指す。
こうした施策を実行することで、2022年3月期の売上高16,500百万円(前期比5.1%増)、営業利益2,250百万円(同3.7%減)、営業利益率13.6%(同0.7ポイント低下)を目標としている。なお、2022年3月期では営業活動再開に伴う経費増を見込んでいることに加え、2021年3月期に利益率が高かったことを考慮し、慎重な計画を立てているようである。
(4) DX関連事業
同社では、中期経営計画の中核であるDX関連事業について、各企業で取り組みが進んでいるDXを「企業が新たなデジタル技術を活用してビジネスモデルを創出し、ビジネスプロセスを変えていく事業変革の取り組み」と捉えている。これまで培った業務ノウハウや技術力と、様々な実現手段を組み合わせることによって、「IoT、AIなど新たなデジタル技術を基盤に、DX実現を支援するソリューション及びサービス事業の提供」並びに「エッジコンピューティングなどDX関連の製品開発や技術開発に携わる事業」を同社におけるDX関連事業と定義し、顧客のビジネスモデル変革と業務プロセス変革に貢献していく方針である。
DX関連の取り組みについては、計画2年目となる2021年3月期は、製造業、建設業向けIoT・AI関連サービスの拡大や、産業用スマートグラス「RealWear」と既存ソリューションを融合した新たなサービス創出などに注力したが、上期はコロナ禍による案件の一時中断、検収の後ろ倒し等が発生したことにより売上げは伸び悩んだ。しかし、下期に入り徐々に経済活動が再開されるに伴い、通期では約40億円と、おおむね計画通りの規模に拡大した。最終年度の2022年3月期は、業種に特化したIoT・AI関連サービスの拡充及びローカル5G関連の強化によって拡大を加速し、100億円の売上げを計画している。
DXサービスの具体的な取り組みとしては、プロダクトソリューションでは移動体の位置情報を活用して機器や利用者の位置、状態を一元管理するMaaSプラットフォームを、ITソリューションでは既存ソリューションのセル生産支援システム「digicell」と産業用スマートグラス「RealWear」の連携などを推進する。また、同社のDX関連ビジネスを推進するサービスソリューションではDXパートナーの拡充として、各領域で専門性の高い技術力を有するパートナー企業との連携を強化し、顧客ニーズに最適なソリューションを提供することにより顧客のDXを実現する計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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2. 中期経営計画最終年度の重点施策
日本システムウエア<9739>では、中期経営計画の最終年度にあたり、セグメント別の重点施策として以下のように計画している。
(1) ITソリューションセグメント
ITソリューションセグメントのうち、流通業分野では省人化や非接触ニーズに対応したフル/セミセルフレジや電子棚札ソリューションの展開、製造業分野ではERP(企業が有する経営資源を一元管理し、リアルタイムで経営判断に役立てるシステム)の拡販及びPLM・PDM(製品や設計に関するデータを一元管理する製品情報管理システム)導入コンサルティングの推進、金融・保険業分野ではレガシーシステムのモダナイゼーションやマイグレーションに対応するほか、官公庁のデジタル・ガバメント案件への参画などを計画する。
電子棚札とは、店頭の棚にある価格表示の更新を自動化するソリューションである。大手企業で導入が始まったところで、これからの市場拡大が期待されるコンテンツである。同社では、POSシステムやオンラインショッピングと連携させることで、顧客の店舗運営の大幅な省人化・自動化・効率化を支援する。顧客にとっては、値札貼り替え作業の大幅軽減、即時の価格変更が可能、貼り間違いなどのオペレーションミス削減、人手不足への対応などの効果が期待されている。
また、デジタル・ガバメントとは、官民協働を軸として、デジタル技術を活用しながら行政サービスの見直しを行い、行政の在り方そのものを変革することである。少子高齢化や生産年齢人口の減少といった国の課題に対処すべく、政府が注力している取り組みの1つである。2021年秋までには、各省庁のデジタル化推進の司令塔として、デジタル庁の設置が計画されている。
こうした施策を実行することで、流通業や製造業向けを重点的に伸ばし、2022年3月期の売上高14,200百万円(前期比7.6%増)、営業利益1,400百万円(同7.8%増)、営業利益率9.9%(同0.1ポイント上昇)を目標としている。
(2) サービスソリューションセグメント
サービスソリューションセグメントは、戦略分野のDX推進の中心となるセグメントである。2022年3月期はDX関連ビジネスをさらに加速するため、技術提供部門を再編している。特に急速に進展している企業内のデータ利活用の分野での市場開拓を目指しており、顧客のバリューチェーンを含む様々なデータを接続することで、新しい価値の提供を図る。また、それを実現するためのプラットフォームをクラウド上に構築し、アプリ開発やインフラ構築などのサービスも強化することで、ビジネス全体を拡大する計画だ。
DXソリューションの展開としては、同社が2019年8月に米国RealWearと販売代理店契約を締結し、一次代理店であるプラチナパートナーとして販売を開始した、産業用スマートグラス「RealWear」がある。「RealWear」は、目元の小型モニタにマニュアルやカメラ映像が表示されるほか音声認識機能を備えており、音声操作で完全ハンズフリーを実現していることに加え、顧客に合わせたアプリケーションも提供できる。同社のDC(データセンター)では、以前からリモート運用・監視サービスを実用化しているが、コロナ禍においても「RealWear」を活用し、同社が遠隔の顧客から指示を受けてスタッフが作業代行する遠隔作業支援サービスやAIによる運用自動化サービスなどをメニューに追加した。このような自社DCにおけるDX活用の実績をもとに、顧客のシステム運用業務のDX提案も積極的に行っている。
こうした取り組みによって、2022年3月期の売上高11,300百万円(前期比8.9%増)、営業利益650百万円(同15.2%増)、営業利益率5.8%(同0.4ポイント上昇)を目標としている。
(3) プロダクトソリューションセグメント
2022年3月期は、組込み開発及びデバイス開発の両分野での5G/ローカル5G技術の展開が注力ポイントとなる。特に、通信分野での5G/6Gへの対応や、工場や農業分野の設備機器をターゲットとしたローカル5Gを推進する。オートモーティブ分野では、自動運転などへの適用が可能なCASE領域への展開を、モバイル分野ではMaaS(Mobility as a Service)の推進を目指す。デバイス開発事業は、国内外のパートナーとの連携・協業を進め、最新技術へのキャッチアップを推進することにより事業領域の拡大を目指す。
こうした施策を実行することで、2022年3月期の売上高16,500百万円(前期比5.1%増)、営業利益2,250百万円(同3.7%減)、営業利益率13.6%(同0.7ポイント低下)を目標としている。なお、2022年3月期では営業活動再開に伴う経費増を見込んでいることに加え、2021年3月期に利益率が高かったことを考慮し、慎重な計画を立てているようである。
(4) DX関連事業
同社では、中期経営計画の中核であるDX関連事業について、各企業で取り組みが進んでいるDXを「企業が新たなデジタル技術を活用してビジネスモデルを創出し、ビジネスプロセスを変えていく事業変革の取り組み」と捉えている。これまで培った業務ノウハウや技術力と、様々な実現手段を組み合わせることによって、「IoT、AIなど新たなデジタル技術を基盤に、DX実現を支援するソリューション及びサービス事業の提供」並びに「エッジコンピューティングなどDX関連の製品開発や技術開発に携わる事業」を同社におけるDX関連事業と定義し、顧客のビジネスモデル変革と業務プロセス変革に貢献していく方針である。
DX関連の取り組みについては、計画2年目となる2021年3月期は、製造業、建設業向けIoT・AI関連サービスの拡大や、産業用スマートグラス「RealWear」と既存ソリューションを融合した新たなサービス創出などに注力したが、上期はコロナ禍による案件の一時中断、検収の後ろ倒し等が発生したことにより売上げは伸び悩んだ。しかし、下期に入り徐々に経済活動が再開されるに伴い、通期では約40億円と、おおむね計画通りの規模に拡大した。最終年度の2022年3月期は、業種に特化したIoT・AI関連サービスの拡充及びローカル5G関連の強化によって拡大を加速し、100億円の売上げを計画している。
DXサービスの具体的な取り組みとしては、プロダクトソリューションでは移動体の位置情報を活用して機器や利用者の位置、状態を一元管理するMaaSプラットフォームを、ITソリューションでは既存ソリューションのセル生産支援システム「digicell」と産業用スマートグラス「RealWear」の連携などを推進する。また、同社のDX関連ビジネスを推進するサービスソリューションではDXパートナーの拡充として、各領域で専門性の高い技術力を有するパートナー企業との連携を強化し、顧客ニーズに最適なソリューションを提供することにより顧客のDXを実現する計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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