アイ・エス・ビーのニュース
アイ・エス・ビー、増収増益で計画を超過達成 通期業績予想を上方修正し、過去最高実績を上回る状況で推移
エグゼクティブサマリー
若尾一史氏:みなさま、本日はお忙しい中、株式会社アイ・エス・ビー2022年12月期第2四半期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。代表取締役社長の若尾一史でございます。
本日はスライドの3つを中心にご説明します。1つ目は決算概要です。昨年と比較して増収増益となり、計画を超過達成しました。2つ目は、中期経営計画で掲げた3つの重点戦略の取組みです。最後に、弊社グループの経営基盤・経営資源についてご説明します。
2022年12月期 第2四半期連結損益計算書
2022年12月期第2四半期の決算概要をご説明します。スライドは損益計算書で、中期経営計画の取組みの成果が業績に表れています。売上高は141億7,300万円で前期比110パーセント、営業利益は11億600万円で前期比108パーセントと増収増益となり、第2四半期の計画も超過達成しました。
例年では第2四半期は主要顧客のスタート期と重なり、受注量が落ち込む傾向にありましたが、好調なDX市場のもと、前期より始まった中期経営計画の施策が実を結び、計画を上回るペースで進捗しています。
連結損益の推移
連結損益の推移になります。グラフのとおり、売上高・利益ともに右肩上がりで成長しており、前期までで5期連続増収増益となりました。今期も過去最高の前期業績を更新する計画となっています。
連結売上高の増加要因
連結売上高の増加要因についてです。ビジネスインダストリーソリューションが大きく伸長し、牽引している状況です。4つの事業分野の詳細については、次ページからご説明します。
事業分野別売上高の推移
1つ目は、モビリティソリューションです。半導体不足の影響やスマートフォン端末の開発の縮小を見込み、当初は昨年実績並みの計画としていましたが、上期において前期比111パーセント、通期計画54パーセントの進捗となりました。
車載は主要顧客からの受注が順調に伸びました。技術営業であるFAEによる顧客ニーズに応える提案やプロジェクト管理については、今期よりプロセス改善推進室を設けて強化しました。高いレベルでの品質管理により、受注の拡大につながっています。
また、EV関連の新規顧客を獲得しました。下期も開発の引き合いが多く、引き続き安定した成長を見込んでいます。
5G関連は、主要顧客からの受注量が縮小となる一方で新規顧客からの案件を獲得し、モバイルインフラ全体では増収となりました。下期も引き続き、通信技術を活用した組込み案件へ提案を推進し、受注を拡大していきます。
移動無線端末、いわゆるスマートフォン端末の開発は、全体の市場が縮小する中で、現場営業の努力によりAndroid関連開発を継続受注できたことから前期並みを維持しました。下期も受注量を維持できるように、引き続き現場営業を進めていきます。
事業分野別売上高の推移
2つ目は、ビジネスインダストリーソリューションです。上期は既存顧客からの開発案件や新規顧客からの引き合いも多く、ソリューション提案が順調に増え、前期比120パーセント、通期計画47パーセントの進捗となりました。
業務システムは、企業のDX化推進のためのシステム刷新やワンストップで解決するソリューション提案を推進し、医療クラウド案件などを受注したほか、ソリューションパートナーと協業し、総合的な提案によりプライム案件を受注しました。
DX需要は今後も好調と予想していますので、下期もシステム刷新や医療DX市場の拡大を見込み、プライム案件の獲得に注力していきます。
組込み開発は、IoTクラウドのシステム開発や医用画像、AV機器、家電の組込み系システム開発を順調に受注しました。下期もクラウドを活用したIoT開発といった新たなニーズに対応し、受注の拡大に注力していきます。
事業分野別売上高の推移
3つ目は、エンタープライズソリューションです。上期は社会基盤向けのシステム開発が堅調で、前期比109パーセント、通期計画49パーセントの進捗となりました。
金融は主要顧客からシステム更改の案件を受注し、大幅に増員して拡大しました。また、新規顧客も獲得し、下期は長期的なパートナーシップが組めるように提案活動を推進します。
公共は昨年開拓した新規顧客メーカーからの受注が拡大したことと、官公庁の入札案件を落札し、順調に推移しています。下期は商流をさらに上流に上げるべく提案活動に注力し、収益力向上を進めていきます。
ITインフラは、ネットワークやサーバー構築において半導体や部品供給不足の影響を受け、構築作業が先送りされる状況となり縮小しましたが、クラウド系の案件や運用管理案件でカバーし、全体で受注増となりました。下期はクラウド系の開発へのシフトを推進し、受注に注力します。
事業分野別売上高の推移
4つ目は、プロダクトソリューションです。半導体や部品の供給状況に影響を受けやすい自社製品事業ですが、上期は減収計画のとおり前期比94パーセント、通期計画51パーセントの進捗となりました。
セキュリティシステム事業は、上期において半導体不足の影響を大きく受け、顧客に主力製品を充分に提供できない状況が続いています。一方で、潤沢な在庫の製品が主力製品に代わって売上を伸ばしたことで、全体では計画どおり推移しています。
また、後ほどご説明しますリカーリング製品も順調に成長しています。今後、主要なプロダクトとして事業を牽引するように取組んでいきます。下期も半導体不足の影響を受けない製品の販売を推進し、計画達成を目指します。
MDM事業は、この4月より新たな営業体制になり、販売からサービス提供・保守まで弊社で対応しています。営業体制を強化し、販売パートナーも増強したことにより、増収につながりました。下期もさらなる増収を狙っていきます。
連結営業利益の増減要因
連結営業利益の増減要因についてご説明します。エンジニアや営業社員を増やし、積極的に販売促進を進めた結果、前期並みの営業利益率を確保し、増収効果で利益を出しています。
2022年12月期第2四半期 連結貸借対照表
連結貸借対照表です。内部留保を積み上げ、自己資本比率68.5パーセントと健全な財務基盤を確保しています。
2022年12月期 連結業績・配当予想
今期の計画について、あらためてご説明します。すでに公表したとおり、通期業績予想については、上期に計画を超過した実績分を考慮し、上方修正しました。
具体的には、売上高を280億円から6億7,000万円増加の286億7,000万円、営業利益を20億7,000万円から2億1,000万円増加の22億8,000万円、経常利益を21億3,000万円から2億2,000万円増加の23億5,000万円、四半期純利益を12億4,000万円から1億6,000万円増加の14億円に修正しています。
また、配当金についても、配当性向30パーセントの方針に基づき、当初予想の33円から4円増額し、37円に修正しました。
先行きの不透明感があるものの、DX市場を取り巻く環境は引き続き好調なため、上期の計画超過実績分を通期予想に反映しています。修正した業績は、十分達成できると予想していますので、下期も事業拡大に邁進します。
アイ・エス・ビーグループ中期経営計画2023の概要
ここからは、中期経営計画の取組みについてご説明します。昨年を初年度としてスタートした中期経営計画2023は、売上高300億円、営業利益24億円を目指しており、現在は中間地点となっています。目標を達成するために掲げた、3つの重点戦略についてご説明します。
中期経営計画2023の進捗状況
1つ目は「顧客開拓、有望分野の拡大」です。初年度より営業改革を行い、ソリューション提案を進めており、FAEも増強し、新規顧客の開拓に向けて積極的に提案活動に取組んできました。また、有望分野の5G関連、車載、モビリティサービス、医療、業務サービスを対象に営業に注力し、取組みの成果が出ています。
2つ目は「ソリューション事業の創出」です。従来型の受託開発に加え、ワンストップで高付加価値を提供する提案により、プライム案件の獲得を目指してきました。こちらも好調なDX需要に応じて、他企業製品または他企業サービスと連携した高付加価値ソリューションの提供により、プライム案件を獲得しました。
3つ目は「グループ経営強化」です。現在、アイ・エス・ビーのほかに国内および海外のグループ会社が8社あり、それぞれの特徴を活かしたニアショアやオフショアのリモート開発を推進しています。各拠点の地域人材の活用、グループ全体の採用・教育の強化を図り、旺盛なシステム開発案件に対応すべく、リソースを盤石にするように進めています。
これら3つの重点戦略の具体的な取組みについて、次ページよりご説明します。
中期経営計画の取組み 【重点戦略1】顧客開拓、有望分野の拡大
1つ目の「顧客開拓、有望分野の拡大」について、有望分野の1つとして医療業界のDXニーズに対応した例を紹介します。
当プロジェクトは新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、規制が緩和されたオンライン診療をはじめとする医療業界のDXニーズの高まりに応え、それに関する課題をお持ちの医療法人向けに、患者、病院、薬局等、一気通貫する医療ITクラウドのコンサルティングを実施した新規案件の受注例です。
さまざまな課題に対し、一つひとつ解決に向けた取組みを実施し、医療法人のニーズに応えていく予定です。今後も医療クラウドやヘルスケア領域は拡大が見込まれるため、注力して営業体制の強化を図っていきます。
中期経営計画の取組み 【重点戦略2】ソリューション事業の創出
2つ目の「ソリューション事業の創出」について、ソリューションパートナーと協力し、最適な提案により受注に結び付いた例をご紹介します。
大手法人向けサービスサプライヤーに対し、弊社は総合的な提案として、ソリューションパートナーの有するパッケージを採り入れた最適なソリューションをさまざまな視点から提案し、新規顧客を開拓しました。
昨年からソリューション営業を強化し、パッケージベンダーなどのソリューションパートナーと協業し、総合的な提案を進めてきた結果です。このようにプライム案件を獲得し、収益力向上を進めていきます。
中期経営計画の取組み 【重点戦略2】ソリューション事業の創出
ソリューション事業のプラットフォームとなるプロダクトに関する、最近のプレスリリースをご紹介します。
1つ目は、4月から弊社に完全移管して生まれ変わった「VECTANT SDM」です。「Microsoft Teams」と連携し、利便性がさらに向上しました。
2つ目は、入退室管理システムの新製品「X-LINE」です。お持ちの「Suica」をそのままスマートキーとして使える画期的なシステムで、顔認証にも対応しています。
3つ目は、スマートキーの「ALLIGATE」です。NTT西日本様のオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」で採用されています。
これらのプロダクトは多くのお客さまにご利用いただき、確実に認知度が上がっています。
中期経営計画の取組み【重点戦略3】グループ経営強化
3つ目の重点戦略は「グループ経営強化」です。国内および海外のグループ会社間の連携により地域拠点の人材を有効に活用し、首都圏の開発業務をリモート開発するスキームでグループ全体の受注量を最適化しています。
弊社グループにとって最重要経営資源である人材への投資として、グループ全体で採用を強化しエンジニアを増やしてきました。教育面では、顧客ニーズに応えるエンジニアのスキル向上を重視しており、技術革命への取組みとして、車載、5G、クラウドなど、社員向けの充実した研修を実施しています。
また、弊社グループのテイクス社によるラーニングシステムをほかのグループ会社にも転用し、IT未経験者を早期にエンジニアとして育成することで人材確保を進めています。
リカーリング製品の収益
「事業分野別売上高の推移」でご紹介した、プロダクトソリューション事業の収益モデルのひとつであるリカーリング製品についてご説明します。
主力プロダクトであるモバイル端末管理の「VECTANT SDM」、建設キャリアアップシステムに対応した建設現場用カードリーダー、スマートキーの「ALLIGATE」の3製品は、毎月定額の利用料をいただくリカーリング製品です。
プロダクトソリューション事業は事業を本格化した年度から毎期30パーセント超の伸び率で着実に増収し、グループ全体の収益に貢献しています。今後もこれらのプロダクトは成長し、さらに貢献度が増していくと見込んでいます。
連結エンジニア数の推移
弊社グループのエンジニア数の推移をご説明します。先ほどご説明したとおり、人的資本への投資に取組んできた結果、中期経営計画開始前の2019年と比べて10パーセント以上の伸び率で着実にエンジニアを増やしています。今後も将来の事業価値を向上するため、エンジニア獲得へ向けた投資を積極的に行っていきます。
アイ・エス・ビーグループ成長の歩み
弊社グループ成長の軌跡、およびその原動力についてご説明します。スライドに記載のグラフは、創業から現在までの成長を表したものです。1970年の創業当初は、運用管理や保守業務でスタートしました。1990年には株式を店頭公開し、2015年には東京証券取引所市場第一部に上場、今年4月にプライム市場へ移行しました。
M&Aおよび子会社設立により事業を拡大し、子会社は8社、売上高は260億円以上、社員数は2,000人を超えるまでに成長しました。来期は売上高300億円を目標としています。
アイ・エス・ビーグループの事業分野
スライドの図のとおり、弊社グループは4つの事業分野でコアとなる技術力を持ち、魅力ある製品やサービスを提供することで社会の未来を切り開き、新たな価値を提供する企業集団です。
持続的成長のための取組み
弊社グループが目指す姿および社会課題への取組みをご説明します。スライドの図は、弊社グループが持続的に成長し、永続する企業となるための取組みのモデルです。永続する企業となるためには、顧客のニーズや期待に応える解決策を提案し、社会から求められる存在であり続ける必要があります。
プライム案件と定義する顧客提案から開発、運用、保守までをワンストップで受注することで、ソリューション事業の拡大を図り、DX需要に応えていきます。
サステナビリティ経営の推進
永続する企業を目指し、サステナビリティ経営に取組んでいきます。弊社グループの事業活動は、E、S、Gの3つの観点からスライドに記載の取組みを進めています。
アイ・エス・ビーグループ理念体系
スライドにあるのは、アイ・エス・ビーグループの社員が行動指針としているアイ・エス・ビーグループ理念体系です。
持続可能な企業としてお客さまに選ばれ、アイ・エス・ビーグループが社会に必要とされ続けるために、これまで培ってきた卓越した技術、および魅力ある製品やサービスで、心豊かに暮らす笑顔溢れる社会づくりに貢献していきます。そのために、私が先頭に立って夢を持ち、夢に挑戦します。
質疑応答:今期計画のさらなる上方修正の可能性について
「第2四半期の上方修正は、実質的に上期計画超過の実績のみ上乗せという堅実なものですが、今期の見通しとしてさらなる上方修正の可能性はあるのでしょうか?」とのご質問です。
まず下期に立てたこの第3四半期、第4四半期の計画をしっかり達成できるように取組み、その結果がさらなる上方修正につながっていくものだと思っています。
以上で、株式会社アイ・エス・ビー2022年12月期第2四半期決算説明会を終了します。今後とも変わらぬご支援をたまわりますよう、よろしくお願い申し上げます。
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