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イチネンホールディングスのニュース
■業績動向
1. 2019年3月期の業績概要
イチネンホールディングス<9619>の2019年3月期の業績は売上高が87,773百万円(前期比7.9%増)、営業利益が6,272百万円(同6.0%増)、経常利益が6,346百万円(同6.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が5,127百万円(同33.2%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益の伸び率が高くなっているのは、M&Aに伴う負ののれん発生益1,145百万円を特別利益として計上したことによる。セグメント別ではケミカル事業が減益となったが、それ以外の事業はおおむね好調に推移したことから、16期連続で営業増益を達成した。
(1) 自動車リース関連事業
サブセグメント別では、リース事業では、リース化が遅れている地方市場及び小口企業への拡販、既存顧客への取引深耕を積極的に進めたことなどから契約数は順調に拡大、期末の契約台数は82,151台(前期末比1,196台増)、リース契約高は33,631百万円(前期比6.2%増)、リース未経過契約残高は73,137百万円(前期末比4.0%増)と好調であった。契約台数は前期末比1,196台の増加にとどまっているが、大口顧客である東京電力グループにおいて組織改編に伴う車両整理を要因とした台数減が700台近くあったことを考慮すれば、実質的には順調に推移したと言える。
自動車メンテナンス受託では、メンテナンス受託契約台数は82,061台(前期末比2,036台増)となり、メンテナンス受託契約高は5,683百万円(前期比2.5%減)、メンテナンス未経過契約残高は7,917百万円(同0.6%増)となった。燃料販売では、カード枚数、販売数量は順調に増加した。収益面では、上期は原油価格が上昇傾向であったことから低調に推移したが、下期に入り原油価格が低下しマージンが改善したことから、通期では売上・利益は予想を上回った。一方で車両販売は中古車市場全体が低迷したことに加え、良質な中古車の出品が少なかったことなどから全体的に不振であり、粗利益は予想(目標)を下回った。
このような各サブセグメントの状況から、セグメント売上高は48,718百万円(前期比3.9%増)、同営業利益は3,807百万円(同2.1%増)となり、順調に推移したと言える。
(2) ケミカル事業
セグメント売上高は11,173百万円(前期比1.0%減)、同営業利益は1,154百万円(同9.8%減)となり、予想を下回る結果となった。一般消費者向け製品において、大口顧客に対するクリンビューの販売が減少した影響などもあり、消費者向け製品が低調に推移した。さらにボイラー向けを中心とした燃料添加剤も伸び悩んだことなどから減収・減益となった。
(3) パーキング事業
中長期的に安定した収益基盤を築くために積極的な営業活動を行った結果、2019年3月期末の駐車場管理件数は1,288件(前期末比75件増)、管理台数は29,172台(同128台増)となった。獲得件数の割に管理台数の伸びが鈍いが、これは大口案件の解約があったためで、このような状況のなかでは健闘した結果と言える。新規獲得駐車場数は目標を下回ったものの、その分初期費用が少なくなったことから利益率はアップした。この結果、セグメント売上高は5,651百万円(前期比4.4%増)にとどまったが、同営業利益は869百万円(同23.4%増)と大幅増益となった。
(4) 機械工具販売事業
取扱アイテムの拡充、オリジナル製品の開発を促進すると同時に、商品調達コストの削減に努めた。製品別では、空調工具及び計測工具の販売は順調に増加したが、機械工具及び自動車整備工具の販売は低調であった。しかし前期に子会社化したイチネンSHOKOが通年で寄与したことに加え、2018年8月に連結子会社化したトヨシマの寄与もありセグメント売上高は17,306百万円(前期比34.0%増)と大幅増となり、同営業利益も285百万円(同136.1%増)と増益となった。
(5) 合成樹脂事業
前期に引き続き新規顧客の拡大及び新商品の開発を図り、品質改善に努めた。この効果もあり、遊技機メーカーへの合成樹脂製品販売、半導体実装装置メーカー等向けのセラミックヒーターや計測装置などが好調であった。特にここ数年、回復が期待されながら低調に推移した遊技機メーカー向け合成樹脂は、ようやく新規制の6.0号機の生産が立ち上がり始めたことから売上高は順調に推移した。また、のれん償却費などの販管費が減少したことも利益を押し上げる要因となった。この結果、セグメント売上高は5,156百万円(前期比1.4%増)、同営業利益は229百万円(同104.6%増)となった。
(6) その他
その他事業では、新規事業である農業関連の事業開発費が増加していること等により、セグメント売上高は178百万円(前期比34.3%増)、同営業損失は90百万円(前期は44百万円の損失)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<MH>
1. 2019年3月期の業績概要
イチネンホールディングス<9619>の2019年3月期の業績は売上高が87,773百万円(前期比7.9%増)、営業利益が6,272百万円(同6.0%増)、経常利益が6,346百万円(同6.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が5,127百万円(同33.2%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益の伸び率が高くなっているのは、M&Aに伴う負ののれん発生益1,145百万円を特別利益として計上したことによる。セグメント別ではケミカル事業が減益となったが、それ以外の事業はおおむね好調に推移したことから、16期連続で営業増益を達成した。
(1) 自動車リース関連事業
サブセグメント別では、リース事業では、リース化が遅れている地方市場及び小口企業への拡販、既存顧客への取引深耕を積極的に進めたことなどから契約数は順調に拡大、期末の契約台数は82,151台(前期末比1,196台増)、リース契約高は33,631百万円(前期比6.2%増)、リース未経過契約残高は73,137百万円(前期末比4.0%増)と好調であった。契約台数は前期末比1,196台の増加にとどまっているが、大口顧客である東京電力グループにおいて組織改編に伴う車両整理を要因とした台数減が700台近くあったことを考慮すれば、実質的には順調に推移したと言える。
自動車メンテナンス受託では、メンテナンス受託契約台数は82,061台(前期末比2,036台増)となり、メンテナンス受託契約高は5,683百万円(前期比2.5%減)、メンテナンス未経過契約残高は7,917百万円(同0.6%増)となった。燃料販売では、カード枚数、販売数量は順調に増加した。収益面では、上期は原油価格が上昇傾向であったことから低調に推移したが、下期に入り原油価格が低下しマージンが改善したことから、通期では売上・利益は予想を上回った。一方で車両販売は中古車市場全体が低迷したことに加え、良質な中古車の出品が少なかったことなどから全体的に不振であり、粗利益は予想(目標)を下回った。
このような各サブセグメントの状況から、セグメント売上高は48,718百万円(前期比3.9%増)、同営業利益は3,807百万円(同2.1%増)となり、順調に推移したと言える。
(2) ケミカル事業
セグメント売上高は11,173百万円(前期比1.0%減)、同営業利益は1,154百万円(同9.8%減)となり、予想を下回る結果となった。一般消費者向け製品において、大口顧客に対するクリンビューの販売が減少した影響などもあり、消費者向け製品が低調に推移した。さらにボイラー向けを中心とした燃料添加剤も伸び悩んだことなどから減収・減益となった。
(3) パーキング事業
中長期的に安定した収益基盤を築くために積極的な営業活動を行った結果、2019年3月期末の駐車場管理件数は1,288件(前期末比75件増)、管理台数は29,172台(同128台増)となった。獲得件数の割に管理台数の伸びが鈍いが、これは大口案件の解約があったためで、このような状況のなかでは健闘した結果と言える。新規獲得駐車場数は目標を下回ったものの、その分初期費用が少なくなったことから利益率はアップした。この結果、セグメント売上高は5,651百万円(前期比4.4%増)にとどまったが、同営業利益は869百万円(同23.4%増)と大幅増益となった。
(4) 機械工具販売事業
取扱アイテムの拡充、オリジナル製品の開発を促進すると同時に、商品調達コストの削減に努めた。製品別では、空調工具及び計測工具の販売は順調に増加したが、機械工具及び自動車整備工具の販売は低調であった。しかし前期に子会社化したイチネンSHOKOが通年で寄与したことに加え、2018年8月に連結子会社化したトヨシマの寄与もありセグメント売上高は17,306百万円(前期比34.0%増)と大幅増となり、同営業利益も285百万円(同136.1%増)と増益となった。
(5) 合成樹脂事業
前期に引き続き新規顧客の拡大及び新商品の開発を図り、品質改善に努めた。この効果もあり、遊技機メーカーへの合成樹脂製品販売、半導体実装装置メーカー等向けのセラミックヒーターや計測装置などが好調であった。特にここ数年、回復が期待されながら低調に推移した遊技機メーカー向け合成樹脂は、ようやく新規制の6.0号機の生産が立ち上がり始めたことから売上高は順調に推移した。また、のれん償却費などの販管費が減少したことも利益を押し上げる要因となった。この結果、セグメント売上高は5,156百万円(前期比1.4%増)、同営業利益は229百万円(同104.6%増)となった。
(6) その他
その他事業では、新規事業である農業関連の事業開発費が増加していること等により、セグメント売上高は178百万円(前期比34.3%増)、同営業損失は90百万円(前期は44百万円の損失)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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