ギグワークス Research Memo（7）：「スマートオフィス」提携先が全国700拠点超に急拡大

■成長戦略・トピック

1. サテライトオフィス需要を満たす「スマートオフィス」の提携先が急拡大
ギグワークス<2375>の連結子会社でシェアオフィスを展開するアセットデザインは、2020年12月に、法人向け多拠点サテライト「スマートオフィス」プランのサービスを開始した。直営で運営するシェアオフィス計65拠点（都内主要エリが中心）に加え、全国のホテルやカラオケ店が利用でき、1人当たり月額2万円（税別）で何回でも利用できるという、価格競争力のあるプランである。当初は藤田観光のワシントンホテル・ホテルグレイスリーの国内15店舗のみだった提携先は半年足らずで約660拠点となり国内最大の拠点ネットワークとなった。ホテルでは、ダイワロイネットホテル67拠点（ダイワロイヤル(株)が運営）およびDormy inn3拠点（共立メンテナンス<9616>が運営）が加わった。カラオケ業態では、ビッグエコー492拠点（第一興商が運営）、JOYSOUND 直営店82拠点（(株)スタンダードが運営）が加わった。

2020年以降、テレワークが加速度的に浸透し、働き方が多様化した。オフィスの役割も全員が同じ時間・同じ場所に集まる「集約型」から、より柔軟で多様な働き方に適した「分散型」にシフトしている。このような背景から、在宅ワークのみならず、サテライトオフィスの需要が拡大している。これまで、法人を対象にした「50拠点以上の多拠点を利用できるサテライトオフィスのサブスクリプション（定額制）」は国内市場にはなかった。「スマートオフィス」に登録した法人は、サテライトオフィスを準備する初期投資がかからず、ローコストで複数拠点体制を構築できる。なお、利用機会の少ない企業向けに従量制プランも提供する。同社では、今後も直営および提携先を開拓し、拠点ネットワークの充実を図る戦略である。

2. オンライン配信によるプロ向けアカデミー「nex ACADEMY」を開校
同社は、2021年6月より、美容師などの専門家を支援する目的で、オンライン配信によるプロ向けアカデミー「nex ACADEMY」を開講した。子会社アセットデザインは、以前から美容師の店舗開業リスクを低減させるシェア型のサロン「nex」を運営してきた。この活動の中で、店舗スペースの支援のみならず専門家がオンラインセミナーを開き、受講生（スキルを高めたい美容学生や美容師）を集客することができ、講師役の専門家は収入源を多様化できるという成功事例が生まれ、事業化につながった。コンセプトは「明日からできる！誰でもできる」。受講生は、4つのチャンネル（即戦力チャンネル、特化型チャンネル、セルフブランディングチャンネル、コミュニティチャンネル）を通じて、nex の レギュラー講師のほか、各分野のスペシャリストから“最先端の技術と知識”を多角的に学べる。技術に限らず、スタイリングや撮影・SNSを活用した集客方法など、人気カリスマ美容師になるための実践的な内容が特徴だ。その道の専門家であっても、必ずしもセルフブランディングやSNS活用に熟達しているわけではない。同社は、受講生が気軽に参加でき、コロナ禍においても継続可能なオンライン・動画プラットフォームを運営し、専門家の成功や自立を支援する。将来的には、美容分野のみならず、他の分野にも横展開し、専門スキルを磨き続ける働き手を支援する機能を充実させたい考えだ。

（執筆：フィスコ客員アナリスト　角田秀夫）

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