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日本電信電話のニュース
IOWN×tsuzumiを活用した医療文書作成支援AIモデルによる 医師の働き方改革に寄与する院内DX促進に向けた実証事業の開始
東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:澁谷直樹、以下「NTT東日本」)は、持続可能な医療提供体制の維持に向けた「医師の働き方改革」における課題の解決に向けて、NTT東日本が運営する企業立病院である関東病院で、IOWN×tsuzumi※1 ※2を活用した世界初の医療文書作成支援AIモデル活用による業務効率化を目的とした実証事業を実施いたします。
※1 IOWN (Innovative Optical and Wireless Networkの略、アイオン)とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。https://www.rd.ntt/iown/
※2 tsuzumiとは、NTTが開発した軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を持つ大規模言語モデル(LLM)です。NTTグループでは、「tsuzumi」を用いた商用サービスを2024年3月に開始しました。https://www.rd.ntt/research/LLM_tsuzumi.html
1.取り組みの背景・目的
これまでの我が国の医療は医師の長時間労働により支えられており、今後、医療ニーズの変化や医療の高度化、少子化に伴う医療の担い手の減少が進む中で、医師個人に対する負担がさらに増加することが予想されます。こうした中、医師が健康に働き続けることのできる環境を整備することは、医師本人にとってはもとより、患者・国民に対して提供される医療の質・安全を確保すると同時に、持続可能な医療提供体制を維持していく上で重要になります。そのため、医療機関における医師の働き方改革が求められております。
厚生労働省の調査によると、所定外労働が発生する理由(医師調査)として、「診断書やカルテ等の書類作成のため」が最も多く、長時間労働が発生する理由として挙げられております。
医師の働き方改革の促進に向けて、医療文書作成を支援する生成AIの活用が期待されていますが、厚生労働省や 経済産業省・総務省にて医療機関等や医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者向けに医療情報システムの安全管理に関する3省2ガイドライン※3 ※4が策定されています。その中において「扱う情報として、法令により作成や保存が定められている文書を含む場合には、医療情報システム及び医療情報が国内法の執行が及ぶ範囲にあることを確実とすることが必要である」、「ASP・SaaSサービスの提供に用いるアプリケーション、プラットフォーム、サーバ・ストレージなどは国内法の適用が及ぶ場所に設置すること」とされており、医療機関として本ガイドラインに則る環境整備が求められています。
これらを背景に、本実証では、NTTの研究所が保有する 40 年以上に及ぶ自然言語処理研究の蓄積、世界トップレベルのAI分野の研究力を活かし、軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を持つ大規模言語モデル「tsuzumi」を活用し、専門性の高い医療用語に対しても適切な文脈で出力する、医師の働き方改革に寄与する医療文書作成支援AIモデル構築をめざします。また、膨大なエネルギー消費を伴うGPU※5サーバをローカル環境に構築する場合、電力確保等のインフラ増強が課題となります。関東病院と遠隔にある閉域データセンタのGPUサーバをIOWN APN※6で接続させることで、機微な学習データを院内に置いたまま、ローカル環境と遜色ない安全かつ低遅延のLLM学習環境の実現をめざします。これにより、海外の大規模言語モデル(LLM)を使用することなく、国内且つ院内GPUサーバを保持する必要なく、安全に生成AIを活用できるガイドラインに準拠した環境整備をめざします。
※3 医療情報安全管理ガイドライン第6.0版「企画管理編」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html
※4 医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン1.1版https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/teikyoujigyousyagl.html
※5 GPU(Graphics Processing Unitの略、ジーピーユー)とは、コンピュータに搭載される半導体チップの一種で、画面表示や画像処理に特化した演算装置です。
※6 APN(All-Photonics Networkの略、オール・フォトニクス・ネットワーク)とは、通信ネットワークの全区間で光波長を専有する通信サービスです。 https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20230302_01.html
2.実証概要
本実証では、NECの伝送装置を活用しIOWN APNを構築します。また、IOWN APN関連技術である量子計算機でも攻撃が困難な「耐量子セキュアトランスポートシステム※7」を活用し、関東病院と遠隔にあるGPU間を接続します。
実証内容では、以下の2点を行います。
1. IOWNを基盤としたLLM学習における拠点間通信の検証
・ローカル学習時間との比較
2. tsuzumiを活用した医療文書作成支援AIモデルの構築と効果測定
・プロンプトエンジニアリング、RAG、LoRAチューニング等の医療情報の学習によるtsuzumiの精度向上
・医師による生成サマリーの評価
※7 耐量子セキュアトランスポートシステムは、暗号方式として最先端の耐量子計算機暗号を組み込め、アメリカの標準化機関NIST(米国国立標準技術研究所)が求める新しいセキュリティ基準にも対応し、量子コンピュータによる解読を効果的に防ぎます。
https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/10/30/241030a.html
3.今後の展開について
本実証での検証を通して、医師の働き方改革に寄与する医療文書作成支援AIモデルの構築を実現することで、医療業界が抱える社会的な課題解決につなげていくことをめざします。また、同様の課題を抱える医療機関への更なる展開に向けて、電子カルテベンダとの共創をめざし、ソリューション開発に取り組んでまいります。
4.その他
・厚生労働省 「医師の働き方改革」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/ishi-hatarakikata_34355.html
※1 IOWN (Innovative Optical and Wireless Networkの略、アイオン)とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。https://www.rd.ntt/iown/
※2 tsuzumiとは、NTTが開発した軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を持つ大規模言語モデル(LLM)です。NTTグループでは、「tsuzumi」を用いた商用サービスを2024年3月に開始しました。https://www.rd.ntt/research/LLM_tsuzumi.html
1.取り組みの背景・目的
これまでの我が国の医療は医師の長時間労働により支えられており、今後、医療ニーズの変化や医療の高度化、少子化に伴う医療の担い手の減少が進む中で、医師個人に対する負担がさらに増加することが予想されます。こうした中、医師が健康に働き続けることのできる環境を整備することは、医師本人にとってはもとより、患者・国民に対して提供される医療の質・安全を確保すると同時に、持続可能な医療提供体制を維持していく上で重要になります。そのため、医療機関における医師の働き方改革が求められております。
厚生労働省の調査によると、所定外労働が発生する理由(医師調査)として、「診断書やカルテ等の書類作成のため」が最も多く、長時間労働が発生する理由として挙げられております。
医師の働き方改革の促進に向けて、医療文書作成を支援する生成AIの活用が期待されていますが、厚生労働省や 経済産業省・総務省にて医療機関等や医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者向けに医療情報システムの安全管理に関する3省2ガイドライン※3 ※4が策定されています。その中において「扱う情報として、法令により作成や保存が定められている文書を含む場合には、医療情報システム及び医療情報が国内法の執行が及ぶ範囲にあることを確実とすることが必要である」、「ASP・SaaSサービスの提供に用いるアプリケーション、プラットフォーム、サーバ・ストレージなどは国内法の適用が及ぶ場所に設置すること」とされており、医療機関として本ガイドラインに則る環境整備が求められています。
これらを背景に、本実証では、NTTの研究所が保有する 40 年以上に及ぶ自然言語処理研究の蓄積、世界トップレベルのAI分野の研究力を活かし、軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を持つ大規模言語モデル「tsuzumi」を活用し、専門性の高い医療用語に対しても適切な文脈で出力する、医師の働き方改革に寄与する医療文書作成支援AIモデル構築をめざします。また、膨大なエネルギー消費を伴うGPU※5サーバをローカル環境に構築する場合、電力確保等のインフラ増強が課題となります。関東病院と遠隔にある閉域データセンタのGPUサーバをIOWN APN※6で接続させることで、機微な学習データを院内に置いたまま、ローカル環境と遜色ない安全かつ低遅延のLLM学習環境の実現をめざします。これにより、海外の大規模言語モデル(LLM)を使用することなく、国内且つ院内GPUサーバを保持する必要なく、安全に生成AIを活用できるガイドラインに準拠した環境整備をめざします。
※3 医療情報安全管理ガイドライン第6.0版「企画管理編」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html
※4 医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン1.1版https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/teikyoujigyousyagl.html
※5 GPU(Graphics Processing Unitの略、ジーピーユー)とは、コンピュータに搭載される半導体チップの一種で、画面表示や画像処理に特化した演算装置です。
※6 APN(All-Photonics Networkの略、オール・フォトニクス・ネットワーク)とは、通信ネットワークの全区間で光波長を専有する通信サービスです。 https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20230302_01.html
2.実証概要
本実証では、NECの伝送装置を活用しIOWN APNを構築します。また、IOWN APN関連技術である量子計算機でも攻撃が困難な「耐量子セキュアトランスポートシステム※7」を活用し、関東病院と遠隔にあるGPU間を接続します。
実証内容では、以下の2点を行います。
1. IOWNを基盤としたLLM学習における拠点間通信の検証
・ローカル学習時間との比較
2. tsuzumiを活用した医療文書作成支援AIモデルの構築と効果測定
・プロンプトエンジニアリング、RAG、LoRAチューニング等の医療情報の学習によるtsuzumiの精度向上
・医師による生成サマリーの評価
※7 耐量子セキュアトランスポートシステムは、暗号方式として最先端の耐量子計算機暗号を組み込め、アメリカの標準化機関NIST(米国国立標準技術研究所)が求める新しいセキュリティ基準にも対応し、量子コンピュータによる解読を効果的に防ぎます。
https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/10/30/241030a.html
3.今後の展開について
本実証での検証を通して、医師の働き方改革に寄与する医療文書作成支援AIモデルの構築を実現することで、医療業界が抱える社会的な課題解決につなげていくことをめざします。また、同様の課題を抱える医療機関への更なる展開に向けて、電子カルテベンダとの共創をめざし、ソリューション開発に取り組んでまいります。
4.その他
・厚生労働省 「医師の働き方改革」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/ishi-hatarakikata_34355.html
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