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【QAリンクあり】バリュエンスHD、売上総利益率が改善・在庫入替完了 新中計を策定、小売・海外強化へ

投稿:2024/10/16 11:00

Index

嵜本晋輔氏(以下、嵜本):バリュエンスホールディングス代表取締役の嵜本です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。それでは、スライドの目次に沿って、ご説明します。

2024年8月期 サマリー

まず、2024年8月期の業績についてです。GMV(流通取引総額)は、前期比12パーセント増の933億円となりました。オークション委託落札額が好調に増加し、前期比44.5パーセント増の152億円まで拡大しました。

第4四半期は既存在庫の入替えを進めつつ、2025年8月期に向け在庫確保を計画どおり実施しました。ALLU店舗のオープンやECでの販売力強化により、小売売上高は前期比49パーセント増の136億円まで伸長しました。委託好調等により自社オークション手数料売上高も伸長し、売上高は前期比7.0パーセント増の814億円となりました。

第3四半期より売上総利益率重視の仕入に切り替えたことで、自社オークション・小売ともに売上総利益率は回復しています。

また、売上総利益率の低い既存在庫の入替えや地金売上高の構成比が上昇したものの、売上総利益率は前期比2.3ポイント減の24.0パーセントとなりました。なお、売上総利益率が低下していた上期実績からは1.6ポイント回復しています。

販売費及び一般管理費については、効率重視のWebマーケティングを継続したことや、国内買取店舗の出店ペースや人員配置の見直し等により、コストを抑制しました。その結果、通期営業利益は4億円の赤字と、下期で業績を回復させることができました。

2024年8月期 業績

2024年8月期の業績は、スライドのとおりです。FY25に向け、計画どおり在庫確保を進めた結果、第4四半期の売上高は前年同期比10.6パーセント減の、200億円となりました。

第3四半期より売上総利益率重視の仕入を継続し、在庫入替えを進めながらも売上総利益率は25.3パーセントと、前年同期比0.3ポイント改善しました。小売も活用しながら、売上総利益率の低い既存在庫の積極販売を継続した結果、上期で積み上がっていた売上総利益率の低い在庫を一掃することができ、在庫入替えは完了しています。

また、効率重視のWebマーケティングを行う等により、販売費及び一般管理費も抑制することができました。その結果、第4四半期の営業利益は1.9億円と、当初計画より上振れて着地することができました。

なお、先ほどご説明したとおり、通期の売上高は814億円、営業利益は4億円の赤字となりました。

2024年8月期第4四半期(6月-8月)トピックス

第4四半期のトピックスです。買取面においては、第3四半期から引き続き、売上総利益率重視の仕入に転換したことに加え、8月には時計相場が下落したこと等から、時計仕入のコントロール等も行いました。その結果、仕入高は前年同期比5.8パーセント減の145億円となりました。

また、アライアンスによる仕入は、三越伊勢丹との取組である「i'm green」に加え、大手銀行や証券会社をはじめとする金融機関等との提携数拡大により、引き続き好調に推移しました。特に、地金の仕入高増に寄与しました。

新規出店について、国内は特にエリアを厳選して2店舗、海外は3店舗出店し、期末の店舗数は国内140店舗、海外46店舗の合計186店舗となりました。

続いて販売面です。第4四半期は当初計画どおり、FY25に向けて在庫確保を進め、原価を積まなかったことから、売上高は前年同期比10.6パーセント減の200億円となりました。

売上総利益率は、第3四半期より売上総利益率重視の仕入を継続した結果、売上総利益率の低い在庫の入替えを進めながらも25.3パーセントを確保することができました。

また、オークションにおける委託は、引き続き好調に推移しました。在庫確保のため、自社オークション売上高は前年同期比で減少したものの、委託拡大によりオークションGMVは133億円と、前年同期比で横ばいの結果となりました。オークション委託落札額は44億円、オークションに占める委託落札額の割合は33.1パーセントと、好調に拡大しています。

仕入高・店舗数

仕入高の推移です。先ほどご説明したとおり、売上総利益率重視の仕入を継続しています。また、時計相場が軟調に推移したことから時計仕入を特にコントロールし、その結果、仕入高は前年同期比5.8パーセント減の145億円となりました。

時計の仕入高は減少したものの、アライアンスによる地金の仕入が牽引したため、仕入高は直前四半期比2.6パーセント増の結果になりました。

売上高・売上総利益率

売上高、売上総利益率の推移です。第4四半期の売上高は、先ほどもご説明したとおり、FY25に向けた在庫確保を計画どおり進めた結果、前年同期比10.6パーセント減の200億円となりました。

売上総利益率の低い在庫入替えを進めつつも、売上総利益率重視の仕入を徹底していることで、売上総利益率は直前四半期比横ばいの25.3パーセントを確保できました。

販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費の推移です。店舗出店やシステム投資に伴う償却費、また、地代家賃等が増加した一方、効率的なマーケティングを重視したことなどにより、販売費及び一般管理費は、前年同期比2.4パーセント増の48億円で着地しました。なお、直前四半期比では5.6パーセント減と、抑制することができました。

バランスシートの概況

バランスシートの概況です。総資産は、前期末比で10億円減少しました。商品の在庫に関しては、前期末の約76億円から約71億円と、5億円ほど減少しています。しかし第3四半期より在庫入替えを積極的に進めた結果、前期末より在庫の質が相当良化しており、在庫水準については適正と認識しています。

固定資産は、株式会社米自動車を子会社化した際に発生した、無形固定資産の将来の回収可能額が見込めなくなったことから、株式取得時に認識したのれん等について、減損損失を約6億円計上しています。

一方、ALLU SHINJUKU出店に伴う有形固定資産や敷金保証金の増加、システム開発に伴う無形固定資産などの増加等により、固定資産は前期末比で約6億円の増加となりました。

なお、有利子負債は前期末比で約12億円増加していますが、主に仕入拡大によるものです。FY24において、借入の長期化を進めたことで、長短バランスを見直し長期化率を高め、資金調達及びキャッシュフローの安定化に努めることができました。

売上高:販路別(toB/toC)

販路別の売上高推移です。FY25に向け、意図的に在庫確保を行ったことに加え、時計相場や為替変動により、8月に一時的に海外パートナーの入札が弱含んだことも影響し、自社オークション売上高は前年同期比20.9パーセント減の89億円となりました。

一方、小売売上高は、前年同期比14.1パーセント増の33億円と拡大しましたが、意図的な在庫確保や、為替変動の影響から一時的にインバウンド需要の落ち込みがあり、直前四半期比では7.4パーセント減となりました。

アライアンスでの仕入が寄与したことで、卸売(地金)売上高は前年同期比51.9パーセント増の52億円と伸長しました。これらの結果、売上高は前年同期比10.6パーセント減の200億円となりました。

売上高:販路別(国内/海外)

国内・海外別の売上高実績です。引き続き、インバウンド需要による国内パートナーの買い意欲は旺盛です。一方、時計相場及び為替変動の影響により海外パートナーの入札が一時的に減少し、海外売上高比率は直前四半期比で3.1ポイント減の16.0パーセントとなりました。

売上高:toBオークション実績

オークション売上高推移です。売上総利益率重視の仕入継続により出品商品の質が良化しており、落札率は95.2パーセントと、引き続き高水準を維持しています。

GMV推移

第4四半期のハイライトについて、ご説明します。まず、GMVの推移です。オークション委託GMVは、通期で前期比44.5パーセント増の152億円と過去最高を更新しました。SaaS型新機能の提供等により、オークション委託は好調に推移しています。

第4四半期においては、FY25に向けた在庫確保に伴い、自社オークションへの当社商品の出品は抑制しましたが、パートナー企業からの委託出品により、出品ボリュームをしっかりと担保することができました。その結果、オークション委託比率は33.1パーセントと、過去最高水準にまで伸長しています。

オークションにおいては、国内・海外のパートナー企業に数多くご参加いただけています。それにより競争率が上がり、高値で販売できると業界内でも認知が拡大しており、委託商品が増えてきています。今後も引き続き、委託の拡大に努めていきたいと考えています。

STAR BUYERS AUCTION(SBA)パートナー会員数

「STAR BUYERS AUCTION(以下、SBA)」のパートナー会員数についてです。国内で約3,700社、海外で1,000社超と、合計4,816社まで拡大しました。国内、海外ともに好調に拡大を続けており、BtoB世界最大規模のオークションへと成長できています。

STAR BUYERS AUCTION(SBA)落札額の国内/海外比率

「SBA」落札額の、国内・海外比率です。インバウンド需要により、国内パートナーの買い意欲は引き続き旺盛に推移しています。

時計相場や為替変動により、8月初週大会における海外パートナーの入札に影響を受けたものの一時的であり、海外落札比率は25.9パーセントとなりました。

直近はインバウンドの需要回復により、国内パートナーに積極的に落札いただけています。シーズンを通じて、海外パートナーによる売上比率が25パーセントから30パーセント前後の水準で推移しているオークションは日本にないため、引き続き営業活動を積極化し、世界でも唯一無二のオークションに成長させていきます。

買取店舗展開

買取店舗の展開です。第4四半期において、エリアを厳選し、国内は2店舗、海外は直営店が1店舗、パートナーが2店舗と、合計3店舗を新規出店しました。

期末の店舗数について、国内は三越伊勢丹さまとの協業店舗も含め145店舗、海外は46店舗まで拡大しています。FY25以降は、後ほど新中期経営計画の中でもご説明しますが、引き続き効率化重視で、直営店は国内年間5店舗程度の出店を予定しています。

海外は店舗投資コストや人件費が低い東南アジアや中東などにおいて、パートナーを中心に店舗出店を継続していく計画です。

ALLU SHINJUKUオープン(2024年10月26日)

2024年10月26日にオープンする小売店舗、ALLU SHINJUKUについてご説明します。地下1階から地上2階までが販売フロアとなっており、当社最大規模の店舗としてオープンします。

店舗のコンセプトは「循環」です。エコ素材の使用や、店内演出でのサステナブルなイメージを訴求するとともに、ラグジュアリーで洗練された店舗づくりにより、国内富裕者層にアプローチしていきます。

また、内装には茶室や枯山水、庭園など、和テイストのイメージも取り入れており、新宿三丁目という立地を活かして、インバウンド顧客の取り込みも強化していきます。

第4四半期から在庫確保を進めてきましたが、オープン後も、随時商品入替えを行いながらラインナップを維持します。品揃えにおいても、「ALLU」のブランディングを強化していきます。

Purpose

新中期経営計画について、ご説明します。まず、当社の理念をあらためてご紹介します。

私たちの理念・パーパスは「Circular Design for the Earth and Us(地球、そして私たちのために循環をデザインする)」です。

2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにするカーボンニュートラルが、世界的なテーマになっています。

人間活動によって生み出されてきた、これまでのCO2の累積の総排出量と、世界の地上の平均気温は、ほぼ相関関係にあります。私たち人間がこれまでどおり、私利私欲力を追求し続けると、気候変動問題はさらに深刻化します。私たちの代はもちろんのこと、次世代である子どもたちの代には安心して暮らすことができないといった、危機的な状況になるとも言われています。

だからこそ私たちは、事業活動を通じて、それらの社会課題や環境問題を解決する、社会課題解決型の企業となるため、このようなパーパスを定めました。

Mission

当社のミッションは、「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」です。私の目に飛び込んでくる多くのシーンにおいて、人は自分の人生を生きているようで、実は他人の人生を生かされています。そのような人が、非常に多い世の中になっているのではないかと思います。

その人にとって影響力のある大人、また、社会・メディアなど、そのような過去の正しさを鵜呑みにし、情報に翻弄され、偽りの幸せを信じて生かされているような状況が、多々目に飛び込んできます。

だからこそ私たちは、そのような人たちが自分たちの人生を取り戻すようなきっかけを提供すべく、「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」というテーマで、現在、事業活動を行っています。

当社を取り巻く環境 ~国内~

市場環境及び当社の強みです。まずは、国内市場規模についてです。国内のリユース市場規模は、拡大を続けています。2023年は前年比7.8パーセント増の3兆1,227億円、そのうちブランド品の成長率はさらに高く、前年比19.4パーセント増の3,656億円となりました。

リユース市場規模は今後も拡大が想定され、2030年には4兆円に達すると見込まれています。

当社を取り巻く環境 ~海外~

海外の市場規模についてです。2023年の世界ラグジュアリーリユース市場規模はすでに5兆円を超えており、2030年には7兆円と、日本国内以上の成長率が見込まれています。当社においても、成長が見込まれる海外での展開をさらに強化すべく、各種戦略・施策を推進しています。

外部環境及び当社の強み

外部環境及び当社の強みについて、ご説明します。買取においては、大小さまざまな買取事業者が乱立しており、買取の競争は年々激化しています。そのような中、当社は接遇や店舗づくりで他社との差別化を図りながらも、アライアンスや海外展開等、国内店舗以外の仕入にも注力しており、効率的な仕入強化を進めています。

オークションはコロナ禍以降、オンライン化による新規参入が増えています。そのような中、当社は国内外で最大級のオークションとしての地位を確立しています。委託を含めた機能の充実や海外への販売拡大など、当社の競争優位性の源泉として、取組を継続しています。

また、小売において、当社は後発であり、直近で小売強化に舵を切り、ノウハウを蓄積している段階です。当社の強みであるtoBモデルを活かした小売販売を行い、競争優位性の確立を目指していきます。

ビジネスモデル全体としては、国内における模倣が増加し、コモディティ化が進行していると認識しています。このような状況下、一定の買取力とオークションでの優位性を活かしながら小売を強化し、摸倣困難性の高いビジネスモデルを築くことが重要と考えています。

中期経営計画「VG1000 ver2.0」 振り返り①

新中期経営計画の策定にあたり、これまでの中期経営計画である「VG1000 ver2.0」について、振り返ります。

FY21からの5年間の中期経営計画は「変革期」と位置づけ、事業拡大を見据え、積極的な投資を全事業領域において実施すると計画していました。これまでの4年間で設定した重点投資領域における投資を前倒しで実施することで、今後の成長に向けて必要な機能の実装・充実に取り組めたと評価しています。

一方、足元の外部環境や当社の直近の業績状況等を鑑み、現在公表している中期経営計画の数値目標達成は困難であると判断し、中期経営計画を1年前倒しで見直すこととしました。

中期経営計画「VG1000 ver2.0」 振り返り②

「VG1000 ver2.0」では、各領域で積極的な投資を実施してきました。まず、量的投資は、国内店舗網の拡大に取り組み、M&Aによる店舗網拡大や、年間5店舗から10店舗程度の出店を継続し、FY20では84店舗だった店舗数も140店舗まで拡大することができました。

また、質的投資では、オークションプラットフォームの機能拡充に注力し、SaaS型新機能の開始やフルフィルメントサービスの開始などにより、オークション委託比率は3.7パーセントから29.0パーセントまで拡大でき、海外パートナーも多く参加している唯一無二のオークションへと成長を継続させてきました。

人的投資においては、店舗出店や、自動車事業をはじめとした事業拡大に応じ、人員数の増加や従業員の満足度と生産性を高める取組を積極的に行ってきました。

領域拡大では、M&Aによる自動車事業の本格化や不動産事業への取組、小売店舗の出店、ECの強化、「ALLU Fashion Market」という新しいマーケットプレイスの立ち上げを行うなど、積極的に投資を行いました。

これからは当社のtoBの強みを活かしたシームレス出品や、国内外のEC強化等による小売拡大を重点戦略として定め、厳選した投資を継続していきます。

また、グローバルの取組についても、FY20では2店舗だった海外店舗数を46店舗まで拡大させ、オークションのパートナー数も10倍の1,082社まで拡大させることができました。欧米、アジアなどの主要地域への進出が完了し、4年間の投資経験から、今後注力すべきエリアを絞ることができたため、FY25以降で、海外展開をより加速できると考えています。

引き続き、店舗投資コストや人件費の低いアジア・中東地域等に特化します。特に仕入の強化を図るべく、海外戦略も引き続き重点戦略として定め、投資を継続していきます。

中期経営計画「VG1000 ver2.0」 振り返り③

「VG1000 ver2.0」におけるKPI及び経営指標の達成状況は、スライドに記載のとおりですので、ご確認ください。

新中期経営計画「To the Next Stage : For 2030 Revival Vision」を策定

新中期経営計画についてご説明します。これまでの振り返りを通じ、FY25からFY27までの3ヶ年の新中期経営計画「To the Next Stage:For 2030 Revival Vision」を策定しました。2030年に目指す姿「Circular Design Company」実現のため、マテリアリティを再定義しました。

これらの課題を解決するため、この3年間は、「収益性向上に向け構造改革を実施、投資は厳選して継続」を基本方針として取り組みます。

先ほど中期経営計画の振り返りでもご説明したとおり、今後、当社の成長ドライバーとなる国内での小売拡大、海外での仕入拡大を重点戦略として位置づけます。小売拡大・仕入拡大においては、投資を継続していきます。

2030年に目指す姿「Circular Design Company」に向けて

本中期経営計画の策定にあたって、スライド左側に記載のとおり、マテリアリティを再定義しました。

これらの重点テーマ・マテリアリティを解決すべく、仕入・オークション・小売・海外・領域拡大・サステナビリティの取組の6つを基本戦略とし、2030年に向けて、引き続き企業価値向上を目指していきます。

中期経営計画6つの基本戦略

6つの基本戦略については、このあと詳細にご説明しますが、概要はスライドのとおりです。

まず、当社グループの持続的成長を支える取組として、事業とサステナビリティの更なる統合は必要不可欠だと考えています。また、当社グループの強みの1つであるテクノロジーを駆使することで、各事業領域の拡大・強化を図っていきます。

仕入においては、当社事業に欠かせない仕入基盤を強化しながら、自社仕入のみならず、アライアンスなどによる仕入拡大にも取り組んでいきます。

オークションにおいては、世界で唯一無二のオークションへと成長させるべく、引き続きプラットフォームを強化させ、パートナー拡大に努めていきます。

重点戦略である小売は、強固なtoB販路を持つ当社だからこそできる小売販売の仕組みや、他社との差別化を図った店舗展開、これまでの国内仕入で培ったWebマーケティングを活用した集客に注力することで、売上の拡大を図ります。

もう1つの重点戦略である海外については、これまでの海外展開で培ったノウハウを活かしながら、効率的な買取店舗展開を、アジアや中東地域を中心とし、積極的に行っていきます。

また、「SBA」でのパートナー開拓も積極的に行いながら、富裕層市場での販売成長機会を引き続き模索していきます。

最後に、ブランド品以外への領域拡大として、自動車や不動産等の周辺領域の強化に加え、業界内で最大規模の施設と技術を誇るブランド品のリペア事業の強化により、toB、toCともに、バリュエンスグループ全体での顧客の固定化に努めていきます。

基本戦略1.仕入

戦略の詳細についてです。まず仕入について、国内の店舗戦略をご説明します。

これまでM&Aや年間10店舗程度の新規出店により、面を広げてきましたが、本中期経営計画期間においては、効率重視の出店戦略への転換を図っていきます。

直営店については、エリアを厳選しながら年間5店舗程度の出店を計画しており、マーケティングの多様化を含めたリソースの再配分、顧客のリピーター化促進、リペアサービスをはじめとした周辺サービスからの顧客獲得などにも注力していきます。

特に顧客のリピーター化は、買取競争が激化する中で重要な施策と考えています。現状のリピーター比率は46.8パーセントと高い水準にありますが、コミュニケーション重視の接遇や、One to Oneマーケティングによる最適なサービス提供などで顧客の固定化を促進します。新規顧客を獲得しながらも、FY27ではリピーター比率50パーセント以上を目標とします。

また、サステナブルな取組を店舗内でも訴求することで、顧客に選ばれるブランド力の醸成を目指していきます。

加えて、海外パートナー出店と同形態での国内出店や、社員の独立制度等を活用した多店舗展開の戦略も並行して進めていきます。「i'm green」モデルの横展開等の可能性も探りながら、直営店以外の店舗展開を行うことで、FY30を目途に100店舗程度の増加を目指していきます。

基本戦略1.仕入

店舗以外の国内仕入についてご説明します。新規出店は効率化を重視し、毎期、直営店は5店舗程度とするものの、店舗以外の仕入ネットワークの強化を図ることで、買取競争激化に抗い、国内仕入成長を目指していきます。

出張・宅配・オンライン買取は、顧客の利便性を担保するサービスとして、今後も引き続き強化します。特にオンライン買取は利用者が増えており、強化のための専門部隊を新設しています。

三越伊勢丹との取組「i'm green」については、現在5店舗を展開しています。仕入が好調に推移しており、さらなる拡大を図っています。

金融機関等からの顧客紹介も好調です。当社がリーチできていない超富裕者層や、買取店舗を利用しない層からの買取が可能なこれらのアライアンスの取組は、今後も注力していきます。

また、小売を含めた販売拡大のための仕入カバー策として、「i'm green」のようなモデルの横展開や、海外パートナー出店と同形態の国内出店等に加え、法人からの仕入やM&Aなど、さまざまな仕入拡大施策を検討していきます。

このように、直営店の新規出店に依存しない仕入体制の構築を推進し、FY27の「なんぼや」以外の仕入比率25パーセント以上を目指していきます。

基本戦略1.仕入

海外の仕入戦略についてです。FY24末時点で、海外14か国46店舗に店舗展開しています。

今後は、これまでの直営店の出店経験等も踏まえ、店舗出店コスト及び人件費が低いアジアや中東地域において、パートナー店舗を中心に出店を加速します。そして、FY27に90店舗、FY30に150店舗の展開を目指していきます。

また、国内で培ったノウハウを活かし、海外におけるWebマーケティングによる集客も強化し、仕入拡大を図っていきます。

基本戦略2.オークション

オークション戦略についてご説明します。当社の「SBA」は、世界最大級のオークションプラットフォームであり、この最大の強みをさらに強化すべく、引き続き機能拡充に努めていきます。

パートナー数が順調に拡大する中、開催回数の増加や時差を考慮した開催時刻の再設定により、海外パートナーの参加、入札のさらなる拡大を図っていきます。

また、パートナーへのリペアサービスの提供など、付随サービスの拡充により、さらに他社オークションとの差別化を図っていきます。

オークション委託は順調に拡大し、FY23よりサービスを開始したSaaS型新機能も貢献しており、引き続き利用企業獲得に注力します。

小売強化にあたり、小売への商品の振り向けを増やすことで、オークション委託受入のキャパシティ拡大も可能となります。そのため、FY24時点で29.0パーセントのオークション委託比率を、FY27では40パーセント以上にしたいと思っています。

toBプラットフォームの強化と小売の強化を両輪で回しながら、模倣困難性の高いビジネスモデルを進化させていく方針です。

基本戦略2.オークション

フルフィルメントサービスについて、ご説明します。フルフィルメントサービスは、パートナーの仕入から販売までをワンストップで提供できるサービスです。パートナーが「SBA」で落札した商品が、自動で「ALLU(EC)」のプラットフォームに出品されるため、パートナーの負担がありません。当社としては、小売の委託拡大や手数料収入の拡大により、収益性の向上が期待できます。

今後は、リペアサービスをフルフィルメントサービスに組み込み、より高い価格での販売を可能にするなど、利用拡大に向けて引き続きサービスの拡充を図っていきます。

基本戦略3.小売

小売戦略についてご説明します。当社の最大の強みであるtoB販売を活かしながら小売を強化し、一般消費者との接点拡大を図ります。これまでは、主に買取のみの一方通行でしたが、買い取った上で販売もするという、循環を描く双方向的なものに変え、顧客のLTV向上を狙っていきます。

現在、商品の振り向けは「SBA」が中心となっていますが、後ほどご説明するシームレス出品等を通じ、「ALLU」へ優先的に振り向けることで、在庫回転を悪化させることなく、小売での販売機会の最大化に取り組みます。

店舗は、オープン予定の新宿を含めた5店舗を展開し、インバウンド需要を取り込みつつ、国内の富裕者層にアプローチします。また、定期的な商品の入替えにより鮮度を保ちつつ、外部環境に応じたリプライス等も徹底します。他社との差別化を図りながら、ブランディングの強化、利用拡大を図ります。

ECについては、店舗への商品取り寄せや店頭顧客からの流入など、リアルとオンラインの相乗効果を企図しています。シームレス出品によりECサイトへの商品掲載数が増加し、SEOによる集客効果の最大化も期待しています。

さらには、店舗・ECで販売した商品を、「ALLU Fashion Market」上でストックし、当社のプラットフォーム上で商品が循環するような世界観を実現したいと考えています。

これらの取組により、FY27では、小売売上高比率25パーセント以上を目指し、小売拡大・強化に注力していきます。

基本戦略3.小売

小売戦略として、これまでと最も異なる点は、商品の振り向けを「ALLU」優先に変えるという点です。

これまでは、「ALLU」優先販売商品を除いたほぼすべての商品は「SBA」に出品し、その後、不落札の商品を「ALLU」で販売する流れでした。これからは「SBA」に出品する商品も1週間程度まずは「ALLU」に出品し、販売を開始したいと思っています。

小売向けの商材についてはALLU店舗、またECにて約90日間を販売期間とし、期間経過後は「SBA」で販売します。

また、「SBA」の出品商品についても、オークション出品までのリードタイムを活用して1週間程度ECサイトに掲載し、期間の経過後は、通常どおり「SBA」で販売します。期間を1週間と短く設定することで、在庫回転期間を長期化することなく、小売で高く販売できる機会が生まれます。また、集客において重要なSEOにもポジティブに影響します。

今後は、この掲載期間を徐々に伸ばすことで、「ALLU」での販売率をより高めることにもチャレンジしていきたいと思っています。

これらは、「SBA」という圧倒的な販売力を誇るtoBプラットフォームを有しているからこそチャレンジできる取組であると自負しています。これまでの在庫回転期間を維持しながら、小売の販売強化につなげることができると考えています。

さらに、「ALLU」で販売した商品は、「ALLU Fashion Market」上に自動出品され、当社が間に立ちながらも顧客間で売買がなされます。当社のプラットフォーム上に商品がストック、循環され、売買がなされるごとに、当社が手数料収入を得られるモデルを実現したいと考えています。

この「ALLU Fashion Market」は、顧客が商品を使用しながら出品でき、当社が真贋等を担保する画期的なものです。また、「ALLU」の販売商品以外の商品や、法人からの出品も可能です。今後はECサイトの連携を行い、さらなるモノの循環を目指していきます。

基本戦略4.海外展開

海外戦略についてご説明します。海外においては仕入に注力します。これまで海外にも積極的に投資を行い、世界の富裕層の多いエリアへの進出は順調に進んでいます。

特に、店舗投資コストや人件費が低く、GDPの成長率が高いアジア地域では、直営店・パートナー店ともに仕入は好調に拡大しています。仕入戦略の中でも、今後はアジア・中東地域において、パートナー店舗を中心に出店を加速していきます。

海外買取店舗数は、直営・パートナー店を合わせ、FY27に90店舗、FY30には150店舗を目指していきます。FY24からFY27にかけての海外仕入高成長率は、CAGR25パーセント以上を目指し、海外の仕入拡大戦略に重点を置いて取り組んでいきます。

基本戦略4.海外展開

海外向けの販売は、オークションのパートナーの参加誘致に引き続き注力し、FY24時点で1,082社の海外パートナー数を、FY27まで年率10パーセント程度のペースで開拓していきたいと考えています。また、越境ECの展開により、国内で獲得したインバウンド客のリピーター化を含め、小売販売の拡大を図っていきます。

EC販売について、まずは他社の越境ECプラットフォームを活用しつつも、将来的には自社サイトへの切り替えも検討していきます。

スライドの地図上に富裕層の多い地域を示していますが、このような成長チャンスが期待できる地域において、販売にも注力していきたいと考えています。

基本戦略5.領域拡大

取扱領域拡大についての戦略です。当社の中心事業である、ブランド品等とのシナジーが見込める実物資産への取扱を拡大し、顧客のLTV向上、リピーター化を促進していきます。

当社は現在、リペア事業にも注力しており、持続可能な消費を促進しながらも、同サービス利用からの顧客流入を図っています。特に時計修理においては、業界最大規模の設備と技術を有しており、FY24からはバッグのリペア事業もスタートしました。

また、スライドの左下に、過去10年のカテゴリごとの価格上昇率を示していますが、当社の取扱拡大領域と合致していることが見て取れると思います。これらの実物資産に加え、スポーツ領域でもビジネスを展開し、非財務価値の向上に努めていきます。

基本戦略5.領域拡大

取扱領域拡大の中で、特に注力する分野である自動車事業の戦略をご説明します。

自動車事業は、サービスブランド「Valuence AUTOMOTIVE」を立ち上げ、整備やメンテナンス、国内外の新車・中古車の買取、販売を行っています。今後は特に、「TWISTED」事業の取組に注力します。

「TWISTED」とは、JAGUAR LAND ROVER LIMITED社のDEFENDER車両を独自に修復・カスタマイズした車両です。国内では、バリュエンスジャパンが独占販売を行っています。

「なんぼや」「ALLU」からの送客による買取・販売を継続しつつ、整備事業及び「TWISTED」事業の拡大を通じて、自動車領域におけるサーキュラーエコノミーの実現を目指します。また、富裕者層の接点拡大を図りながら、既存事業とのシナジーの創出も企図し、自動車事業の拡大を目指します。

基本戦略6.事業とサステナビリティの更なる統合

社会にとって最大の課題の1つであり、マテリアリティの1つとしても位置づけられる、気候変動への取組をご説明します。

2021年に、「FY30までのカーボンニュートラル」を掲げました。これまでに削減施策の検討をはじめ、GHG排出量の把握と精密化を進め、気候変動への対策を行っています。

FY23には、算定対象範囲を、海外子会社も含むグループ全体に拡大しました。これに併せて、今回は基準年をFY23とし、「FY30までにスコープ1、スコープ2排出量を90パーセントに削減」「FY30までに再生可能エネルギー電力比率100パーセント」という目標を新たに設定しました。

2025年8月期はこれらの目標達成に向け、着実に削減施策を進めるとともに、スコープ3の具体的な削減方法を検討していきます。

基本戦略6.事業とサステナビリティの更なる統合

人的資本の取組についても、積極的に進めています。当社では「事業成長」「人材確保」「配置」「処遇」「育成」「組織文化」の6つの観点で、人材マネジメント方針を設定しています。当社のカルチャーに共感する人材を厳選採用した上で、フェアな評価・処遇を通じて社員のモチベーションと成長を支援し、心理的安全性の高い組織文化を構築しています。

さらに、グローバル展開加速を見据えた人事施策の検討や、DEIBに関する取組も積極的に行っています。従業員の満足度と生産性を高め、多様性を重視した職場環境を作り出すことで、事業と人材の成長の好循環を実現し、社員と企業がともに成長する環境を引き続き作っていきます。

基本戦略6.事業とサステナビリティの更なる統合

2024年11月22日開催の、第13回定時株主総会終結後の取締役体制についてです。

役員構成の過半数を社外取締役とし、ガバナンス強化に努めます。2030年には女性取締役比率30パーセント以上を目指すなど、適切なジェンダーバランスや知識、経験、専門性、職歴、年齢、国際性等の観点で、多様性を兼ね備えた取締役構成を目指していきます。

基本戦略6.事業とサステナビリティの更なる統合

非財務的価値向上の取組として、スポーツ事業も推進していきます。スポーツチーム、また、アスリート公認オークションである「HATTRICK」においては、アップサイクルなど新たな取組を推進し、アスリートの収益源の創出やファンづくりへのさらなる貢献を目指します。

Dリーグ参入3年目となる「Valuence INFINITIES」については、有力選手の獲得などにより、今シーズンの優勝を目指します。また、アカデミーの開催やユースチームの運営などを通じて、ダンス文化の振興や選手の育成にも努めていきます。

「南葛SC」は、スポーツ振興・地域活性化への貢献に加え、キャラクター知名度を活かした企業の認知向上や、海外におけるキャラクター活用等のビジネス成長も目指していきます。これらの取組は、当社のブランディング強化に資する取組であり、本中期経営計画期間も引き続き注力していきます。

マテリアリティに基づく指標と目標

これまでお話ししてきたマテリアリティに基づき策定した戦略に対して、指標と目標をスライドのように定めました。

各戦略で目指すKPIをご説明しましたが、重点テーマである「人生の選択肢が広がる価値提供」では、「なんぼや」以外の仕入比率25パーセント以上、リピーター比率50パーセント以上、リペアサービス提供件数5万件以上をFY27で目指します。

次に、「モノと思いが循環するグローバル経済圏」では、オークション委託比率40パーセント以上、小売売上高比率25パーセント以上、海外仕入高成長率CAGR25パーセント以上をFY27で目指します。

「Value Designの源泉となる文化と人材力」では、エンゲージメントスコアとDEIB指標を掲げています。

また、「地球・社会にとって誠実な事業運営」では、コーポレート・ガバナンス・コードの全項目コンプライや、再生可能エネルギー電力比率100パーセント、カーボンニュートラルをFY30で達成できるように取組んでいきます。

スライドに記載した指標と目標以外は、当社のコーポレートサイトに掲載しますので、ご参照いただければと思います。

2030年に目指す姿「Circular Design Company」

中期経営計画の遂行により、FY30の「Circular Design Company」実現に向けた基盤づくりを進めていきます。

循環をデザインする会社として、世界中の価値ある実物資産を不要な人から必要な人へ届けることで、あらゆる価値が当社を中心にグローバル規模で循環する世界を実現し、新たな収益機会を創出していきます。

2025年8月期 業績見通し前提

2025年8月期の業績見通しについてです。2025年8月期は、これまでご説明した中期経営計画の戦略に則り、事業を推進していきます。収益性改善に向け構造改革を継続し、今後の成長への礎を築く1年にしたいと考えています。

業績見通しの前提条件です。まず、外部環境について、時計相場及びダイヤモンド相場は軟調が継続する前提です。バッグの相場も年末に向けて軟調に推移し、新製品発売後に復調する見通しを前提に計画しています。また、為替相場変動の影響は読めないため、限定的と仮定しています。

続いて仕入面です。国内仕入は効率化を重視し、直営店の新規出店は下期に5店舗程度を計画しています。アライアンス及び海外仕入に注力し、店舗仕入成長を補完していく計画です。

なお、海外仕入は、これまでの投資結果を踏まえ、アメリカやイギリスを縮小した上で、アジア・中東地域に注力していきます。また、売上総利益率重視の仕入は引き続き継続していきます。

販売面では、オークション委託拡大による収益性向上に加え、シームレス出品など、toBの強みを活かした小売販売への取組により、現状の在庫回転期間を維持したまま、小売売上高の拡大を企図しています。

また、ALLU SHINJUKUオープンに向け、第1四半期前半は在庫確保を行いながら、小売売上高の伸長を目指していきます。

最後に、コストについてです。重点事業である小売及び海外への投資は継続しながらも、効率重視のマーケティングの継続や効率的な店舗運営により、販売費及び一般管理費を抑制しながら、構造改革を実施していく計画です。

2025年8月期 業績見通し

以上により、2025年8月期の業績見通しは、売上高840億円、営業利益6億円を計画しています。

株主還元

株主還元についてです。当社は、将来の成長を見据えた戦略的な投資資金需要等を勘案した上で、株主のみなさまに対して、安定的な配当を実施していくことを基本方針としています。

FY24は業績を鑑み、無配としましたが、FY25は1株当たり5円と、復配する予定です。今後も財務健全性を確保しつつ、企業価値向上に資するさまざまな投資等により、資本効率の向上を図っていきますので、ご支援を賜りますようよろしくお願いします。

Q&A

質疑応答に関しましてはこちらに掲載されております。

配信元: ログミーファイナンス
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