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インヴィンシブル投資法人のニュース
―見直し余地大きく年初来高値圏、24年からのNISA拡充も追い風に―
2日の東京株式市場は、日経平均株価が4日続伸。一時2万9278円まで上昇し昨年1月初旬以来、約1年4ヵ月ぶりの高値圏に買われた。この株価上昇の要因となっているのが、経済再開に伴う恩恵に加え日銀の金融緩和姿勢の継続に向けた期待だ。植田日銀総裁の下、低金利政策が続くとの観測が強まり、円安の進行が株価の押し上げ要因となっている。そんななか、再評価機運が高まっているのがREIT(不動産投信)だ。高分配金(配当に相当)利回り商品としてのJ-REITには低金利環境の継続で見直し余地が膨らんでいる。
●東証REIT指数は1月高値に迫る
東証REIT指数 は1日に一時1873.69まで上昇し、1月4日につけた終値ベースの年初来高値(1875.97)に迫った。3月20日安値の1746.05からは7%強上昇している。日経平均株価はすでに年初来高値を更新しているが、J-REITは昨年以降のインフレ懸念の台頭による日米金融政策の行方も警戒され、上値が抑えられる展開が続いた。そんななか、足もとの情勢はJ-REITに追い風となって吹き始めている。
●日銀のYCC修正は先送りとの観測強まる
東京市場に上場する60銘柄のREITの平均分配金利回りは約4.0%の水準にあり、日経平均採用銘柄の平均配当利回り約2.1%を大きく上回っている。REITはミドルリスク・ミドルリターンの金融商品として知られ、その高分配金利回りから長期投資家などからの高い人気を誇っている。
REIT相場をみるうえで焦点となっているのが、日銀の金融政策だ。市場には4月に就任した植田日銀総裁の下で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)が早期に修正されるのではないか、との観測が出ていた。YCC修正は金利上昇要因となりREITにとっては逆風に働くため、買い手控えの要因となった。
ただ、4月28日の日銀金融政策決定会合の結果発表では、金融政策の多角的レビューを実施することが公表されるとともに、大規模な金融緩和策の維持が決定された。これを受け、「日銀は当面は金融緩和策を維持しそうだ」(市場関係者)との見方が増え、YCC修正観測は後退するなか、REITに再評価機運が膨らんでいる。
足もとの米金融政策も注視されている。2~3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ打ち止め観測が浮上するかが注目点だ。ただ、たとえ5月FOMCで利上げ打ち止め感が高まらなくても、米景気後退観測が台頭するなか、米国を中心に先行きの金利低下期待は強まるとみる声は多い。
●不動産の「2023年問題」は今年夏がピークも
更に、J-REITの見直し要因となりそうなのが、2024年に始まる少額投資非課税制度(NISA)の大幅拡充だ。NISAのつみたて投資枠は年120万円と従来の3倍、成長投資枠は年240万円とこれまでの一般NISAの2倍に増やされる。ミドルリスク・ミドルリターンで長期投資に向くREITにとってNISA拡充は新規資金の流入要因に働きそうだ。加えて、J-REITの割安感も顕著だ。株式のPBR(株価純資産倍率)に当たる「NAV倍率」の1倍割れ銘柄は6割を超えている。この割安さも見直し要因に働こう。
その一方、今後の懸念材料とみられているのが、不動産業界の「2023年問題」といわれる都心のオフィス供給過剰懸念などだ。これに伴う空室率の上昇が、REIT市場の逆風となることが警戒されている。ただ、ビルの供給量は夏をピークに24年は少なくなっていくとみられ、足もとで上昇している空室率も夏以降は低下するとの観測も出ている。
●ホテルや商業施設、物流施設型などに投資妙味
今後の回復期待が強まるJ-REITだが、業態別で見た場合、オフィスビルや住居主体型REITは、コロナ禍後の職場復帰需要が高まる一方、リモートワーク需要の継続も予想されるなか、全体的には底堅い値動きが期待される。オフィスビル主体型では、日本ビルファンド投資法人 <8951> [東証R]やジャパンリアルエステイト投資法人 <8952> [東証R]、森ヒルズリート投資法人 <3234> [東証R]など。住居主体型ではアドバンス・レジデンス投資法人 <3269> [東証R]や日本アコモデーションファンド投資法人 <3226> [東証R]などが注目される。
また、経済再開に伴うホテルや商業施設の需要回復も見込める。ホテル型でインヴィンシブル投資法人 <8963> [東証R]やジャパン・ホテル・リート投資法人 <8985> [東証R]、星野リゾート・リート投資法人 <3287> [東証R]など。商業施設型でイオンリート投資法人 <3292> [東証R]やケネディクス商業リート投資法人 <3453> [東証R]など。それに堅調な物流施設需要に絡む日本プロロジスリート投資法人 <3283> [東証R]やGLP投資法人 <3281> [東証R]、日本ロジスティクスファンド投資法人 <8967> [東証R]などにも見直し余地が膨らみそうだ。
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