証券取引システムの障害による特損計上を嫌気

２０日に子会社のトレイダーズ証券で、
証券取引システムの障害により特別損失約４億円を計上すると
発表しており、嫌気売り。

業績に与える影響について詳細は調査中としているが、
純利益は減少する見込み。

同社の今０８年３月期の９月中間期連結純利益は
２億７０００万円で、特損計上により赤字転落する可能性が。

システム障害の損失３．８億円で確定
トレイダーズホールディングスは２５日、２０日付で開示した子会社の証券取引システムの障害による損失額を確定したと発表した。
　損失額は３億８３１２万円。２０日付の開示どおり、２００８年３月期決算に特別損失として計上する予定だ。営業収益や営業・経常利益には影響はない見込み。「四季報速報」はすでに、会社予想（０８年３月期最終利益見込み７億８０００万円）の未達を想定していた９月中間期および０８年３月期通期の最終損益予想を表記のように修正ずみで、今回の発表による変更はない。
　システムトラブルは、グループ中核会社で証券取引や外国為替取引を展開するトレイダーズ証券（東京都港区）で１９日に発生した。大阪証券取引所＜８６９７＞が１８日から取り扱いを開始した日経２２５先物オプション取引のイブニングセッション（１６時３０分～１９時の取引）において、トレイダーズ証券が処理済みだった委託注文が、原因不明のまま、約定・未約定を問わずに再度、注文情報として取引市場に出される事態に陥った。その上でシステムは、大量の注文データを処理できず、機能停止して結局、１９日中に復旧できなかった。翌２０日のイブニングセッションにおいて、注文データを反対売買で決済したものの、安い価格で売った先物を高く買い戻す結果につながり、決済損が発生した。
　当社は同日、今回のトラブルは、今年３月末まで当社の子会社だったトレイダーズフィナンシャルシステムズ（東京都港区）が保守・運営するシステムの設計ミスで起きたと発表した。当社は今後、トレイダーズフィナンシャルシステムズに対して、損害賠償を求める方針で、場合によっては訴訟などの法的措置に至る可能性もあるという。
　当社は３月３０日付で、ＳＢＩイー・トレード証券＜８７０１＞とトレードウィンにトレイダーズフィナンシャルシステムズの保有株式を全株売却しており、現在は資本関係はない。
　一部の損失が賠償金として補填される可能性は残っているが、時期や金額などについては流動的。