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日産東HD Research Memo(1):EV販売が好調、他社に先行してきた成果

配信元:フィスコ
投稿:2023/07/07 13:31
*13:31JST 日産東HD Research Memo(1):EV販売が好調、他社に先行してきた成果 ■要約

1. 総合モビリティ事業のフロントランナーとしてカーライフをワンストップサービス
日産東京販売ホールディングス<8291>は、日産自動車<7201>系の自動車販売会社などを傘下に持つ持株会社で、傘下の日産東京販売は日産ブランドとルノーブランドの新車の販売や中古車の買取・販売、自動車整備などを行っている。同社は国内最大級の自動車ディーラーで、販売エリアは東京都の人口の9割近くをカバー、総合モビリティ事業※のフロントランナーとして、カーライフに関わるすべてのサービスをワンストップで提供している。またグループ内では周辺事業として、日産ブランドに依存しないオリジナルの事業を展開しているほか、上場子会社の東京日産コンピュータシステム<3316>が、ソリューションプロバイダー事業など情報システム関連事業を手掛けている。

※モビリティ事業:販売や整備だけでなく、自動車による移動や運搬をスムーズに行うためのサービスも含む。


2. EVのパイオニア、35万件の顧客基盤、店舗ネットワーク、「ベストプラクティス」に強み
先端技術の急速な発展や環境問題などを背景に、現在の自動車業界は大変革期の真っ只中にあると言われている。同社には、こうした時代に対応できる総合モビリティ事業のフロントランナーとしての優位性があるが、これは、EV販売のパイオニアとして業界をリードする販売・サービス体制とノウハウ、35万件の顧客基盤によるストックビジネス、新車販売店舗111店舗(ルノー店5店舗含む)など東京をドミナントする店舗ネットワーク、日産販売会社3社のグループ化以来継続しているノウハウや情報を速やかに共有し水平展開していく「ベストプラクティス」などの強みによって支えられている。モビリティ事業のなかでも個人リースは他社に先駆しており、東京都で40%という高いシェアを誇るほか、早期代替や良質な中古車の確保といったメリットもある。

3. 「大変革期」に向け中期経営計画を策定、2027年3月期営業利益65億円を目指す
自動車業界における大変革期への具体的対応として、新たな企業理念「モビリティの進化を加速させ、新しい時代を切りひらく笑顔あふれる未来のために、わたしたちは走り続ける」を掲げ、気候変動への対応や安心・安全な社会の実現など4つのマテリアリティを特定し、その実現に向けて4ヵ年の新中期経営計画(2024年3月期~2027年3月期)を策定した。重点戦略として、電動化リーダー、安全・運転支援技術、モビリティ事業を推進していく方針で、これにより、新車販売台数を新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)前の水準に戻すとともに、ストックビジネスを上積みし、また設備費・経費の最適化を図り、2027年3月期に営業利益65億円などの財務目標、乗用車の電動化比率90%以上などの非財務目標の達成を目指す。

4. 2023年3月期の大幅営業増益は、EV販売において他社に先行してきた成果といえる
中期経営計画のスタートを前にした2023年3月期の業績は、売上高137,659百万円(前期比0.5%減)、営業利益6,399百万円(同45.2%増)と大幅増益なった(GTNETの連結除外を考慮すると実質増収)。自動車の電動化の潮流の中で同社EVに対する購入意欲が強まったことが要因で、EV販売において他社に先行してきた成果が現れたということができる。2024年3月期の業績見通しに関して同社は、売上高150,000百万円(同9.0%増)、営業利益6,000百万円(同6.2%減)を見込んでいる。物価上昇によるコストアップや、緩和したとはいえ半導体不足による車両供給不足の影響などを見込み、営業利益は減益予想となっている。しかし、大変革期を追い風に中期経営計画の着実な進展と増収効果が期待できることから、減益予想というのはやや保守的な印象である。

■Key Points
・EVのパイオニア、35万件の顧客基盤、店舗ネットワークなどに強み
・2023年3月期大幅営業増益はEV販売において他社に先行してきた成果
・「100年に一度の大変革期」を追い風に中期経営計画により利益成長目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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配信元: フィスコ
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