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シナネンホールディングスのニュース
■要約
1. 時代の変化に応え、総合エネルギーサービス企業への進化を続ける
シナネンホールディングス<8132>は、各種燃料や石油製品などを販売する大手の燃料卸売業者である。エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では、家庭向け・小売業者向けにLPガスや各種燃料を販売している。エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、大口需要家向けに石油製品や各種燃料を供給するほか、ガソリンスタンドの運営や再生可能エネルギー事業なども行っている。非エネルギー事業では、シェアサイクル事業や建物維持管理事業など多彩な事業を展開している。エネルギー流通の業界は生活に必要不可欠だが、競争激化や環境対応などの面から新たな時代へのアプローチが求められている。同社はそうした時代の変化に応えるため、総合エネルギーサービス企業への進化を続けている。
2. エネルギー専門商社としての強みを活かし、収益改善と新規事業開発を推進
同社の強みは、エネルギー専門商社としての事業推進力、堅実な経営基盤、高い参入障壁の3つである。なかでもエネルギー専門商社としての事業推進力に欠かせないのが、全国25ヶ所のLPガス充填基地や約1,000社にのぼる販売店ネットワーク、82ヶ所あるオイルスクエア(灯油センター)など効率的な拠点網である(2022年3月末現在)。拠点が多い分、サービスが厚くなって販売店から同社への信頼も増す。一方、消費者との接点も増えるため、消費者に密着した非エネルギーサービスを強化することができる。このようにエネルギー事業の強みを効果的に活かすことで、短中期的な成長を担うエネルギー事業の収益改善と、サステナブルな新たな時代へのアプローチとなる新規事業の育成という、2つの異なるベクトルを持つ戦略を同時に進めることができるのである。
3. 新規事業で注目されるのは、足もとで黒字化が見えてきたシェアサイクル事業
新規事業では、シナネンモビリティPLUS(株)が運営するシェアサイクル事業が注目される。ソフトバンクグループ<9984>のシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」を活用し、シェアサイクル「ダイチャリ」を運営、首都圏を中心に自治体やコンビニエンスストアなどと連携して、収益性の高いエリアに高密度でステーションを展開するという戦略をとっている。2017年の事業化から5年で急成長、ステーション数や自転車保有台数で国内トップの運営実績を誇る規模となった。成長の要因は、事業戦略に加え、大量に収集された利用データを効率的な運営に活用したことにあり、また、こうした利用データの活用は競合企業に対する大きな差別化要因にもなっている。足もとで通期の黒字化が見えてくるなど、同社の中長期成長を支える事業となってきた。
4. コロナ禍で投資がやや遅れたが、第三次中期経営計画での飛躍・躍進に向け順調な進捗
2023年3月期第2四半期の業績は、売上高139,740百万円(前年同期比39.0%増)、営業損失820百万円(前年同期は42百万円の損失)となった。厳しい決算に見えるが、投資の積極化などが要因で、おおむね計画通りの進捗だったようだ。2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高310,000百万円(前期比7.1%増)、営業利益2,500百万円(同0.8%増)を見込んでいる。通期では、原価高の価格転嫁効果やシェアサイクル事業の利益貢献などにより、若干だが増益の見通しとなっている。冬場の利益収穫期となる下期へ向け、エネルギー事業の業況に改善の兆しが見えてきたようで、業績が強含む可能性も視野に入れたい。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で投資がやや遅れたが、来期に始まる第三次中期経営計画での飛躍・躍進に向けて順調な進捗といえよう。
■Key Points
・カーボンニュートラルに向け総合エネルギーサービス企業への進化を目指す
・黒字化が見えたシェアサイクル事業など非エネルギー事業の収益拡大が進む
・第三次中期経営計画での飛躍・躍進に向け、2023年3月期は順調な進捗
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SI>
1. 時代の変化に応え、総合エネルギーサービス企業への進化を続ける
シナネンホールディングス<8132>は、各種燃料や石油製品などを販売する大手の燃料卸売業者である。エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では、家庭向け・小売業者向けにLPガスや各種燃料を販売している。エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、大口需要家向けに石油製品や各種燃料を供給するほか、ガソリンスタンドの運営や再生可能エネルギー事業なども行っている。非エネルギー事業では、シェアサイクル事業や建物維持管理事業など多彩な事業を展開している。エネルギー流通の業界は生活に必要不可欠だが、競争激化や環境対応などの面から新たな時代へのアプローチが求められている。同社はそうした時代の変化に応えるため、総合エネルギーサービス企業への進化を続けている。
2. エネルギー専門商社としての強みを活かし、収益改善と新規事業開発を推進
同社の強みは、エネルギー専門商社としての事業推進力、堅実な経営基盤、高い参入障壁の3つである。なかでもエネルギー専門商社としての事業推進力に欠かせないのが、全国25ヶ所のLPガス充填基地や約1,000社にのぼる販売店ネットワーク、82ヶ所あるオイルスクエア(灯油センター)など効率的な拠点網である(2022年3月末現在)。拠点が多い分、サービスが厚くなって販売店から同社への信頼も増す。一方、消費者との接点も増えるため、消費者に密着した非エネルギーサービスを強化することができる。このようにエネルギー事業の強みを効果的に活かすことで、短中期的な成長を担うエネルギー事業の収益改善と、サステナブルな新たな時代へのアプローチとなる新規事業の育成という、2つの異なるベクトルを持つ戦略を同時に進めることができるのである。
3. 新規事業で注目されるのは、足もとで黒字化が見えてきたシェアサイクル事業
新規事業では、シナネンモビリティPLUS(株)が運営するシェアサイクル事業が注目される。ソフトバンクグループ<9984>のシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」を活用し、シェアサイクル「ダイチャリ」を運営、首都圏を中心に自治体やコンビニエンスストアなどと連携して、収益性の高いエリアに高密度でステーションを展開するという戦略をとっている。2017年の事業化から5年で急成長、ステーション数や自転車保有台数で国内トップの運営実績を誇る規模となった。成長の要因は、事業戦略に加え、大量に収集された利用データを効率的な運営に活用したことにあり、また、こうした利用データの活用は競合企業に対する大きな差別化要因にもなっている。足もとで通期の黒字化が見えてくるなど、同社の中長期成長を支える事業となってきた。
4. コロナ禍で投資がやや遅れたが、第三次中期経営計画での飛躍・躍進に向け順調な進捗
2023年3月期第2四半期の業績は、売上高139,740百万円(前年同期比39.0%増)、営業損失820百万円(前年同期は42百万円の損失)となった。厳しい決算に見えるが、投資の積極化などが要因で、おおむね計画通りの進捗だったようだ。2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高310,000百万円(前期比7.1%増)、営業利益2,500百万円(同0.8%増)を見込んでいる。通期では、原価高の価格転嫁効果やシェアサイクル事業の利益貢献などにより、若干だが増益の見通しとなっている。冬場の利益収穫期となる下期へ向け、エネルギー事業の業況に改善の兆しが見えてきたようで、業績が強含む可能性も視野に入れたい。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で投資がやや遅れたが、来期に始まる第三次中期経営計画での飛躍・躍進に向けて順調な進捗といえよう。
■Key Points
・カーボンニュートラルに向け総合エネルギーサービス企業への進化を目指す
・黒字化が見えたシェアサイクル事業など非エネルギー事業の収益拡大が進む
・第三次中期経営計画での飛躍・躍進に向け、2023年3月期は順調な進捗
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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