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山善のニュース
■ピクセラ<6731>の業績動向
1. 2018年9月期通期決算
2018年9月期通期の決算は、売上高がA-Stageの買収により前期比5.3%増の2,551百万円となった一方、営業損失が1,005百万円(前期は19百万円の利益)、経常損失が1,030百万円(前期は18百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が1,048百万円(前期は7百万円の利益)と、いずれも10億円を超える大幅な赤字となった。収益構造も、売上総利益率が前期の33.2%に対し12.5%へ大きく低下した。前期は4K映像対応STBの受託開発に関わる売上げの構成比が高かったのに対し、2018年9月期はA-Stageの買収もあって製品売上の構成比が高くなったことにより収益性が低下した。
2018年9月期下期(2018年4月−9月)の売上高は上期(2017年10月−2018年3月)比約2.6倍の1,846百万円となったものの、AV関連事業のみでは860百万円となり、M&Aを除く増収は上期比22.1%にとどまった。
AV関連事業の売上高は前期比34.8%減、金額ベースでは前期比837百万円減の1,565百万円と大幅な減収となった。また、全社費用740百万円を配分していないセグメント損失は203百万円で、前期のセグメント利益518百万円と比べて722百万円の大幅な減益となった。
期首に発表されたAV関連事業の通期業績予想は、売上高3,512百万円、営業利益52百万円、経常利益27百万円、親会社株主に帰属する当期純利益14百万円と増収増益の予想であったが、決算期終了後の2018年10月26日に大幅に下方修正された。2018年12月1日から国内で開始される新4K衛星放送の視聴に対応した新製品の4K Smart Tuner「PIX-SMB400」の生産スケジュールが、製造委託先の都合により後ろ倒しとなったことで、自社ブランド製品や受注が確定していた国内大手家電メーカー2社向けのOEM製品について、第4四半期(2018年7月−9月)に予定していた売上高約14.6億円が計上できなくなったことが最大の要因。4K Smart Tunerを含む4K関連製品の開発期間が延伸したことにより開発費用も大幅に増加した。他のAV関連事業においても、市場開拓が予想どおり進まず、約5億円の売上未達となった。AV関連事業における合計約9.6億円の売上未達が連結ベースでの大幅赤字の要因であるものの、通期連結の営業損失1,005百万円を当該売上でカバーするには当該売上にかかわる営業利益率が50%超でなければならないことから、仮に当該売上が達成できていたとしても、通期連結の営業損失の計上は避けられなかった可能性が高い。
AV関連事業におけるかつての主力製品であった、PC向けテレビキャプチャー関連製品、ビデオカメラ向け画像編集アプリケーションは、ともに市場縮小が続き減収減益となった。また、「Xit(サイト)」という新ブランドでの展開を開始したリテール製品も、旧ブランド製品の在庫処理や新製品の発売遅延により減収減益となった。新規事業分野であるIoT関連分野は、Conteホームサービスの受託開発案件の増加、LTE対応USBドングルの販売の増加及びセット販売したピクセラモバイルの契約の増加があったものの、AV関連事業全体への収益貢献度は限定的であった。
2018年9月期より新たな報告セグメントとして追加された家電事業は、売上高が985百万円、全社費用及びA-Stage買収関連費用59百万円を配分していないセグメント損失が2百万円となった。家電事業ののれん償却額3百万円を考慮すると、A-Stageの営業利益は約1百万円と試算される。グループとしての仕入コスト削減、商流統合、物流効率化等が実施されているものの、2018年9月期には効果がまだ十分表れていないと言える。
家電事業の売上高は6ヶ月分であり、単純に2倍すると約20億円となり、A-Stageの2018年3月期の年商よりダウンしたことになる。これは、2018年9月において、台風で物流網が影響を受け、予定どおりの出荷ができなかったためとのことである。ただし、同月単月の出荷が順調であったとしても、買収後はまだ売上高が顕著な成長を示していないものと推測される。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したものの、新株予約権の行使により1,376百万円の株式発行があったことにより、前期末比341百万円増加し、2,933百万円となった。一方で、総資産が同550百万円増加したことにより、自己資本比率は前期末の82.3%から79.0%へ低下した。
流動資産は、現金及び預金や受取手形及び売掛金の減少の一方で、商品及び製品が同689百万円、前渡金が同260百万円増加したこと等により、同106百万円増加した。在庫回転期間が前期の0.7ヶ月分から3.9ヶ月分に大きく延びたのは、A-Stageの在庫が約3ヶ月と高い水準にあるのに加え、4K関連製品の手配によるものとのこと。前渡金の増加は、4K Smart Tunerの製造委託に関わるもので一時的とみられる。
固定資産は、工具、器具及び備品が前期末比82百万円、のれんが同39百万円、ソフトウェアが同170百万円、投資有価証券が同75百万円、敷金が同59百万円増加したこと等により、同446百万円増加した。工具、器具及び備品の増加は主に4K関連製品の開発に係わる機器の取得、のれんの増加はA-Stage株式の取得、投資有価証券の増加はオックスコンサルティングの株式の取得及び転換社債型新株予約権付社債の引受によるもの。同社では従来、ソフトウェアの資産計上は限定的であったが、2018年9月期は4K Smart Tunerに関連するソフトウェアを資産計上した。
流動負債は、支払手形及び買掛金が同150百万円、賞与引当金が同46百万円増加したこと等により、同208百万円増加した。
2018年9月期のキャッシュ・フローは、税金等調整当期純損失の計上等により、営業活動によるキャッシュ・フローが843百万円の支出、A-Stage株式の取得842百万円、有形固定資産の取得110百万円、無形固定資産の取得201百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローが1,353百万円の支出となった。一方、新株予約権の行使に伴う株式発行による収入1,361百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローが1,377百万円の収入となった。
同社は2018年9月期において営業活動によるキャッシュ・フローが5期連続でマイナスとなっており、多額の営業損失を計上したことから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在している。一方で、財務基盤は一定の安定性が確保されているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと同社は判断している。
2. 2019年9月期通期業績予想
2019年9月期通期業績の会社予想は、売上高が前期比227.8%増の8,364百万円、営業利益が305百万円(前期は1,005百万円の損失)、経常利益が276百万円(前期は1,030百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が183百万円(前期は1,048百万円の損失)と、前期比3倍超の大幅な増収及び黒字回復の予想となっている。同社単体の売上高(AV関連事業売上高)が5,454百万円、営業利益が180百万円、A-Stageの売上高(家電事業売上高)が2,910百万円、営業利益が125百万円と予想されている。第2四半期累計期間の業績予想は開示されていない。
同社は以前、2019年9月期における目標を売上高80~120億円、営業利益8~12億円(営業利益率10%)としていたが、AV関連事業において前期から持ち越された売上げを考慮に入れると、通期業績予想は以前の目標値から後退している。
家電事業の売上高は、前述のとおり、年換算した場合の前期売上高が約20億円と試算されることから、2,910百万円という予想は約9億円の増収となる。売上高の内訳は、IoT機能搭載製品を含む白物家電で1,746百万円、4K関連製品を含む黒物家電で1,164百万円を予想している。前期は在庫の欠品による機会損失も多かったため、在庫水準を高めているとのことであり、家電量販店やホームセンター等のチェーン店販路を拡大していくことにより、同社は達成可能な売上高予想だとしている。また、2019年9月期の予想に基づくA-Stageの営業利益率は4%超となるが、家電事業の前期のセグメント利益率はのれん償却前の推定で1%に満たないこと、類似する事業を行っているツインバード工業<6897>の2018年2月期の営業利益率が1.6%、山善<8051>の家庭機器事業における2018年3月期のセグメント利益率が3.3%であることを考えると、容易に達成可能な利益水準とは見受けられない。同社は、固定費を増やさずに、売上高を予想どおり達成できれば、営業利益予想の達成は可能としている。
AV関連事業の売上高は前期比約39億円の増収を予想しており、その内訳は既存製品で1,341百万円、4K関連製品で4,113百万円を予想している。前期のAV関連事業売上高1,565百万円に4K関連製品の売上げはほとんど含まれていないため、既存製品は約2億円の減収ということになる。一方、前期から出荷が持ち越された4K関連製品売上約14.6億円の大半は既に出荷されているとのことであり、その分を除くと、4K関連製品の売上高は約26.5億円となる。過去2期の通期連結売上高を上回る額を4K関連製品で積み増すことになるが、約8割を4K Smart Tuner関連製品、約2割をテレビ関連製品で売り上げる計画とのこと。4K Smart Tunerは、前期から持ち越された分以外にも国内大手家電メーカー2社向けのOEM製品で受注が確定しているものが相当量あり、第1四半期(2018年10月−12月)にその多くが出荷される予定で、それ以外を自社ブランド製品でいかに売上げを立てられるかが課題。また、同社単体の営業利益予想に基づく営業利益率は3%超となるが、営業黒字を達成した2017年9月期の営業利益率が0.8%と低水準にとどまっていたことを考えると、容易に達成可能な利益水準とは見受けられない。同社はAV関連事業においても、売上高の大幅な増加により、営業利益予想の達成は可能としている。
2019年9月期通期業績予想は、AV関連事業、家電事業ともに大幅な増収を前提にしたものであり、売上高が未達になった場合は黒字回復が危ぶまれる。増収の中でも、自社ブランドでの4K関連製品の販売拡大が最大の課題と言える。2018年12月1日からの新4K衛星放送の開始に合わせて、書き入れ時の年末年始商戦を含む上半期(2018年10月−2019年3月)は、OEM製品の出荷もあり順調な進捗が予想されることから、上半期にどこまでの売上高の積み上げと利益水準の確保ができるかを見守りたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)
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1. 2018年9月期通期決算
2018年9月期通期の決算は、売上高がA-Stageの買収により前期比5.3%増の2,551百万円となった一方、営業損失が1,005百万円(前期は19百万円の利益)、経常損失が1,030百万円(前期は18百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が1,048百万円(前期は7百万円の利益)と、いずれも10億円を超える大幅な赤字となった。収益構造も、売上総利益率が前期の33.2%に対し12.5%へ大きく低下した。前期は4K映像対応STBの受託開発に関わる売上げの構成比が高かったのに対し、2018年9月期はA-Stageの買収もあって製品売上の構成比が高くなったことにより収益性が低下した。
2018年9月期下期(2018年4月−9月)の売上高は上期(2017年10月−2018年3月)比約2.6倍の1,846百万円となったものの、AV関連事業のみでは860百万円となり、M&Aを除く増収は上期比22.1%にとどまった。
AV関連事業の売上高は前期比34.8%減、金額ベースでは前期比837百万円減の1,565百万円と大幅な減収となった。また、全社費用740百万円を配分していないセグメント損失は203百万円で、前期のセグメント利益518百万円と比べて722百万円の大幅な減益となった。
期首に発表されたAV関連事業の通期業績予想は、売上高3,512百万円、営業利益52百万円、経常利益27百万円、親会社株主に帰属する当期純利益14百万円と増収増益の予想であったが、決算期終了後の2018年10月26日に大幅に下方修正された。2018年12月1日から国内で開始される新4K衛星放送の視聴に対応した新製品の4K Smart Tuner「PIX-SMB400」の生産スケジュールが、製造委託先の都合により後ろ倒しとなったことで、自社ブランド製品や受注が確定していた国内大手家電メーカー2社向けのOEM製品について、第4四半期(2018年7月−9月)に予定していた売上高約14.6億円が計上できなくなったことが最大の要因。4K Smart Tunerを含む4K関連製品の開発期間が延伸したことにより開発費用も大幅に増加した。他のAV関連事業においても、市場開拓が予想どおり進まず、約5億円の売上未達となった。AV関連事業における合計約9.6億円の売上未達が連結ベースでの大幅赤字の要因であるものの、通期連結の営業損失1,005百万円を当該売上でカバーするには当該売上にかかわる営業利益率が50%超でなければならないことから、仮に当該売上が達成できていたとしても、通期連結の営業損失の計上は避けられなかった可能性が高い。
AV関連事業におけるかつての主力製品であった、PC向けテレビキャプチャー関連製品、ビデオカメラ向け画像編集アプリケーションは、ともに市場縮小が続き減収減益となった。また、「Xit(サイト)」という新ブランドでの展開を開始したリテール製品も、旧ブランド製品の在庫処理や新製品の発売遅延により減収減益となった。新規事業分野であるIoT関連分野は、Conteホームサービスの受託開発案件の増加、LTE対応USBドングルの販売の増加及びセット販売したピクセラモバイルの契約の増加があったものの、AV関連事業全体への収益貢献度は限定的であった。
2018年9月期より新たな報告セグメントとして追加された家電事業は、売上高が985百万円、全社費用及びA-Stage買収関連費用59百万円を配分していないセグメント損失が2百万円となった。家電事業ののれん償却額3百万円を考慮すると、A-Stageの営業利益は約1百万円と試算される。グループとしての仕入コスト削減、商流統合、物流効率化等が実施されているものの、2018年9月期には効果がまだ十分表れていないと言える。
家電事業の売上高は6ヶ月分であり、単純に2倍すると約20億円となり、A-Stageの2018年3月期の年商よりダウンしたことになる。これは、2018年9月において、台風で物流網が影響を受け、予定どおりの出荷ができなかったためとのことである。ただし、同月単月の出荷が順調であったとしても、買収後はまだ売上高が顕著な成長を示していないものと推測される。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したものの、新株予約権の行使により1,376百万円の株式発行があったことにより、前期末比341百万円増加し、2,933百万円となった。一方で、総資産が同550百万円増加したことにより、自己資本比率は前期末の82.3%から79.0%へ低下した。
流動資産は、現金及び預金や受取手形及び売掛金の減少の一方で、商品及び製品が同689百万円、前渡金が同260百万円増加したこと等により、同106百万円増加した。在庫回転期間が前期の0.7ヶ月分から3.9ヶ月分に大きく延びたのは、A-Stageの在庫が約3ヶ月と高い水準にあるのに加え、4K関連製品の手配によるものとのこと。前渡金の増加は、4K Smart Tunerの製造委託に関わるもので一時的とみられる。
固定資産は、工具、器具及び備品が前期末比82百万円、のれんが同39百万円、ソフトウェアが同170百万円、投資有価証券が同75百万円、敷金が同59百万円増加したこと等により、同446百万円増加した。工具、器具及び備品の増加は主に4K関連製品の開発に係わる機器の取得、のれんの増加はA-Stage株式の取得、投資有価証券の増加はオックスコンサルティングの株式の取得及び転換社債型新株予約権付社債の引受によるもの。同社では従来、ソフトウェアの資産計上は限定的であったが、2018年9月期は4K Smart Tunerに関連するソフトウェアを資産計上した。
流動負債は、支払手形及び買掛金が同150百万円、賞与引当金が同46百万円増加したこと等により、同208百万円増加した。
2018年9月期のキャッシュ・フローは、税金等調整当期純損失の計上等により、営業活動によるキャッシュ・フローが843百万円の支出、A-Stage株式の取得842百万円、有形固定資産の取得110百万円、無形固定資産の取得201百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローが1,353百万円の支出となった。一方、新株予約権の行使に伴う株式発行による収入1,361百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローが1,377百万円の収入となった。
同社は2018年9月期において営業活動によるキャッシュ・フローが5期連続でマイナスとなっており、多額の営業損失を計上したことから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在している。一方で、財務基盤は一定の安定性が確保されているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと同社は判断している。
2. 2019年9月期通期業績予想
2019年9月期通期業績の会社予想は、売上高が前期比227.8%増の8,364百万円、営業利益が305百万円(前期は1,005百万円の損失)、経常利益が276百万円(前期は1,030百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が183百万円(前期は1,048百万円の損失)と、前期比3倍超の大幅な増収及び黒字回復の予想となっている。同社単体の売上高(AV関連事業売上高)が5,454百万円、営業利益が180百万円、A-Stageの売上高(家電事業売上高)が2,910百万円、営業利益が125百万円と予想されている。第2四半期累計期間の業績予想は開示されていない。
同社は以前、2019年9月期における目標を売上高80~120億円、営業利益8~12億円(営業利益率10%)としていたが、AV関連事業において前期から持ち越された売上げを考慮に入れると、通期業績予想は以前の目標値から後退している。
家電事業の売上高は、前述のとおり、年換算した場合の前期売上高が約20億円と試算されることから、2,910百万円という予想は約9億円の増収となる。売上高の内訳は、IoT機能搭載製品を含む白物家電で1,746百万円、4K関連製品を含む黒物家電で1,164百万円を予想している。前期は在庫の欠品による機会損失も多かったため、在庫水準を高めているとのことであり、家電量販店やホームセンター等のチェーン店販路を拡大していくことにより、同社は達成可能な売上高予想だとしている。また、2019年9月期の予想に基づくA-Stageの営業利益率は4%超となるが、家電事業の前期のセグメント利益率はのれん償却前の推定で1%に満たないこと、類似する事業を行っているツインバード工業<6897>の2018年2月期の営業利益率が1.6%、山善<8051>の家庭機器事業における2018年3月期のセグメント利益率が3.3%であることを考えると、容易に達成可能な利益水準とは見受けられない。同社は、固定費を増やさずに、売上高を予想どおり達成できれば、営業利益予想の達成は可能としている。
AV関連事業の売上高は前期比約39億円の増収を予想しており、その内訳は既存製品で1,341百万円、4K関連製品で4,113百万円を予想している。前期のAV関連事業売上高1,565百万円に4K関連製品の売上げはほとんど含まれていないため、既存製品は約2億円の減収ということになる。一方、前期から出荷が持ち越された4K関連製品売上約14.6億円の大半は既に出荷されているとのことであり、その分を除くと、4K関連製品の売上高は約26.5億円となる。過去2期の通期連結売上高を上回る額を4K関連製品で積み増すことになるが、約8割を4K Smart Tuner関連製品、約2割をテレビ関連製品で売り上げる計画とのこと。4K Smart Tunerは、前期から持ち越された分以外にも国内大手家電メーカー2社向けのOEM製品で受注が確定しているものが相当量あり、第1四半期(2018年10月−12月)にその多くが出荷される予定で、それ以外を自社ブランド製品でいかに売上げを立てられるかが課題。また、同社単体の営業利益予想に基づく営業利益率は3%超となるが、営業黒字を達成した2017年9月期の営業利益率が0.8%と低水準にとどまっていたことを考えると、容易に達成可能な利益水準とは見受けられない。同社はAV関連事業においても、売上高の大幅な増加により、営業利益予想の達成は可能としている。
2019年9月期通期業績予想は、AV関連事業、家電事業ともに大幅な増収を前提にしたものであり、売上高が未達になった場合は黒字回復が危ぶまれる。増収の中でも、自社ブランドでの4K関連製品の販売拡大が最大の課題と言える。2018年12月1日からの新4K衛星放送の開始に合わせて、書き入れ時の年末年始商戦を含む上半期(2018年10月−2019年3月)は、OEM製品の出荷もあり順調な進捗が予想されることから、上半期にどこまでの売上高の積み上げと利益水準の確保ができるかを見守りたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)
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