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■グローブライド<7990>の今後の展望・戦略
● 中期経営計画
2017年3月期を最終年度とする前回の中期経営計画は、連結売上高が80,000百万円(2014年3月期比18%増)、連結営業利益が3,000百万円(同30%増)、1株当たり配当金50円(同実質15円増配)を目標としていた。円高による目減りの影響を受けた売上高こそわずかながら未達となったが、営業利益は1期前倒しで達成し、目標値を416百万円上回った。
それに続いて、同社では「攻めの経営」を持続し更なる成長を目指し、企業価値の向上を図るため、2021年3月期を最終年度とする「新中期経営計画2020」を進めている。ここでは、市場優位性のある製品提供力の追求、国内市場の活性化と健全化、海外市場の攻略という前回の中期経営計画でも掲げていた3つの施策を継続している。
最終年度の2021年3月期は東京オリンピック・パラリンピックの年がターゲットとなるが、国内のスポーツ熱は高まると見られ、環境は悪くはなさそうだ。ただ、人口減の日本国内は大きな市場の広がりが見込めない。国内市場の活性化は期待されるが、成長の原動力になるのは今後も海外事業になるのは間違いないだろう。
なかでもアジア地域は所得水準の向上が想定され、レジャーとしての釣りが広がりそうな状況にある。このように新たな市場の開拓余地があることから、策定した計画に沿った形で成長路線を歩むことが期待できる。
数値の目標として、最終年度である2021年3月期に売上高100,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げ、年間配当は年間70円を目指している。配当金については、毎年5円ずつ増配しているが、2021年3月期に70円を実現できれば、計算上で10期連続の5円増配になる点が注目できるだろう。
また、同社では2020年以降の“ポスト五輪”を計画策定において強く意識している。国内需要が落ち込むなかで魅力ある商品づくりを進めるとともに、成長路線をキープできるように海外の基盤をより強化していく。実際、国内のトップセールスを海外販売における指導者として現地に派遣しており、この取り組みが実を結んでいる。
海外については、従前、高級品の販売に力を注いでいたが、ここにきてボリュームゾーンにも重きを置き始めた。中普及価格帯製品は、高級品に比べて利益率は低いものの、現状では数量増加で利益を上積みしている。
商品別の戦略に関しては、以下に示したとおりだ。
(1) フィッシング
国内の釣り人口は、残念ながら高齢化の影響が出ており、全体的に減少傾向にあることは否めない。一見するとほかの消費財と同様、先行きに不安を抱かせる状況だ。
そのなかで同社は今までの釣りとは異なる新しい釣りを提案、自ら新たな市場を創ることで売上高増を目指している。これは、他社ではまねできない革新的な製品を次々と世に出しているからこそできる、同社の強みと言っていいだろう。さらに、組織化して40年以上となるD.Y.F.C(ダイワヤングフィッシングクラブ)など若者向けの啓蒙活動を行っており、市場開拓に余念がない。
他方、将来における成長の原動力として期待できるのは、やはり海外向けとなる。とりわけ、現時点でも伸長が著しいアジア向けへの期待が大きい。例えば、中国では同社の製品は普及価格帯の数倍の価格ながら、所得水準が高い層からのニーズが特に強い。また、釣りの“あり方”も、フナやコイなどのシンプルな釣りから、ルアーやリールを使う釣りを求めるようになっている。東南アジアなどでも、今後、所得水準が上がるにつれ、同社が手掛ける高機能な高級品に対する引き合いが活発化していく可能性が高い。
一方、欧米市場は成熟化しており、景気動向に左右されがちとなるが、同社のシェアについてはまだまだ拡大する余地は多い。地域特性に適合した製品ラインナップの強化など、シェアを獲る戦略で臨んでいく。
(2) ゴルフ
フィッシングが全世界でシェアアップを目指しているのに対し、ゴルフは住友ゴム工業<5110>スポーツ事業本部(旧ダンロップスポーツ(株))、ブリヂストン<5108>などといった企業と量で競うことはしない。
他のメーカーとは一線を画し、「ONOFF」「FOURTEEN」などのブランド価値を大切にしながら、製品のファンである顧客に上質な製品・サービスを提供している。具体的には、会員が1万人以上の「FOURTEEN」のファンクラブに続き、「ONOFF」ブランドでもメンバーシップ組織を構築する。ONOFFカスタマーへのサービスを充実させCS(顧客満足度)を高めていく施策がスタートしている。「FOURTEEN」については、“ウェッジのFOURTEEN”というウェッジのトップブランドを再確認する格好で見直し、巻き返しを図る。
メンバーシップ組織では、会員限定で試打会を実施する。ファンを大切にするとともに、着実にブランド価値を高め、安定的な売上増を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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● 中期経営計画
2017年3月期を最終年度とする前回の中期経営計画は、連結売上高が80,000百万円(2014年3月期比18%増)、連結営業利益が3,000百万円(同30%増)、1株当たり配当金50円(同実質15円増配)を目標としていた。円高による目減りの影響を受けた売上高こそわずかながら未達となったが、営業利益は1期前倒しで達成し、目標値を416百万円上回った。
それに続いて、同社では「攻めの経営」を持続し更なる成長を目指し、企業価値の向上を図るため、2021年3月期を最終年度とする「新中期経営計画2020」を進めている。ここでは、市場優位性のある製品提供力の追求、国内市場の活性化と健全化、海外市場の攻略という前回の中期経営計画でも掲げていた3つの施策を継続している。
最終年度の2021年3月期は東京オリンピック・パラリンピックの年がターゲットとなるが、国内のスポーツ熱は高まると見られ、環境は悪くはなさそうだ。ただ、人口減の日本国内は大きな市場の広がりが見込めない。国内市場の活性化は期待されるが、成長の原動力になるのは今後も海外事業になるのは間違いないだろう。
なかでもアジア地域は所得水準の向上が想定され、レジャーとしての釣りが広がりそうな状況にある。このように新たな市場の開拓余地があることから、策定した計画に沿った形で成長路線を歩むことが期待できる。
数値の目標として、最終年度である2021年3月期に売上高100,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げ、年間配当は年間70円を目指している。配当金については、毎年5円ずつ増配しているが、2021年3月期に70円を実現できれば、計算上で10期連続の5円増配になる点が注目できるだろう。
また、同社では2020年以降の“ポスト五輪”を計画策定において強く意識している。国内需要が落ち込むなかで魅力ある商品づくりを進めるとともに、成長路線をキープできるように海外の基盤をより強化していく。実際、国内のトップセールスを海外販売における指導者として現地に派遣しており、この取り組みが実を結んでいる。
海外については、従前、高級品の販売に力を注いでいたが、ここにきてボリュームゾーンにも重きを置き始めた。中普及価格帯製品は、高級品に比べて利益率は低いものの、現状では数量増加で利益を上積みしている。
商品別の戦略に関しては、以下に示したとおりだ。
(1) フィッシング
国内の釣り人口は、残念ながら高齢化の影響が出ており、全体的に減少傾向にあることは否めない。一見するとほかの消費財と同様、先行きに不安を抱かせる状況だ。
そのなかで同社は今までの釣りとは異なる新しい釣りを提案、自ら新たな市場を創ることで売上高増を目指している。これは、他社ではまねできない革新的な製品を次々と世に出しているからこそできる、同社の強みと言っていいだろう。さらに、組織化して40年以上となるD.Y.F.C(ダイワヤングフィッシングクラブ)など若者向けの啓蒙活動を行っており、市場開拓に余念がない。
他方、将来における成長の原動力として期待できるのは、やはり海外向けとなる。とりわけ、現時点でも伸長が著しいアジア向けへの期待が大きい。例えば、中国では同社の製品は普及価格帯の数倍の価格ながら、所得水準が高い層からのニーズが特に強い。また、釣りの“あり方”も、フナやコイなどのシンプルな釣りから、ルアーやリールを使う釣りを求めるようになっている。東南アジアなどでも、今後、所得水準が上がるにつれ、同社が手掛ける高機能な高級品に対する引き合いが活発化していく可能性が高い。
一方、欧米市場は成熟化しており、景気動向に左右されがちとなるが、同社のシェアについてはまだまだ拡大する余地は多い。地域特性に適合した製品ラインナップの強化など、シェアを獲る戦略で臨んでいく。
(2) ゴルフ
フィッシングが全世界でシェアアップを目指しているのに対し、ゴルフは住友ゴム工業<5110>スポーツ事業本部(旧ダンロップスポーツ(株))、ブリヂストン<5108>などといった企業と量で競うことはしない。
他のメーカーとは一線を画し、「ONOFF」「FOURTEEN」などのブランド価値を大切にしながら、製品のファンである顧客に上質な製品・サービスを提供している。具体的には、会員が1万人以上の「FOURTEEN」のファンクラブに続き、「ONOFF」ブランドでもメンバーシップ組織を構築する。ONOFFカスタマーへのサービスを充実させCS(顧客満足度)を高めていく施策がスタートしている。「FOURTEEN」については、“ウェッジのFOURTEEN”というウェッジのトップブランドを再確認する格好で見直し、巻き返しを図る。
メンバーシップ組織では、会員限定で試打会を実施する。ファンを大切にするとともに、着実にブランド価値を高め、安定的な売上増を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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