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ウェーブロックホールディングスのニュース
*16:40JST ウェーブロックHD Research Memo(10):金属調加飾フィルムの売上規模は3年で2倍に成長する見通し(2)
■ウェーブロックホールディングス<7940>の今後の見通し
(2) 成長分野の拡大
成長分野である金属調加飾フィルム関連の売上高については、2024年3月期実績の約32億円から2027年3月期に約2倍増を目指す。2024年3月期までの3年間の年平均成長率が21.1%だったのに対して、今後3年間は26.0%と成長が加速する計画となっている。メインターゲットとなる自動車業界については新車の開発期間が長いため、2~3年先までの部材の選定がほぼ決まっているため、蓋然性の高い目標値になっていると考えられる。売上高が計画に届かないリスクがあるとすれば、採用モデルの販売が中止になるか、販売台数が計画から大きく乖離するケースなどである。地域別では北米向けの成長が最も大きく、2027年3月期は構成比で6割程度を占める見通しだ。次いで、インド・アジア、欧州、日本、中国・台湾の順となる。
海外市場では、光や電波の透過性、意匠性の高さ、環境配慮型製品であることが評価されており、EVのエンブレムなど外装品を中心に採用が進んでいる。北米ではフィルムだけでなくパーツ成形品としての採用も拡大する見通しだ。中国では、2025年3月期よりEV向け(中国・欧米メーカー向け)の販売が立ち上がる見通しだ。またインドでは、自動二輪車向けに販売していたが、今後は自動車向けの販売が拡大するものと予想される。一方、日本市場については採用に慎重なメーカーが多いようで、3ヶ年で大きな成長を見込んでいない。当面は、環境配慮型の新製品を開発し訴求していく。収益性については、ボリューム拡大に伴うフィルム工場の操業度アップ、並びに成形工場(国内/米国)におけるロボット導入や検査工程の自動化を進めることで安定供給体制の構築と利益率向上を目指す。
(3) グループシナジーの最大化とさらなる深化
同社では直近の資本提携先2社とのシナジー創出と関係深化に取り組むと同時に、既存事業の周辺領域におけるM&Aやさらなる新規事業の開発などの可能性についても模索していく考えだ。
2023年5月に資本業務提携を発表したRP東プラとの取り組みでは、同社のパッケージソリューション分野とRP東プラの容器事業の生産最適化の検討を進めているほか、環境対応製品の共同開発、取引先や製商品のクロスセルによる相互売上高の拡大、共同購買、共同物流など各テーマで定期的に協議を進めており、3ヶ年のなかでシナジーを創出したい考えだ。このうち、共同購買及び共同物流については具体的に進み始めているもようだ。また、関係深化に向けてさらなる追加出資を行う可能性もある。
プラスチック総合加工メーカーであるRP東プラの連結売上高は、2023年3月期で231億円と同社と同規模であり、国内外に広範な生産体制を構築し(海外はインドネシア、ベトナム、マレーシアに製造販売子会社を保有)、自動車や家電製品など幅広い業界で事業展開している。なかでもPETシート(部品トレー、食品包装材など向け)で高シェアを持っており、同社と事業領域や製品が重なる部分も多い。このため、生産や購買・物流など両社が持つ経営リソースを共有化することによるシナジー効果は大きいと弊社では見ている。
一方、2022年9月に資本業務提携を締結した(株)チームライク(出資比率11.2%)は、業務用のビニールカーテン・シートなどを専門とするECサイト「ビニプロ.com」を運営(取引先は5万社超)しているほか、自社で製品の加工工場を持つことで短納期・小ロットの個別注文にも対応できることが特徴で、2023年度の売上規模は10億円強となっている。これまで「ビニプロ.com」を通じて同社製品の販売を行ってきたが、今後はチームライクの強みである短納期の加工サービスも活用していく考えだ。受注規模は小さくなるが、短納期の注文品は通常よりも高い価格で販売できるため利益率の改善に寄与すると見ているためだ。同社グループの顧客からニーズがあれば受注し、チームライクに発注することになる。
そのほかM&Aや新規事業開発への投資についても引き続き検討しており、ターゲットとしては既存事業である樹脂加工に近い分野で既存事業と接合する分野、また樹脂加工の隣接分野で既存事業に付加価値を付与する分野、さらには同社の強みが生かせる新規分野への投資を検討している。M&Aの資金としては30億円を上限に考えており、資金の調達手段については機動的に判断していく。
(4) 従業員のエンゲージメント向上
従業員のエンゲージメント向上施策として、(1)グループ人財育成の強化・推進、(2)健康経営の推進、(3)業績向上に資する報酬還元、の3点に取り組んでいく。人財育成においては自ら育つ社員を醸成する教育システムを構築するとともに、各種研修体系を整理し、一定水準以上の継続的な費用を投入していく。また、3ヶ年の計画期間において年率3~5%の賃金アップと人員増を進めることで、2027年3月期の人件費は2024年3月期比で20%増を計画している。また、事業セグメントや地域、役割、成果に応じて積極的に報酬を還元し、モチベーションアップにつなげていく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
(2) 成長分野の拡大
成長分野である金属調加飾フィルム関連の売上高については、2024年3月期実績の約32億円から2027年3月期に約2倍増を目指す。2024年3月期までの3年間の年平均成長率が21.1%だったのに対して、今後3年間は26.0%と成長が加速する計画となっている。メインターゲットとなる自動車業界については新車の開発期間が長いため、2~3年先までの部材の選定がほぼ決まっているため、蓋然性の高い目標値になっていると考えられる。売上高が計画に届かないリスクがあるとすれば、採用モデルの販売が中止になるか、販売台数が計画から大きく乖離するケースなどである。地域別では北米向けの成長が最も大きく、2027年3月期は構成比で6割程度を占める見通しだ。次いで、インド・アジア、欧州、日本、中国・台湾の順となる。
海外市場では、光や電波の透過性、意匠性の高さ、環境配慮型製品であることが評価されており、EVのエンブレムなど外装品を中心に採用が進んでいる。北米ではフィルムだけでなくパーツ成形品としての採用も拡大する見通しだ。中国では、2025年3月期よりEV向け(中国・欧米メーカー向け)の販売が立ち上がる見通しだ。またインドでは、自動二輪車向けに販売していたが、今後は自動車向けの販売が拡大するものと予想される。一方、日本市場については採用に慎重なメーカーが多いようで、3ヶ年で大きな成長を見込んでいない。当面は、環境配慮型の新製品を開発し訴求していく。収益性については、ボリューム拡大に伴うフィルム工場の操業度アップ、並びに成形工場(国内/米国)におけるロボット導入や検査工程の自動化を進めることで安定供給体制の構築と利益率向上を目指す。
(3) グループシナジーの最大化とさらなる深化
同社では直近の資本提携先2社とのシナジー創出と関係深化に取り組むと同時に、既存事業の周辺領域におけるM&Aやさらなる新規事業の開発などの可能性についても模索していく考えだ。
2023年5月に資本業務提携を発表したRP東プラとの取り組みでは、同社のパッケージソリューション分野とRP東プラの容器事業の生産最適化の検討を進めているほか、環境対応製品の共同開発、取引先や製商品のクロスセルによる相互売上高の拡大、共同購買、共同物流など各テーマで定期的に協議を進めており、3ヶ年のなかでシナジーを創出したい考えだ。このうち、共同購買及び共同物流については具体的に進み始めているもようだ。また、関係深化に向けてさらなる追加出資を行う可能性もある。
プラスチック総合加工メーカーであるRP東プラの連結売上高は、2023年3月期で231億円と同社と同規模であり、国内外に広範な生産体制を構築し(海外はインドネシア、ベトナム、マレーシアに製造販売子会社を保有)、自動車や家電製品など幅広い業界で事業展開している。なかでもPETシート(部品トレー、食品包装材など向け)で高シェアを持っており、同社と事業領域や製品が重なる部分も多い。このため、生産や購買・物流など両社が持つ経営リソースを共有化することによるシナジー効果は大きいと弊社では見ている。
一方、2022年9月に資本業務提携を締結した(株)チームライク(出資比率11.2%)は、業務用のビニールカーテン・シートなどを専門とするECサイト「ビニプロ.com」を運営(取引先は5万社超)しているほか、自社で製品の加工工場を持つことで短納期・小ロットの個別注文にも対応できることが特徴で、2023年度の売上規模は10億円強となっている。これまで「ビニプロ.com」を通じて同社製品の販売を行ってきたが、今後はチームライクの強みである短納期の加工サービスも活用していく考えだ。受注規模は小さくなるが、短納期の注文品は通常よりも高い価格で販売できるため利益率の改善に寄与すると見ているためだ。同社グループの顧客からニーズがあれば受注し、チームライクに発注することになる。
そのほかM&Aや新規事業開発への投資についても引き続き検討しており、ターゲットとしては既存事業である樹脂加工に近い分野で既存事業と接合する分野、また樹脂加工の隣接分野で既存事業に付加価値を付与する分野、さらには同社の強みが生かせる新規分野への投資を検討している。M&Aの資金としては30億円を上限に考えており、資金の調達手段については機動的に判断していく。
(4) 従業員のエンゲージメント向上
従業員のエンゲージメント向上施策として、(1)グループ人財育成の強化・推進、(2)健康経営の推進、(3)業績向上に資する報酬還元、の3点に取り組んでいく。人財育成においては自ら育つ社員を醸成する教育システムを構築するとともに、各種研修体系を整理し、一定水準以上の継続的な費用を投入していく。また、3ヶ年の計画期間において年率3~5%の賃金アップと人員増を進めることで、2027年3月期の人件費は2024年3月期比で20%増を計画している。また、事業セグメントや地域、役割、成果に応じて積極的に報酬を還元し、モチベーションアップにつなげていく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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