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ヤマノホールディングスのニュース
*12:41JST ヤマノHD Research Memo(1):2024年3月期は減収減益も教育事業は順調に成長
■要約
ヤマノホールディングス<7571>は、ヤマノグループの創始者山野愛子(やまのあいこ)氏が提唱した美道五原則「髪・顔・装い・精神美・健康美」を企業理念として掲げ、美容事業、和装宝飾事業、DSM(Direct Sales Marketing)事業、教育事業、リユース事業等を展開する。中小企業の事業承継型M&Aをビジネス成長モデルとして、ライフスタイル領域を事業ドメインとして領域を拡充しながら、人的資本をより活かす経営、既存事業の収益安定化、資本コストや株価を意識した経営を進めて経営基盤のさらなる充実を図り、2030年に向けてビジョンとする「従業員が投資したくなる会社へ」の成長を目指す。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は、売上高13,837百万円(前期比0.5%減)、営業利益100百万円(同66.2%減)、経常利益102百万円(同64.4%減)、親会社株主に帰属する当期純損失28百万円(前期は173百万円の利益)の減収減益となった。売上高の約7割を占める和装宝飾事業が減収減益となったことが大きく響いた。一方、2023年12月に学習塾の(株)灯学舎を子会社化した教育事業は、増収増益と順調に業績を伸ばし、事業の1つの柱に成長した。ただし、2022年6月に子会社化した古着販売の(株)OLD FLIPについては、売上高には寄与したものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)明けの古着に対する消費者購買意欲の減退、テナントコストや仕入単価の上昇、仕入商品の不足等により損益が悪化した。そのため、OLD FLIPに係るのれんの減損損失34百万円を特別損失に、繰延税金資産の取崩し、法人税等調整額47百万円を計上した。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失を計上することとなり無配となった。
2. 2025年3月期業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高14,000百万円(前期比1.2%増)、営業利益260百万円(同157.8%増)、経常利益230百万円(同125.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益120百万円(前期は28百万円の損失)と増収増益を見込む。業績の鍵を握るのは、やはり主力の美容事業、そしてコロナ禍後も回復の遅れがみられていた和装宝飾事業の本格的なリカバリーとなる。また、売上高は灯学舎が通期で寄与することを踏まえれば、やや保守的な計画であろう。損益面では、和装宝飾事業、美容事業の損益改善等に注力し、増益への反転を見込む。和装宝飾事業は不採算店舗を整理する一方で、「きもの会」「前楽結び着方教室」の開催数・規模拡大、新商品開発・商品提案力強化等により顧客数を拡大する。美容事業も店舗の業態転換を進め、顧客単価アップによる損益改善を進める方針である。
3. 2030年ビジョンと中期経営計画
同社は2024年5月に中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を策定した。「豊かさと彩りあるライフスタイルを創造し続けます」というミッションを掲げ、その先に目指す「2030年ビジョン」を「従業員が投資したくなる会社へ」と定めた。中計では、経営基盤のさらなる充実を図るため「人的資本をより活かす経営」「既存事業の収益安定化」「資本コストや株価を意識した経営」を重点的に取り組むが、特に店舗運営における生産性向上に注力し、2027年3月期の既存事業の売上高145億円(年平均成長率1.6%)、EBITDA4億円(同22.2%)を目標とする。また、M&Aによる既存事業とのシナジー発現と新規事業の獲得により、既存事業に上乗せされる売上高は30~40億円、EBITDAは3~4億円規模を目標とする。業容の拡充を図ることで事業収益力を高め、株主資本コストを上回るROEを実現する。利益配分は、2025年3月期に復配した上で安定的かつ継続した株式配当を基本に、人的投資、事業成長投資並びに自己資本の蓄積等のバランスを重視した利益配分を行う計画である。
■Key Points
・2024年3月期は減収減益ながら、教育事業が増収増益で事業の1つの柱に成長
・2025年3月期は和装宝飾事業・美容事業の損益改善等に注力し反転へ
・2027年3月期の売上高175〜185億円、EBITDA7〜8億円を目標に経営基盤のさらなる充実を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
<SO>
ヤマノホールディングス<7571>は、ヤマノグループの創始者山野愛子(やまのあいこ)氏が提唱した美道五原則「髪・顔・装い・精神美・健康美」を企業理念として掲げ、美容事業、和装宝飾事業、DSM(Direct Sales Marketing)事業、教育事業、リユース事業等を展開する。中小企業の事業承継型M&Aをビジネス成長モデルとして、ライフスタイル領域を事業ドメインとして領域を拡充しながら、人的資本をより活かす経営、既存事業の収益安定化、資本コストや株価を意識した経営を進めて経営基盤のさらなる充実を図り、2030年に向けてビジョンとする「従業員が投資したくなる会社へ」の成長を目指す。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は、売上高13,837百万円(前期比0.5%減)、営業利益100百万円(同66.2%減)、経常利益102百万円(同64.4%減)、親会社株主に帰属する当期純損失28百万円(前期は173百万円の利益)の減収減益となった。売上高の約7割を占める和装宝飾事業が減収減益となったことが大きく響いた。一方、2023年12月に学習塾の(株)灯学舎を子会社化した教育事業は、増収増益と順調に業績を伸ばし、事業の1つの柱に成長した。ただし、2022年6月に子会社化した古着販売の(株)OLD FLIPについては、売上高には寄与したものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)明けの古着に対する消費者購買意欲の減退、テナントコストや仕入単価の上昇、仕入商品の不足等により損益が悪化した。そのため、OLD FLIPに係るのれんの減損損失34百万円を特別損失に、繰延税金資産の取崩し、法人税等調整額47百万円を計上した。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失を計上することとなり無配となった。
2. 2025年3月期業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高14,000百万円(前期比1.2%増)、営業利益260百万円(同157.8%増)、経常利益230百万円(同125.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益120百万円(前期は28百万円の損失)と増収増益を見込む。業績の鍵を握るのは、やはり主力の美容事業、そしてコロナ禍後も回復の遅れがみられていた和装宝飾事業の本格的なリカバリーとなる。また、売上高は灯学舎が通期で寄与することを踏まえれば、やや保守的な計画であろう。損益面では、和装宝飾事業、美容事業の損益改善等に注力し、増益への反転を見込む。和装宝飾事業は不採算店舗を整理する一方で、「きもの会」「前楽結び着方教室」の開催数・規模拡大、新商品開発・商品提案力強化等により顧客数を拡大する。美容事業も店舗の業態転換を進め、顧客単価アップによる損益改善を進める方針である。
3. 2030年ビジョンと中期経営計画
同社は2024年5月に中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を策定した。「豊かさと彩りあるライフスタイルを創造し続けます」というミッションを掲げ、その先に目指す「2030年ビジョン」を「従業員が投資したくなる会社へ」と定めた。中計では、経営基盤のさらなる充実を図るため「人的資本をより活かす経営」「既存事業の収益安定化」「資本コストや株価を意識した経営」を重点的に取り組むが、特に店舗運営における生産性向上に注力し、2027年3月期の既存事業の売上高145億円(年平均成長率1.6%)、EBITDA4億円(同22.2%)を目標とする。また、M&Aによる既存事業とのシナジー発現と新規事業の獲得により、既存事業に上乗せされる売上高は30~40億円、EBITDAは3~4億円規模を目標とする。業容の拡充を図ることで事業収益力を高め、株主資本コストを上回るROEを実現する。利益配分は、2025年3月期に復配した上で安定的かつ継続した株式配当を基本に、人的投資、事業成長投資並びに自己資本の蓄積等のバランスを重視した利益配分を行う計画である。
■Key Points
・2024年3月期は減収減益ながら、教育事業が増収増益で事業の1つの柱に成長
・2025年3月期は和装宝飾事業・美容事業の損益改善等に注力し反転へ
・2027年3月期の売上高175〜185億円、EBITDA7〜8億円を目標に経営基盤のさらなる充実を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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