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たけびし、上期は減収減益も通期予想の過去最高の売上高1,015億円は据え置き 成長戦略推進とNEWビジネス創出に注力
2025年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会
岡垣浩志氏:みなさま、こんにちは。代表取締役社長の岡垣です。本日はご多用のところ、説明会にお集まりくださり誠にありがとうございます。
表紙の写真についてご説明します。左下は、当社がネーミングライツを取得している「たけびしスタジアム京都」の写真、左上は、今年7月に当社で開催した「たけびしソリューションフェア」の写真、右下は、インドで開催された「electronica India」という展示会に出展した際の写真です。
目次
本日は会社概要、上期の決算概要、セグメント別の状況、中期経営計画「T-Link1369」についてご説明します。
会社概要
まず、会社概要です。当社は、京都に本社を置く三菱電機系の技術商社です。当社の特徴は、単に製品を販売するだけではなく、自社オリジナルのソフトウェア開発やエンジニアリング、システム開発を行い、それらをパートナー製品と組み合わせることで、お客さまにトータルソリューションを提供している点です。また、仕入先と販売先の数が非常に多い点も、当社の特徴の1つです。
ネットワーク(拠点・関係会社)
次に、当社のネットワークについてご説明します。国内に7支店・1営業所、グループ会社が6社あります。今年9月に、当社の子会社で携帯ショップの運営やスマートフォンのアプリ開発を行うフジテレコムズが、アスベストの分析を行う「アーバンエココンサルティング」という会社のM&Aを実施しました。詳細については後ほどご説明します。
海外には、グループ会社が5社あります。当社の直営拠点は中国の上海、香港、深圳連絡事務所、タイ、ベトナムです。また、2021年にM&Aを行った、電子部品や実装機を販売している「Le Champ(リチャンプ)」という会社があります。こちらはシンガポールに本社があり、インドのほか計8ヶ国に16の拠点を有しています。
売上高構成比と主要取扱製品
当社の売上高構成比と主要取扱製品についてご説明します。2024年3月期は売上高1,014億円で、そのうち産業機器システムが41パーセント、半導体・デバイスが33パーセント、社会・情報通信が26パーセントとなっています。今後も、この4対3対3のバランスで安定した成長を目指していきたいと考えています。
また、国内と海外の売上高比率については、全体の22パーセントが海外となっています。今後も海外ビジネスを拡大させ、この数字を伸ばしていきたいと考えています。
なお、取扱製品はスライドに記載のとおりです。
2025年3月期 第2四半期実績・通期予想
今年度の上期実績と通期予想についてご説明します。上期の売上高は476億円、経常利益は16億円、当期利益は14億円となりました。当期利益には、政策保有株式の一部売却による特別利益の影響があります。
通期予想については、売上高1,015億円、経常利益36億円で、公表値は修正していません。
2025年3月期 第2四半期 営業利益(前年同期比)
上期の営業利益の前年同期比です。まず、海外関係会社を中心とした為替の影響がプラス3,000万円ありました。しかし、FA機器・デバイス等を中心に、全体の売上規模の減少が影響し3億円のマイナスとなりました。また、在庫償却・評価損や販売管理費の増加により、トータルとしては前年同期比マイナス5億4,000万円となっています。
半期別 売上高・営業利益推移
こちらのグラフは、半期ごとの売上高・営業利益の推移です。2021年のLe Champ社M&A後、右肩上がりで売上高が伸長してきましたが、今年度の上期はFA機器の減少等もあり減収となりました。ただし、下期の売上高は過去最高の539億円を計画しています。
産業機器システム
セグメント別の実績と見通しについてご説明します。まず、当社の主力である産業機器システムです。
FA機器については、上期は電子部品実装機向けや盤メーカー向けなどが堅調に推移したものの、FA機器の在庫を抱えている顧客先での消化がなかなか進まず、全体では売上高減となりました。この流れは下期も継続する見込みです。
一方、当社が注力して取り組んでいる装置システムビジネスは、上期にスマートファクトリー関連の需要が増加しました。下期も半導体関係の顧客を中心に需要が増加する見込みです。
セグメント全体では、下期で前年同期比プラス5億円を計画しています。
半導体デバイス
次に、半導体デバイスについてです。
デバイスは国内では堅調に推移しており、海外でもLe Champ社を中心にインドでの需要を捉えることで増加しています。下期も、国内・海外ともに堅調に推移する見込みです。
半導体についても、国内では堅調な需要があります。ただし、昨年や一昨年の半導体不足の際、当社は海外の市場流通品を顧客に相当数販売していました。それらの需要が今年度は減少しているため、全体として売上高も減少しています。
セグメント全体では、下期で前年同期比プラス6億円を計画しています。
社会・情報通信
最後に、社会・情報通信についてです。
最も多くの売上高を占めるのが医療システムです。上期は診断装置ビジネス等が増加したものの、主力の放射線がん治療装置の需要が集中した前年と比較すると、売上高は減少しています。一方、下期は更新需要と中国地方・四国地方のエリア拡大により、堅調に推移する見込みです。
セグメント全体では、下期で前年同期比プラス17億円を計画しています。
中期経営計画『T-Link1369』
続いて、中期経営計画「T-Link1369」についてご説明します。当社が100周年を迎える2027年3月期に向けて、売上高1,300億円を目指すという計画です。また、NEWビジネスでプラス300億円、経常利益60億円、ROE9パーセントを目標としています。
「T-Link1369」達成のための重点施策(成長・変革・財務・非財務)についてご説明します。まず、「成長」では、「グローバル」「メディカル」「オートメーション」「オリジナル」の4つを当社の成長戦略として進化させていきます。また、「変革」では、既存の枠組みを超えたNEWビジネスを創出していきます。加えて、「財務」、「非財務」ともに体制を強化し、中期経営計画の達成に向けて取り組んでいきます。
中期経営計画進捗
中期経営計画の進捗についてご説明します。初年度である2024年3月期の売上高実績は1,014億円です。2025年3月期の売上高は、基幹ビジネスであるFA機器・デバイスの一部落ち込みもあり、前期比プラス1億円の1,015億円を計画しています。
ただし、当社が成長分野として取り組んでいる領域は着実に伸びていますので、中期経営計画達成年度に向けて、この領域をさらに伸ばしていきます。また、基幹ビジネスについても、しっかりと需要を捉えて拡大させていけるよう取り組みを進めています。
当社のROEは、現在6.3パーセントです。資本コストはROEを上回っているものの、低いレベルにとどまっています。全体の売上規模の拡大と、当社が得意とするソリューションビジネスの加速により付加価値の高い案件を獲得していくことで、目標の達成を目指していきます。
4つの成長戦略の進化(グローバル)
個別の成長戦略についてご説明します。1つ目は「グローバル」です。「新地域・新分野への事業拡大」として、特に海外のLe Champ社を中心に取り組みを進めています。インドでは、スマートメーターや二輪EV向けデバイスの拡大のほか、新たな基板ビジネスも展開しています。
また、「海外M&Aを中心とした業容・ビジネス領域の拡大」では、当社が得意としている表示デバイスビジネスにおいて、新たな仕入先の開拓により液晶等の商材を獲得し、ビジネスを強化していきたいと考えています。
グローバル全体の2025年3月期の売上高予想は225億円、2027年3月期は315億円を計画しています。また、海外売上高の構成については、中国・香港は現在の規模を据え置いたまま、今後、東南アジア・インドを大きく伸ばしていく計画です。
4つの成長戦略の進化(メディカル)
成長戦略の2つ目「メディカル」では、放射線がん治療装置が売上高の多くを占めています。日本は高齢化が進むにつれて、がんの罹患率も年々高くなってきています。そのため、病院においても、更新需要等が活発に出てきています。そこで、従来、関西地区で持っていた販売商権を、中四国地区にまで拡大しています。今年4月には岡山県・愛媛県に販売エリアを広げました。また、広島県にサテライトオフィスを設置し、営業活動を強化しています。
そのほか、放射線がん治療装置以外の周辺ビジネスや、医療関係のDX・ICT需要も獲得することで、2025年3月期の売上高予想は125億円、2027年3月期は145億円を計画しています。
4つの成長戦略の進化(オートメーション)
成長戦略の3つ目は「オートメーション」です。今後、日本の労働人口が減少していくにつれ、自動化や無人化の需要はますます増えてくると考えています。当社は数年前からスマートファクトリービジネスを推進しており、営業部門とは別に専門の事業推進部隊を設けています。
今年度のトピックスとして、オーストリアに本社を置くB&R社と日本初のバリュープロバイダー契約を締結し、磁気で浮上する次世代リニア搬送システムの取り扱いを開始しました。この製品は、主に食品・半導体業界等に向けて展開しており、今年6月に東京で開催された「FOOMA JAPAN 2024」や、当社の「たけびしソリューションフェア 2024」にも出展しました。
また、当社は、製造現場の装置などの制御エリアを得意としています。パートナーであるITベンダーと協業し、ITから装置周りまでを一括で提案することで、顧客のスマートファクトリー化を推進しています。このような活動により、2025年3月期の売上高予想は60億円、2027年3月期は80億円を計画しています。
4つの成長戦略の進化(オリジナル)
成長戦略の4つ目は「オリジナル」、つまり自社製品についてです。オリジナル製品は当社の非常にユニークな点であり、大きく2つの製品があります。
1つは、工場の製造ラインとITシステムを接続するソフトウェア「デバイスエクスプローラ OPCサーバー」です。一般的に、工場の製造ラインとITシステムを接続する場合は世界標準である「OPC」という通信規格が用いられますが、当社はこの「OPC」に対応したソフトウェアを20年以上前から開発・販売しています。
関連製品を合わせて、これまでに世界62ヶ国で約5万5,000ライセンスの販売実績があります。現状、年間数千ライセンスを販売しており、国内では「OPC」というキーワードを検索すればすぐに当社の製品が出てくるほど、限られた領域ではありますが、非常に有名な製品となっています。
今後も、この製品を、海外パートナー・SIerとの連携によってワールドワイドに展開していきます。特に、インドやASEAN地区での展開を推し進め、売上高の拡大に努めていきたいと考えています。さらに、OPCサーバーについては、IT/OTの融合ソリューション創出により、上下水道や鉄道のような新領域への展開を進めています。
もう1つのオリジナル製品は、携帯ショップ向けスマホアプリ「COMPASS」です。こちらは月額課金制のSaaSビジネスのため、契約数が増えればその分だけ収益が増えるモデルになっています。最近では、自動車販売業者やサイクルショップ、自治体、金融関係など、携帯ショップ以外の業界への展開を進めています。また、「LINE」や生成AIとの連携による新たなニーズの発掘にも取り組んでいます。
オリジナル製品全体としては、2027年3月期に売上高20億円を計画しています。
総合商社を目指したビジネスモデルの変革
「変革」では、売上高50億円の創出を目指しています。「モビリティ」ではAGV・AMRを活用した搬送系のビジネス、「マテリアル」では電機とは関係のないメカ部品や建材・磁石関連のビジネスに取り組んでいます。また、「エネルギーソリューション」では太陽光を中心とした発電ビジネス、「DX推進」ではAIを活用した社内業務の改革やデジタルツイン関連のビジネスに取り組んでいます。
財務 資本効率を重視した経営の実践
次に、「財務」についてです。当社は今年1月に資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について開示し、大きく2点の取り組みを進めています。
1点目の取り組みは、「成長投資」です。将来の成長を見据え、M&Aを積極的に実施していこうと考えています。今年9月には、アスベストの分析を行う「アーバンエココンサルティング」を子会社のフジテレコムズの傘下に迎え入れました。アスベスト分析ビジネスの需要は2028年にピークを迎えると言われており、これからますますビジネスの規模が拡大することを見込んで、この領域でのNEWビジネスを推進していきます。
また、サステナビリティ投資にも注力します。カーボンニュートラル達成に向けて、来年度上期の稼働開始を目指した太陽光発電所を滋賀県に建設中です。規模はそこまで大きくはないものの、発電した電力は自己託送で京都本社まで送電する計画となっています。
2点目の取り組みは、「株主還元」です。当社の基本方針として、累進配当、配当性向40パーセント以上、2027年3月期の中期経営計画達成時にDOE4パーセント以上という目標を掲げています。
非財務 サステナビリティ経営の高度化
最後に、「非財務」についてです。ESGの1点目として、先ほどカーボンニュートラル達成に向けた投資の説明で触れたように、太陽光発電所の建設を行うほか、支店ではソーラーカーポートも導入予定です。実際に発電した電力で、支店の電力の一部あるいは本社の電力の一部を補う計画です。現在、当社は日本国内の全拠点で再エネ由来の電力を使用していますが、このように当社が自ら発電をすることで、追加性の高い再エネを活用していきたいと考えています。
2点目として、社会貢献と人的資本経営を推進します。今年4月から地域限定の総合職制度を新設し、転勤の伴わない新しい働き方を社員に提案しています。さらに、若手メンバーの主導により、当社の創立100周年に向けたプロジェクトを開始しました。また、クラブ活動や社内イベントも積極的に実施しており、社員間のコミュニケーション活性化を推進しています。その成果もあり、現在、離職率は非常に低い水準を保っています。今後も、このような活動を積極的に応援し、社員のエンゲージメントを高めていきたいと考えています。
最後の3点目として、海外を含めたグループガバナンス体制をしっかりと構築し、企業価値の向上を目指していく方針です。
以上でご説明を終わります。
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