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パリミキホールディングスのニュース
*13:36JST パリミキHD Research Memo(6):中期経営計画を更新。2025年3月期に営業利益15億円を目指す
■中長期の成長戦略
パリミキホールディングス<7455>では、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表していたが、初年度(2023年3月期)が終了したのに伴い、この計画を2023年5月に更新した。当初の計画数値は変わらないが、今後の施策をより具体的に記載した。以下がその概要(抜粋)である。
1. 中期経営計画の全体像と概要
(1) 全体像:同社が目指すもの
存在意義(Purpose)として 「トキメキとあんしんでお一人おひとりをより豊かに」を掲げ、目指す姿(Vision)として「2023年、私たちは世界的なホスピタリティブランドになる」を掲げている。様々な経営改革を実行し、利益体質を目指す。同社は2031年3月期までの歩みを3つのフェーズに分け、フェーズ1となる2023年3月期から2025年3月期の中期経営計画を推進している。
(2) 定量的目標
最終目標は2031年3月期に売上高65,000百万円、営業利益6,550百万円である。フェーズ1(2023年3月期~2025年3月期)における目標は売上高は50,020百万円、営業利益1,518百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円を目指す。
(3) 出店・改装計画
2031年3月期までに年間30~35店舗の改装を実施することで、「あたらしいパリミキ」を顧客へ打ち出していく。2023年3月期の新店舗・改装は296店(うち、新コンセプト店舗40店)、未改装は342店舗である。2031年3月期には新店舗・改装は585店(うち、新コンセプト店舗120店)、未改装は74店舗とする。併せてドミナント出店している既存店や不採算店を統廃合し好立地へ移転することで、統廃合効果2億円を見込んでいる。
(4) 商品展開
商品展開では主に、「フレーム」「レンズ」「補聴器」に注力する。
i)フレームにおける主な戦略
・徹底した品質管理:フレーム製造国内シェア90%以上の福井県・鯖江の自社工場を中心に、徹底した品質管理により、長く愛着を持って使用できる製作にこだわる。
・豊富な品ぞろえによるファッション提案:団塊ジュニア世代をターゲットにしたOEMフレームの開発。ファッション雑誌や他業種とのコラボ企画によるトレンド商品を展開。
・機能性商品の充実:「来て、見て、試して」分かる商品価値を提供。分かりやすい求めやすい機能性オリジナルブランドの開発。エシカル消費をリードする世代に合わせたアップサイクルフレームの提案。
ii) レンズにおける主な戦略
・快適な視生活の提案をするビジュアルライフケアを全店舗にて展開
実施率71.5%(2023年3月期)⇒100%(2025年3月期)を目指す。
・「眼鏡作製技能士」1級・2級保持者による安心測定の実現により、ただ見えるだけではない「よいメガネ」を提案し、付加価値の向上を目指す
・同社独自の瞳孔中心計測アプリ「アイポインター」により、累進(遠近)メガネを一人ひとりに正確に合わせ最適なレンズ、見え方を提供する。
・「眼鏡作製技能士」の知識・技術と ビジュアルライフケア測定による提案で累進レンズ(遠近)購入者の比率をさらに高める。
iii) オーディオライフケアにおける主な戦略
・補聴器本体売上:音楽を楽しむスマートフォン連動商品など、新商品導入により拡販を図る。従来の補聴器売り場から、音楽を楽しむ空間での聴力測定、聞こえの提案によりポジティブ装用者の増加を見込む。
・定額制(貸出)売上:定額制度の需要拡大を見込む。取扱商品の充実と告知を図る。
・他関連・業態売上:パリミキ・金鳳堂以外の売り場の開拓(海外店舗など)を進める。耳鼻科医院と協業した店舗展開。
・認定補聴器技能者:高い技術力と提案力により顧客の多様な ニーズに応える。業界最多の認定補聴器技能者数をさらに増加させる。(資格取得者:250名((2023年3月期)⇒ 370名(2028年3月期)を目指す)
(5) 中期経営計画 フェーズ1:初年度(2023年3月期)の振り返り
フェーズ1の初年度となる2023年3月期は、すべての目標を達成できたわけではないが、初年度の成果としてはまずまずと言える。定量的目標は、売上高46,750百万円、営業利益740百万円、営業利益率1.6%に対し、実績は売上高47,400百万円、営業利益732百万円、営業利益率1.5%となった。売上面では、コロナ禍や悪天候などの外的要因による国内売上の減少があったものの、計画は達成した。利益面では、光熱費や輸送費の高騰によるコストの増加が響き、未達となった。
国内では、出店18店舗(計画は17店舗)、新コンセプト店舗合計は296店(計画は301店舗)となった。「眼鏡作製技能士」取得者数は746名(計画は750名)となった。そのほか客数、売上増加による業績改善については、総客数は前期比0.6%増、売上高は同7.5%増となった。サングラスを中心としたインバウンド需要への積極的アプローチや、計画どおりの出退店、改装が奏功し、1店舗当たりの収益性が向上した。
海外では、出店 4店、退店 10店を進めたほか、眼科併設ベトナム2号店を開店し、シンガポール店では大型改装を行った。不採算店の退店を迅速に決断し、利益体質への改善を進めた。
積み残した課題は、残りの年度で改善する予定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<SI>
パリミキホールディングス<7455>では、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表していたが、初年度(2023年3月期)が終了したのに伴い、この計画を2023年5月に更新した。当初の計画数値は変わらないが、今後の施策をより具体的に記載した。以下がその概要(抜粋)である。
1. 中期経営計画の全体像と概要
(1) 全体像:同社が目指すもの
存在意義(Purpose)として 「トキメキとあんしんでお一人おひとりをより豊かに」を掲げ、目指す姿(Vision)として「2023年、私たちは世界的なホスピタリティブランドになる」を掲げている。様々な経営改革を実行し、利益体質を目指す。同社は2031年3月期までの歩みを3つのフェーズに分け、フェーズ1となる2023年3月期から2025年3月期の中期経営計画を推進している。
(2) 定量的目標
最終目標は2031年3月期に売上高65,000百万円、営業利益6,550百万円である。フェーズ1(2023年3月期~2025年3月期)における目標は売上高は50,020百万円、営業利益1,518百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円を目指す。
(3) 出店・改装計画
2031年3月期までに年間30~35店舗の改装を実施することで、「あたらしいパリミキ」を顧客へ打ち出していく。2023年3月期の新店舗・改装は296店(うち、新コンセプト店舗40店)、未改装は342店舗である。2031年3月期には新店舗・改装は585店(うち、新コンセプト店舗120店)、未改装は74店舗とする。併せてドミナント出店している既存店や不採算店を統廃合し好立地へ移転することで、統廃合効果2億円を見込んでいる。
(4) 商品展開
商品展開では主に、「フレーム」「レンズ」「補聴器」に注力する。
i)フレームにおける主な戦略
・徹底した品質管理:フレーム製造国内シェア90%以上の福井県・鯖江の自社工場を中心に、徹底した品質管理により、長く愛着を持って使用できる製作にこだわる。
・豊富な品ぞろえによるファッション提案:団塊ジュニア世代をターゲットにしたOEMフレームの開発。ファッション雑誌や他業種とのコラボ企画によるトレンド商品を展開。
・機能性商品の充実:「来て、見て、試して」分かる商品価値を提供。分かりやすい求めやすい機能性オリジナルブランドの開発。エシカル消費をリードする世代に合わせたアップサイクルフレームの提案。
ii) レンズにおける主な戦略
・快適な視生活の提案をするビジュアルライフケアを全店舗にて展開
実施率71.5%(2023年3月期)⇒100%(2025年3月期)を目指す。
・「眼鏡作製技能士」1級・2級保持者による安心測定の実現により、ただ見えるだけではない「よいメガネ」を提案し、付加価値の向上を目指す
・同社独自の瞳孔中心計測アプリ「アイポインター」により、累進(遠近)メガネを一人ひとりに正確に合わせ最適なレンズ、見え方を提供する。
・「眼鏡作製技能士」の知識・技術と ビジュアルライフケア測定による提案で累進レンズ(遠近)購入者の比率をさらに高める。
iii) オーディオライフケアにおける主な戦略
・補聴器本体売上:音楽を楽しむスマートフォン連動商品など、新商品導入により拡販を図る。従来の補聴器売り場から、音楽を楽しむ空間での聴力測定、聞こえの提案によりポジティブ装用者の増加を見込む。
・定額制(貸出)売上:定額制度の需要拡大を見込む。取扱商品の充実と告知を図る。
・他関連・業態売上:パリミキ・金鳳堂以外の売り場の開拓(海外店舗など)を進める。耳鼻科医院と協業した店舗展開。
・認定補聴器技能者:高い技術力と提案力により顧客の多様な ニーズに応える。業界最多の認定補聴器技能者数をさらに増加させる。(資格取得者:250名((2023年3月期)⇒ 370名(2028年3月期)を目指す)
(5) 中期経営計画 フェーズ1:初年度(2023年3月期)の振り返り
フェーズ1の初年度となる2023年3月期は、すべての目標を達成できたわけではないが、初年度の成果としてはまずまずと言える。定量的目標は、売上高46,750百万円、営業利益740百万円、営業利益率1.6%に対し、実績は売上高47,400百万円、営業利益732百万円、営業利益率1.5%となった。売上面では、コロナ禍や悪天候などの外的要因による国内売上の減少があったものの、計画は達成した。利益面では、光熱費や輸送費の高騰によるコストの増加が響き、未達となった。
国内では、出店18店舗(計画は17店舗)、新コンセプト店舗合計は296店(計画は301店舗)となった。「眼鏡作製技能士」取得者数は746名(計画は750名)となった。そのほか客数、売上増加による業績改善については、総客数は前期比0.6%増、売上高は同7.5%増となった。サングラスを中心としたインバウンド需要への積極的アプローチや、計画どおりの出退店、改装が奏功し、1店舗当たりの収益性が向上した。
海外では、出店 4店、退店 10店を進めたほか、眼科併設ベトナム2号店を開店し、シンガポール店では大型改装を行った。不採算店の退店を迅速に決断し、利益体質への改善を進めた。
積み残した課題は、残りの年度で改善する予定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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