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コンドーテック、利益は全項目で過去最高益 DOE目標を2.5%以上から4%以上に引き上げへ

投稿:2024/05/27 13:00

2024年3月期 連結業績サマリー

近藤勝彦氏:本日はコンドーテック株式会社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。早速ではございますが、2024年3月期決算をご説明させていただきます。

資料の4ページをご覧ください。連結業績サマリーでございます。民間設備投資などの需要を取り込むことに加えまして、製造原価や仕入価格上昇分の販売価格への転嫁を進めた結果、増収となりました。また利益については、すべての項目において過去最高益を更新いたしました。

2024年3月期 トピックス

今期のトピックスにつきましては5ページにありますように、株主還元目標であるDOEの目標を2.5パーセント以上から4パーセント以上に引き上げております。DOEとは、純資産のうちどの程度配当しているかを示す指標で、当社はこのDOEを指標として、配当を決定しております。

左のグラフのとおり、当社は継続して配当額を上回る利益を計上しているため、純資産は増加し続けております。DOEを指標にすることで、このように安定した財務基盤を構築するとともに配当原資が増加するため、減配リスクを低減し、継続的に増配を行える仕組みを構築しています。

そして、右のグラフをご覧ください。当社は上場以来減配をしておらず、前期まで13期連続増配を実現しており、今期の配当は6円増配の46円と、14期連続の増配を予定しております。

過去の業績推移

続きまして、当社の概要をご説明させていただきます。資料の7ページをご覧ください。当社は土木建築をはじめ、さまざまな業界へ約5万アイテムのインフラ関係資材を製造・販売している会社でございます。

表の棒グラフは当社の売上高、青い折れ線グラフは当社の経常利益の推移、赤い折れ線グラフは名目の建設投資を示しております。

当社の業績はご覧のように、リーマンショックとコロナ禍の影響は受けましたが、それを除きますと2003年以降大きく右肩上がりとなっております。1953年の設立以降、経常利益ベースでの赤字は一度もございません。小口の販売先が多く、大口の特定の業種・業界や販売先に左右されない小口分散販売、これらが業績の安定につながっております。

また、災害復旧資材など災害の多い日本ならではの緊急物資の対応も強化しております。また、インフラ・老朽設備の維持修繕など、今後も多く需要が出てくる分野に注力してまいります。

会社概要

続きまして、会社の概要でございます。資料の8ページをご覧ください。設立は1953年の1月でございます。本社は大阪と東京の2本社としております。従業員は連結では1,373名でございます。

会社設立沿革・事業ドメイン

それでは、9ページの沿革をご覧ください。創業当時は船舶用金物の製造・販売を行っていましたが、日本経済の発展とともに海から陸に取り扱い商材を変えてまいりました。1989年に近藤鉄工株式会社からコンドーテック株式会社に社名を変更しております。1995年に東証二部に上場いたしまして、現在では東証プライム市場へ移行しております。

建設卸業界を建設資材・電設資材・管工機材の3つに分類しますと、コンドーテックは建設資材で約80パーセント、そのほか船舶造船・運送・陸海荷役等で残りの20パーセントを占めております。取り扱い商材が広く、競合他社と比較いたしましても、まったく同じ業態の企業はございません。

また、子会社は、電設資材・住設資材の卸売を行う三和電材、タイ現地法人、機械の開発会社である中央技研、足場工事がテックビルド・東海ステップ・フコク・日本足場ホールディングスの4社、そしてアルミ押出加工品のメーカーである栗山アルミがございます。

セグメント別売上構成比(2024年3月期)

10ページをご覧ください。セグメントを4つに分類しております。産業資材は、インフラ関連のさまざまな消耗品を中心に販売しております。鉄構資材は、工場や倉庫などの鉄骨建築で使用する副資材を販売しております。電設資材は、エアコンや照明などを電気工事業者さまに販売しております。足場工事は、足場の架払工事および足場部材のレンタル・販売を行っております。

商流図

商流につきましては、11ページをご覧ください。自社工場をはじめ、OEM工場での製造委託品をも加えますと約30パーセントがメーカーとしての機能を有しております。

セグメント概要 : 産業資材

ここからはセグメント別に特徴を申し上げます。12ページにあります産業資材セグメントは、建築土木業界を軸に、建築資材および金物小売業、商社やホームセンター等を通じて建設工事現場や工場、物流現場、鉄道関連事業者などにさまざまな資材を販売しております。毎期、お客さまの新規開拓にも力を入れております。

セグメント概要 : 鉄構資材

鉄構資材は、鉄骨加工業者さまに副資材の製造・仕入・販売を行っております。地域的に空白地帯もありますので成長余力を残しております。

セグメント概要 : 電設資材

電設資材は、主に電気工事業者さまに電設資材を仕入・販売しております。エアコン・照明などの大きいものやスイッチ・コンセントなどの小さなもの、また水回り品などの住設資材まで幅広い商材を取り扱っております。

セグメント概要 : 足場工事

最後に足場工事のセグメントは、住宅メーカーやゼネコンさま向けに足場架払工事や関連資材の販売・レンタルを行っております。

取扱い商材の市場規模

続きまして、16ページにありますように、取扱い商材の市場規模と当社のシェアですが、ターンバックルブレースの当社シェアが約38パーセント、JISアンカーボルトが約35パーセント、足場吊りチェーンが約70パーセントとなっております。コロナ禍以降、需要は緩やかな回復基調となっており、川上への営業強化や新規出店、軽量化チェーンをはじめとする新製品開発等により今後もシェアの拡大に努めてまいります。

販売フィールド

次に18ページをご覧ください。当社の販売フィールドは、鉄骨建築・土木工事・プレハブ建築・荷役作業・船舶輸送・港湾・護岸工事・緊急防災備品等、幅広くございます。この幅広いフィールドが特定の業界の動向に左右されない当社の強みとなっております。

ターンバックルブレース 使用例

商品の使用例につきましては、19ページ以降をご覧ください。新耐震基準で使用される建築用のブレースにつきましては、長尺かつ使用される場所によってサイズが異なる受注生産品です。こうしたブレースを全国4ヶ所に展開する最適地の工場から、短納期で配送コストを抑えながら全国各地に送り届けることができるのが当社の強みでございます。札幌・茨城・滋賀・福岡の4工場すべてでJIS認証を取得しております。

アンカーボルト 使用例

次に、アンカーボルトの使用例でございます。アンカーボルトのような基礎部材は建築物にとって最も重要な部品となります。当社は物販だけでなく施工を請け負うことで、鉄骨加工業者さまの作業効率を高める手伝いをしております。写真にありますアンカーボルトも4工場すべてでJISを取得しております。

コンテナバッグ 使用例

そして、コンテナバッグの使用例でございます。毎年のようにゲリラ豪雨等の多くの自然災害が発生し、多くの被害が出ております。当社は各営業所で、コンテナバッグの他にもブルーシートや土のう袋といった災害対策資材を潤沢に在庫しており、こうした災害等有事の際に緊急物資としていち早く必要とされる資材をお届けしております。また、大阪と茨城にバックヤードを備えており、随時在庫を補充できる体制を整えております。

足場施工 工事例

最後に足場施工の工事例でございます。今後の日本では老朽化した施設の修繕・改修工事が増加すると考えられ、仮設足場の需要はますます高まるとみております。

2024年3月期 連結業績 〜前期比

それでは、2024年3月期の実績と分析でございます。24ページをご覧ください。すべての項目で前年比増となっております。

営業利益 前期比増減分析(連結)

利益の分析に関しましては、25ページにありますように、売上高で3億700万円の増加、利益率の上昇で4億7,400万円の増加、販管費の影響で4億6,300万円の下落で、営業利益は46億7,300万円でございます。

2024年3月期連結業績 〜計画比

26ページには計画比を記載しております。営業利益・経常利益・当期純利益は計画を上回る結果となりました。

連結貸借対照表 資産の部

B/Sにつきましては、27ページ・28ページにございますので、ご参照ください。

連結貸借対照表 負債、純資産の部

こちらもあわせてご参照ください。

2024年3月期 セグメント別業績

それでは、細かく各セグメント別にご説明いたします。資料の30ページをご覧ください。まず、産業資材は売上高371億8,800万円、前期比マイナス1.1パーセント、セグメント利益26億8,100万円、前期比プラス14パーセント、鉄構資材は売上高208億6,700万円、前期比プラス4.5パーセント、セグメント利益15億2,600万円、前期比マイナス10.8パーセント、電設資材は売上高101億700万円、前期比プラス6.4パーセント、セグメント利益3億2,200万円、前期比プラス2.6パーセント、足場工事は売上高87億900万円、前期比プラス4パーセント、セグメント利益1億9,700万円となっております。

産業資材

もう少し詳しく見てまいりますと、31ページにありますように、産業資材の売上高は前期と比較しますと4億2,000万円減少しております。分野によって需要動向に濃淡があり、販売数量が伸び悩んだことが主な要因となります。

産業資材

セグメント利益につきましては、32ページにありますように、販売数量面では製品・商品ともに低下しておりますが、一方で販売価格が上昇したことや売上総利益率が改善したことで、セグメント利益は前期比増となっております。

鉄構資材

鉄構資材につきましては、33ページをご覧ください。前期と比較しまして、売上高が9億円増加しております。販売数量が伸び悩みましたが、需要が堅調な大型物件の比率が増加し、販売価格が上昇した結果、増加いたしました。

鉄構資材

セグメント利益につきましては、34ページにありますように、競合他社との価格競争激化による売上総利益率の低下に加えまして、人件費を中心に販売管理費が増加したことにより、前期比減となっております。

電設資材

電設資材につきましては、35ページをご覧ください。前期と比較して売上高は6億円増加いたしました。仕入単価が上昇傾向にある中、費用に応じた価格設定と太陽光発電設備関連、店舗LED化等、カーボンニュートラルに順じた営業展開を推進したことなどが要因となっております。

電設資材

セグメント利益につきましては、36ページをご覧いただきますと、販管費の増加を増収効果で吸収したことにより、前期比増となっております。

足場工事

足場工事につきましては、売上高は前期より3億4,000万円増加しております。近年注力しております、橋梁・土木や大型物件向け工事売上が好調に推移したことに加えまして、レンタル売上が増加したことが主な要因となっております。

足場工事

セグメント利益につきましては、38ページをご覧いただきますと、増収効果や原価上昇分の販売価格への転嫁が進み、売上総利益率が改善したことで前期比増となっております。

2025年3月期 連結計画

続いて、2025年3月期の計画について、40ページをご覧ください。今期2025年3月期の売上高は前年比プラス6パーセントの815億円を計画しております。

2025年3月期 セグメント別計画

41ページにはセグメント別の計画を記載しております。

ESG基本方針

続きまして、ESG課題への対応につきまして、43ページをご覧ください。当社はESGへの取り組みを強化していくことで持続的な成長に繋げていきたいと考えております。

具体的な取り組み

具体的には、44ページにありますように、子会社の三和電材を通じまして、全国の工場や事務所においてLED照明や新しい省電力化されたエアコンなどの販売を通じて、より良い環境づくりに努めてまいります。他にも環境保全につきましては、4工場でISO14001の取得をしております。

取り組み例 環境

また、45ページをご覧ください。当社では取り扱い商材につきましても環境に配慮した商品を取り扱うという取り組みを行うとともに、物流に使用する木製パレットの廃棄量削減のため、循環利用を推進しております。

取組み事例 社会

続いて、46ページをご覧ください。2024年以降、時間外労働の上限規制が適用されることにより、物流業界においてさまざまな問題が生じる「物流の2024年問題」が懸念されております。当社の強みの1つである即納体制を維持するためには、物流機能が重要な要素となっており、製品・商品をスムーズに配達できるよう、全国の営業拠点で在庫拡充や倉庫の拡張を推進してまいります。

取り組み例 社会

また、47ページをご覧ください。当社ではさまざまなバックグラウンドを持つ社員が各人の能力を最大限発揮できるよう、職場環境を整えております。福利厚生制度につきまして、現在育児休業中の者を含めると、育児休業を開始した者の復職率はこの3年間ほぼ100パーセントであり、高い水準となっております。また、オリンピック出場を目指すアスリート社員が所属する陸上部があり、競技支援を継続的に行っております。

取り組み例 社会

続いて、48ページをご覧ください。社員の持株会の加入率は65パーセントであり、平均を大きく上回っております。これにより、株主さま目線で会社の運営を行っていくことができると考えております。

取り組み例 ガバナンス

49ページにはガバナンスについて記載しておりますので、ご参照ください。

売上高1,000億円を目指して

成長戦略につきましては、51ページにありますように、オーガニック成長・周辺強化による成長に加えてM&A戦略を組み合わせることにより、2020年代中に売上高1,000億を目指してまいります。

オーガニック成長 ①4つの成長戦略 〜 新規販売先の開拓、新商材の提供

まず、オーガニック成長の具体的な戦略につきまして、52ページをご覧ください。新規開拓は、毎年売上高および売上総利益の中で約5パーセントの寄与がございます。新商材では、定期的に新商材委員会を開催することで、より付加価値の高い商材の開拓・供給に取り組んでおります。

オーガニック成長 ①4つの成長戦略 〜 売り方の工夫、販売ルートの開拓

続きまして、53ページをご覧ください。成長戦略の1つである、売り方の工夫をご紹介しております。「ツリカタ」という吊り具点検サイトの運用を行うことで、製商品の販売にとどまらない、付加価値の高いサービスの提供を行っております。販売ルートにつきましても、既存のルートにこだわらず、ホームセンターさまや鉄道会社さまといった新業種への事業拡大、そしてインターネットを用いた新しい販売形態の模索を行っております。

オーガニック成長 ②拠点展開

拠点展開につきまして、54ページをご覧ください。当社ではお客さまのニーズに迅速に対応すべく、地域密着型の販売体制を整えられるような拠点展開を目指しております。直近では2024年4月に北海道営業所を開設いたしました。

オーガニック成長 ③自然災害への対応

続きまして、自然災害への対応につきまして、55ページをご覧ください。先ほども触れましたが、震災の復旧復興、大雨等の異常気象が発生した場合に備え、各営業店でコンテナバックやブルーシートを在庫しており、緊急を要する資材の需要にも即座に対応できる体制を整えております。

また近年、雨の降り方が局地化、集中化していることから、国土交通省は「新たなステージ」として認識し、危機感を持って防災・減災対策に取り組むことを求めています。「新たなステージ」に対応するため、インフラの被害を最小限に抑えるとともに、早期復旧できるよう自治体などとも連携し、事前の備えにも注力してまいります。

周辺強化による成長 海外市場への展開

続きまして、周辺強化による成長戦略として、海外市場の展開がございます。資料は56ページをご覧ください。タイに現地法人を設けており、まだ規模的には大きくありませんが、タイを拠点としたASEAN地域への事業拡大に向けて活動しております。

オーガニック成長・周辺強化による成長を加速するために M&A戦略(企業の買収及び資本・業務提携)

続きまして、57ページをご覧ください。当社ではオーガニック成長・周辺強化による成長を加速させるため、M&Aを積極的に検討しております。M&A戦略につきまして、当社は表にあります4つの視点から行っております。

1つ目は隣接する業界で、実績例といたしましては、建設業界の隣接業界である電設資材を取り扱う三和電材、アルミ押出型材を製造している栗山アルミが挙げられます。

2つ目の事業の深掘りに関しましては、工場設備の設計を行う中央技研や足場工事を行うテックビルド・東海ステップ・フコクが挙げられます。

そして3つ目は事業エリアの拡大、4つ目は販売形態の拡充でございます。この4つの視点からM&Aの検討を随時行い、成長を加速すべく取り組んでおります。

配当・株主優待

最後に株主還元についてご説明いたします。資料の59ページをご覧ください。当社は昨年度より、配当水準の向上により株主のみなさまに対する利益還元を一層強化するため、利益配分に関する基本方針を変更し、株主還元目標であるDOEの目標を2.5パーセント以上から4.0パーセント以上に引き上げております。配当につきましては、上場来減配はなく、2025年3月期も前期比6円増配の46円を想定しており、14期連続の増配を予定しております。

株価推移

60ページは株価の推移となっておりますので、またご覧ください。

62ページ以降は過去の業績ハイライトを掲載しておりますので、ご参照いただけますと幸いです。

以上で、コンドーテック株式会社2024年3月期決算説明を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス
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