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【IRアナリストレポート】レシップホールディングス(7213)

著者:鈴木 行生
投稿:2021/12/07 18:24

~バスのAFC(運賃システム)、TMS(運行管理システム)で先進~

【ポイント】
・半導体などの電子部品の供給不足によって、主要製品の生産に遅れが生じている。納期遅れや新規成約の先延ばしで、上期の業績は計画を下回り、下期の見込みも見直しを迫られている。今期は大幅減益となろう。

・来上期まで影響が出ようが、遅れた分は来期に売上に立ってくるので、かなり取り戻すことはできよう。よって来期の業績は好転しよう。また、2024年の新紙幣の発行に向けて、バスの運賃箱やそのシステムの更新需要が2023年度から全国的に出てこよう。

・10年ビジョンを策定し、今期から新3カ年経営計画をスタートさせた。2030年度で、売上高300億円、営業利益率10%を目指す。足元はコロナ禍がまだ続いており、主力のバス関連ビジネスの投資マインドは弱い。海外(米国、スウェーデン、シンガポール、タイ)のビジネスも低調で、回復はまだ鈍い。

・MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の一翼を担う当社の路線バス運行支援システム「LIVU」(ライブ:LECIP Intelligent Vehicle Unit)を活用したバスロケーションシステムは、4社のバス会社で採用が始まっている。新しいプラットフォームとして業界の先陣を切っており、いずれ需要に結びついてこよう。乗車券購入アプリ「QUICK RIDE」は、キャッシュレス化支援が高く評価され、回数券、定期券への利用も進み始めた。11社で採用され、事業機会が広がろう。

・米国では、バス用の新型運賃箱LF-7000で新規受注に成功した。SaaS型の初の受注なので、次の展開が期待できよう。欧州子会社で開発したキャッシュレス運賃収受器LV-700はEMSレベル2の認証を得て、欧州の公共バスや路面電車で実用化に進もう。実際、2月にドイツの有力システムインテグレータIVU社が採用を決めた。

・当社は、AFC(自動運賃収受システム)+TMS(運行管理システム)+EMS(エネルギーマネジメントシステム)を事業のコアとする。EMSについては、産業用EVのバッテリーなど事業ドメインを再定義して、新たな展開をめざす。3年後には、売上高200億円、営業利益10億円、ROE 8%以上という目標が達成できよう。プライム市場の条件適合に向けて、今後の展開に注目したい。

目次
1.特色 情報処理(非接触ICカード利用)、電力変換(電源)、 光(LED)が得意
2.強み バスの運賃収受システムで国内シェア6割強を有するトップメーカー
3.中期経営計画 新ビジョンと中期計画でMaaSと海外市場開拓を推進
4.当面の業績 新型コロナの影響を克服しつつ業績は回復へ
5.企業評価 内外での新規受注案件の仕上がりに注目

レシップホールディングス <7213>
企業レーティング B
株価
(2021年12月7日)
599円
時価総額 85億円
(14.18百万株)
PBR 1.81倍
ROE 4.7%
PER 38.4倍
配当利回り 0.8%
総資産 12754百万円
純資産 4267百万円
自己資本比率 33.5%
BPS 332.2円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2013.3 13480 477 526 292 23.4 7.5
2014.3 14157 151 164 -98 -9.1 8.5
2015.3 20215 603 779 227 20.8 8.5
2016.3 16203 -571 -649 -1378 -125.3 7.5
2017.3 16985 483 354 50 4.6 7.5
2018.3 15749 -235 -248 -454 -40.9 7.5
2019.3 21538 1021 1030 438 38.8 8.5
2020.3 26051 1854 1830 891 74.4 8.5
2021.3 15553 -40 35 -124 -9.8 5.0
2022.3(予) 13000 -600 -600 -500 -38.9 5.0
2023.3(予) 18000 500 500 200 15.6 5.0
2024.3(予) 20000 1000 1000 500 38.9 7.5

(2021.9ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは来期予想ベース。2005年11月1:10、2014年4月1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/reshiltupuHD202112.pdf
 

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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